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#26
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薄暗い部屋の中で、2人が会話している。
「どうするんだよ・・・このままじゃいずれここもバレる。そうなれば今度こそ終わりだぞ」
「分かってる・・・ボスたちも頑張ってくれてるんだ、なのにオレたちが諦める訳にはいかないんだよ・・・そうだろ?ナキ」
片方は30代の、長い髪ということ以外は特にこれといった特徴は無い男性。
もう片方のナキと呼ばれる20代の女性だが、男勝りな口調や鋭い目つきのせいもあり男性のような印象を受けるが、髪を後ろで括ってポニーテールにしてることやスカートを履いていることから見た目はしっかりと女性だ。
2人がそんな会話をしていた瞬間、部屋中に警報が響き渡る。
「・・・!」
「ッチ!ここがバレやがった!」
男性は直ぐ様目の前のモニターを使って建物周囲の監視カメラを確認する。
「政府軍の奴らが来たのか!?」
ナキは焦燥の表情で男性にそう問いかける。
「いや、それが・・・1人か?」
「・・・は?」
男性にそう言われ、ナキもモニターを見るが、そこに写っていたのは1人の女性だけだった。
「ほんとに玲奈には悪いな・・・」
「凄く引きずってるな」
「そりゃまあな」
僕と京夜はそんな会話をしながら、廃工場内に侵入していた。
「玲奈さんなら大丈夫だとは思う、瑠衣もいるしな。それより一番危険なのはお前だ、零」
「そうだな」
この作戦、こちら側の勝利条件は"こちら側は誰も倒されずに組織の残党を全員捕縛する"というものだ。
役割的には玲奈と瑠衣(ドローン)正面から雑兵を相手をして、僕と京夜は裏口から侵入して、僕は一番強いやつと戦い、京夜はそれをサポートする感じだ。
一番強いやつと言うのは、写真で見たあいつだ。
「建物内が騒がしいな、玲奈さんが頑張ってくれてるからみんな出撃してるんだろうな」
「玲奈たちがこの調子で頑張ってくれたら半数ほどは建物外に追い出せるかな?」
テレポート系の能力は概ねかなりコスパが悪く、多様はできないため、恐らく最悪の状況にならないと使ってこないだろう。
能力は力が強いほどその代償も大きくなるからな。
つまり、これはスピード勝負だ、どうせ相手には感知系の能力者がいるだろうから僕たちが建物内に侵入してることもすぐにバレるだろう。
だから対応される前にあいつを倒して捕まえる、その後は消化試合だ。
「京夜、道中の敵は頼む。僕は色々と温存しておきたいからな」
「了解」
そう言って僕たちは走る速度を上げる。
『すご・・・』
瑠衣は目の前の光景に驚愕していた。
なんせ数人もの能力者たちが玲奈に掛かって行くが、その攻撃は"まるで何かに弾かれているように"全く当たることはなく、逆に玲奈が能力を発動して、何か光のようなものが一瞬見えると、次の瞬間には相手が倒れている。
瑠衣は驚きながらも、ドローンを操作してレーザービームを放ち、玲奈をサポートする。
事前に零から言われていた事なのだが、なんでも玲奈は攻撃後に僅かな硬直時間があるらしい。
瑠衣の役目は、玲奈が攻撃を放った直後に相手をレーザービームで撃ち、玲奈に攻撃が行かないようにすることだ。
『強いですね!』
瑠衣は玲奈をサポートしつつそう言う。
玲奈の能力も零の能力を教えてもらった時に教えてくれた。
___《雷撃》×《具現化》・・・それが玲奈の能力だ。
能力を複数持っているということは、過去に能力者を殺したことがあるという事だ。
そのため瑠衣はそれを聞いたときは始めは驚いたが、何か事情があったのだということを察してそれ以上は聞かなかった。
玲奈も誰も話さないことから、あまり触れないほうがいい話題だということは容易に察しが付く。
玲奈の戦闘スタイルはシンプルで、《雷撃》で攻撃し、《具現化》で守るというものだ。
《雷撃》は予め充電しておいた電力を使って色々な事が出来るという能力で、基本的には電気を放出して攻撃している。
《具現化》は気体をその場で具現化させる事が出来るというもので、基本的には空気を具現化して相手の攻撃を防ぐのに使える。
この様に攻守に優れた能力を持っており、幅広く対応できる玲奈だからこそ、この役割を任されたのだろう。
瑠衣はそう考えながら、自分の任された役割をこなそうと、気合を入れる。
「はいっ!」
僕はそんな声を上げながらドアを蹴破り、通路を進んでいくいく。
目の前には3人の敵がおり、驚きの表情を浮かべている。
僕はそいつらを無視して横を素通りして先に進む。
3人は一瞬遅れて僕が敵だということを認識したようで、僕に向けて銃を構えるが、その時には既にもう京夜が攻撃を終えており、3人は同時に倒れる。
「ナイスッ!」
僕は3人を倒した京夜に向けてそう言う。
京夜の弾丸をまともに食らったからにはこいつらはしばらく動けない。
後から回収に来る政府の奴らが運んでいってくれるだろう。
これで14人、事前情報によれば50~100という人数らしいが、問題はどれだけの人数の強者が居るかだ。
仮に強者が複数人居るとして、約3分の1は正面の迎撃に、あとはすぐに動けるように待機させる。少なくとも僕ならそうする。
ならば建物内の被害状況を考えて見てもそろそろ僕たちを止めるために強者が来てもおかしくはない。
建物の見取り図はもう読んでいて覚えているし、さっき倒した敵からあいつの居場所も聞き出した。
そのためあと数分も走ればあいつと戦うことになるだろう。
「・・・!」
「・・・・・」
瞬間、目の前に何者かを確認して僕と京夜は立ち止まる。
「あんたら侵入者だろ?悪いけど、ここで止めさせてもらうよ」
建物内は薄暗く、影のせいで顔は見えないが、声の高さからして男性なのだろう。
そいつはそう言うとこちらに向けて黒い箱のような物を投げてくる。
「おわっ!」
僕はそれを横に避けて回避しようとするが、その箱は僕の横を通り過ぎようとしたところで巨大化する。
本来なら余裕で避けれたのだが、僕たちの居た通路は狭くてあまり動き回れなかったため、僕はその黒い箱に触れてしまう。
「零っ!」
京夜がこちらに向けて叫んでいるが、僕はその箱に触れた瞬間箱の中に吸い込まれて行ってしまうのだった。
「どうするんだよ・・・このままじゃいずれここもバレる。そうなれば今度こそ終わりだぞ」
「分かってる・・・ボスたちも頑張ってくれてるんだ、なのにオレたちが諦める訳にはいかないんだよ・・・そうだろ?ナキ」
片方は30代の、長い髪ということ以外は特にこれといった特徴は無い男性。
もう片方のナキと呼ばれる20代の女性だが、男勝りな口調や鋭い目つきのせいもあり男性のような印象を受けるが、髪を後ろで括ってポニーテールにしてることやスカートを履いていることから見た目はしっかりと女性だ。
2人がそんな会話をしていた瞬間、部屋中に警報が響き渡る。
「・・・!」
「ッチ!ここがバレやがった!」
男性は直ぐ様目の前のモニターを使って建物周囲の監視カメラを確認する。
「政府軍の奴らが来たのか!?」
ナキは焦燥の表情で男性にそう問いかける。
「いや、それが・・・1人か?」
「・・・は?」
男性にそう言われ、ナキもモニターを見るが、そこに写っていたのは1人の女性だけだった。
「ほんとに玲奈には悪いな・・・」
「凄く引きずってるな」
「そりゃまあな」
僕と京夜はそんな会話をしながら、廃工場内に侵入していた。
「玲奈さんなら大丈夫だとは思う、瑠衣もいるしな。それより一番危険なのはお前だ、零」
「そうだな」
この作戦、こちら側の勝利条件は"こちら側は誰も倒されずに組織の残党を全員捕縛する"というものだ。
役割的には玲奈と瑠衣(ドローン)正面から雑兵を相手をして、僕と京夜は裏口から侵入して、僕は一番強いやつと戦い、京夜はそれをサポートする感じだ。
一番強いやつと言うのは、写真で見たあいつだ。
「建物内が騒がしいな、玲奈さんが頑張ってくれてるからみんな出撃してるんだろうな」
「玲奈たちがこの調子で頑張ってくれたら半数ほどは建物外に追い出せるかな?」
テレポート系の能力は概ねかなりコスパが悪く、多様はできないため、恐らく最悪の状況にならないと使ってこないだろう。
能力は力が強いほどその代償も大きくなるからな。
つまり、これはスピード勝負だ、どうせ相手には感知系の能力者がいるだろうから僕たちが建物内に侵入してることもすぐにバレるだろう。
だから対応される前にあいつを倒して捕まえる、その後は消化試合だ。
「京夜、道中の敵は頼む。僕は色々と温存しておきたいからな」
「了解」
そう言って僕たちは走る速度を上げる。
『すご・・・』
瑠衣は目の前の光景に驚愕していた。
なんせ数人もの能力者たちが玲奈に掛かって行くが、その攻撃は"まるで何かに弾かれているように"全く当たることはなく、逆に玲奈が能力を発動して、何か光のようなものが一瞬見えると、次の瞬間には相手が倒れている。
瑠衣は驚きながらも、ドローンを操作してレーザービームを放ち、玲奈をサポートする。
事前に零から言われていた事なのだが、なんでも玲奈は攻撃後に僅かな硬直時間があるらしい。
瑠衣の役目は、玲奈が攻撃を放った直後に相手をレーザービームで撃ち、玲奈に攻撃が行かないようにすることだ。
『強いですね!』
瑠衣は玲奈をサポートしつつそう言う。
玲奈の能力も零の能力を教えてもらった時に教えてくれた。
___《雷撃》×《具現化》・・・それが玲奈の能力だ。
能力を複数持っているということは、過去に能力者を殺したことがあるという事だ。
そのため瑠衣はそれを聞いたときは始めは驚いたが、何か事情があったのだということを察してそれ以上は聞かなかった。
玲奈も誰も話さないことから、あまり触れないほうがいい話題だということは容易に察しが付く。
玲奈の戦闘スタイルはシンプルで、《雷撃》で攻撃し、《具現化》で守るというものだ。
《雷撃》は予め充電しておいた電力を使って色々な事が出来るという能力で、基本的には電気を放出して攻撃している。
《具現化》は気体をその場で具現化させる事が出来るというもので、基本的には空気を具現化して相手の攻撃を防ぐのに使える。
この様に攻守に優れた能力を持っており、幅広く対応できる玲奈だからこそ、この役割を任されたのだろう。
瑠衣はそう考えながら、自分の任された役割をこなそうと、気合を入れる。
「はいっ!」
僕はそんな声を上げながらドアを蹴破り、通路を進んでいくいく。
目の前には3人の敵がおり、驚きの表情を浮かべている。
僕はそいつらを無視して横を素通りして先に進む。
3人は一瞬遅れて僕が敵だということを認識したようで、僕に向けて銃を構えるが、その時には既にもう京夜が攻撃を終えており、3人は同時に倒れる。
「ナイスッ!」
僕は3人を倒した京夜に向けてそう言う。
京夜の弾丸をまともに食らったからにはこいつらはしばらく動けない。
後から回収に来る政府の奴らが運んでいってくれるだろう。
これで14人、事前情報によれば50~100という人数らしいが、問題はどれだけの人数の強者が居るかだ。
仮に強者が複数人居るとして、約3分の1は正面の迎撃に、あとはすぐに動けるように待機させる。少なくとも僕ならそうする。
ならば建物内の被害状況を考えて見てもそろそろ僕たちを止めるために強者が来てもおかしくはない。
建物の見取り図はもう読んでいて覚えているし、さっき倒した敵からあいつの居場所も聞き出した。
そのためあと数分も走ればあいつと戦うことになるだろう。
「・・・!」
「・・・・・」
瞬間、目の前に何者かを確認して僕と京夜は立ち止まる。
「あんたら侵入者だろ?悪いけど、ここで止めさせてもらうよ」
建物内は薄暗く、影のせいで顔は見えないが、声の高さからして男性なのだろう。
そいつはそう言うとこちらに向けて黒い箱のような物を投げてくる。
「おわっ!」
僕はそれを横に避けて回避しようとするが、その箱は僕の横を通り過ぎようとしたところで巨大化する。
本来なら余裕で避けれたのだが、僕たちの居た通路は狭くてあまり動き回れなかったため、僕はその黒い箱に触れてしまう。
「零っ!」
京夜がこちらに向けて叫んでいるが、僕はその箱に触れた瞬間箱の中に吸い込まれて行ってしまうのだった。
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