能力者の都市で僕が最強の"覇王"になるまで。

ミースケ

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「一旦休戦にしないか?」
 僕はその場で両手を上げながら持っていた剣を手放し、陽翔に対してそんな提案をする。
「なせだ?」
「今のお前の話が本当なら互いに今戦う理由が無くなるからな」
「・・・?」
 陽翔は訝しげな表情を浮かべる。まあ当然だな、さっきまで殺し合っていた相手からそんな事を言われて素直に納得出来るやつのほうが少ないだろう。
「僕は今まで復讐の為、あの事件の首謀者を探してきた。お前が今言った龍桜が黒幕だということがもし本当なら僕はお前に協力する」
「・・・お前もだったのか」
「信じるか信じないかはお前次第だが、信じた場合のリターンは大きいぞ?なんせお前らの組織と同等の戦力が仲間に付く上に、僕と同じ目的の緑間も全面的に協力する」
「緑間だって・・・!?」
 これには流石に陽翔も驚いたようで、動揺の表情を見せる。
 なんせ緑間家が味方に付けば緑間の企業が軍事用に開発している武器を横流しして貰えるようになるからだ。その上緑間きっての優秀な戦闘員も味方となり、もしそうなれば組織としての戦力は10倍近くに跳ね上がり、政府の軍ともいい勝負が出来るようになる。
「で、どうするんだ?条件は互いにこれ以上危害を加えない事と、龍桜を倒す上での相互協力だ」
 ここでもし断ったら戦闘が再開され、下手をすればこのまま組織は全滅、そこまでは行かずとも最低でも半壊はするだろう。
 リスクヘッジを考えてもここで僕の話に乗るのが得策だ。
 今までの戦闘から見てもこいつはかなり頭がキレる。だからこそ、この取引に乗る。それが最善手だからだ。
「分かった、おまえの取引に応じよう」
「よ~し、じゃあ決まりな!協力するってことで!」
 こうして僕と陽翔との戦いは幕を降ろしたのだった。

「玲奈さん・・・!大丈夫ですか!?」
「無事ですかな、玲奈殿」
 ドローンが破壊されてからすぐ、瑠衣と影浦さんは玲奈の居る正面の広場へと走ってきていた。
「・・・ん」   
 2人の心配の声を玲奈はそう受け流し、小さな身体で背伸びをする。
 玲奈から少し離れた所では、瑠衣がドローンのカメラ越しから見ていたフードの男が倒れており、玲奈が無事勝利した事が分かる。
「無傷だなんて凄いですねぇ!」
「・・・らくしょー」
 身体に傷は見受けられないが、玲奈はいつも以上に眠たそうな目をしており、かなりの体力を消費したことが伝わってくる。
「その様子だと電力を使い切ったようですな」
「む・・・10パーは残ってるし・・・」
 少し離れたところからそんな事を言ってきた影浦さんに、玲奈は少しムスッとした様子で反論する。
「あとは・・・零と京夜だけど、あの2人なら問題ない・・・」
「そうですね!2人が組めば敵なしですよ!」
 そんな事を言う2人を横目に、影浦さんは溜め息を付きながらこう呟く。
「分断されてないといいですが」

「・・・あれは無理だな」
 影浦さんの予感通り分断された2人組の片割れである京夜は潔く逃走していた。
 あいつの能力は"光"に関する能力だということが分かったが、それに対する攻略法が分からない。
 こちらの弾丸は全て避けられ、反撃の威力は京夜の弾丸の数倍。おまけにあいつの能力の詳細も未だ不明だ。
 対する京夜の能力はシンプルが故にバレてもあまり問題は無いのだが、シンプルが故に京夜の能力が当たらないor当たっても効かない相手に対しては圧倒的に不利となる。
 だからこそ逃げているわけなのだが、それだけでは当然勝てない
「さて、どうするか・・・」
 京夜は思考の末に、"ごくごく単純な手段に出る"。
「ハハッ!正面から来るか!?」
「ああ、お前なんて無策で十分だ」
 京夜とナキは互いに銃を構えて向かい合う。
「・・・あ?おん、はぁ!?」
「どうした?」
 が、次の瞬間にナキが耳を抑えてそんな事を呟きだす。恐らく耳につけている通信機で仲間と連絡を取っているのだろう。 
「どうやら、ワタシとお前が戦う理由は無くなったらしい」
「はぁ・・・!?」
「ウチのリーダーとお前らの頭が手を組んだらしい。仲間になったらしいな」
「はぁ・・・」
 京夜はため息を付きつつも、妙に納得する。この時代に反政府組織をやっている理由を考えると、10年前の臨時政府襲撃の件から政府に何らかの恨みがあることが分かる。
 その上で零が協力する事にしたということは、政府側の人間に10年前の事件の黒幕が居たということになる。
「零、長かったな・・・遂にか」
 零と共に10年前の事件の黒幕を探して来て約5年、零に関しては10年もの間探し続けていた。
 それが見つかったのは"零の目的"のためのとてつもない進歩だ。
「俺は最後までお前に付いていくぞ」
 京夜はそう呟いて手持ちの装備を確認する。
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