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「よ~お、お前ら!大丈夫だったか?」
「・・・だいじょーぶい」
「はい!もちろんです!」
「元気だな、お前たち」
十数分後、正面の広場に一同が集合していた。僕たち事務所メンバーの4人と影浦さん、ICEの陽翔とナキっていうやつが向かい合う。
ICEの構成員の中で比較的軽症で起き上がった者は、倒れている人たちを建物内内部へと運んでいる。
「・・・それで、同盟についての話だが」
「そうですよ!どういう事なんですか!?依頼は!?」
「・・・瑠衣、うるさい」
「あ~、その話ねぇ」
陽翔が切り出した話に、瑠衣が思い出したように食い付いてきたので、僕は一連の流れについてみんなに説明する。
「つまり僕は政府を裏切る。・・・この情報に関しては僕の能力で確認済みだ」
「まあ・・・な」
【契約】によって陽翔に「嘘を付くな」という契約を交わし、それで質問することによって、その情報に嘘が混ざっているかどうかが確認できる。
それにより、「10年前の事件の黒幕が龍桜」だという情報が本当だということがわかる。
「優香さん・・・緑間には既に連絡して協力してもらえるようになった」
「零殿、私と私の部下も全力で協力させていただきますよ」
「ありがたいです、影浦さん」
僕が優香さんの家で暮らしていた時代、影浦さんにはよく鍛えて貰っていた。僕は剣術を影浦さんに教えてもらっており、瑠衣も恐らく指南を受けているだろう。
「それならいい、あとは"ウチのボス"に報告する。この判断は俺の独断だからな」
「ったく、その判断がもう少し遅かったらこいつとガチでやれたのにな」
「・・・そんな事言うなよ、俺はあんたとはやりたくないんだ」
「連れねーこと言うなよな!」
「やめてくれ・・・」
ナキというらしい女性にだる絡みされて、ガチで嫌そうにしている京夜はこちらに助けを求めるように視線を送ってくる。
ナキも銃を持っているため、京夜に何かシンパシーを感じているのかもしれない。
「まあ・・・いいんじゃないか?」
「おい、零!」
さて、ここで皆に言っておかなければならないことがある。
僕は皆の方をじっと見て声を上げる。
「お前ら、僕はこれから本格的に政府に対して半旗を翻す事になる。それはもちろん犯罪だし、最悪の場合死刑になることだってあり得るだろう。それでも僕はお前らと共に戦いたい・・・僕と、一緒に地獄に落ちて欲しい」
決して強制はしない。京夜には都市外に仕送りをしている母親が居るし、玲奈はようやく自分の店を開くという夢を叶えた。瑠衣はそもそも経験としてこの事務所に入ったのだ、わざわざ命を掛ける理由も義理も無い。
それでも僕はこいつらと共に戦いたい。この事務所・・・【ZERO】の仲間が、僕の唯一残った家族なのだから。
「俺はお前の相棒だ。お前と共になら地獄にだって行ってやるさ」
「・・・私も零について行く・・・だって私は、零のことが好きだから。」
「お前ら・・・ありがとな」
京夜と玲奈の言葉に少しだけ泣きそうになり、僕は右の目元を拭う。
「わ、わたしも!零さんに付いて行きます!」
「おいおい、瑠衣。そんなに無理しなくてもいいんだぞ?お前にはそこまでする理由が無いだろ?」
震えながらもそんな事を言う瑠衣に対して、僕は警告をする。
瑠衣には命を掛ける理由が無い。一緒に戦ってくれようとしてくれているのはとても嬉しいが、半端な覚悟では戦って欲しくない。
「・・・理由なら、あります!」
「ん?」
「わたしは10年前、ある男の人に命を助けてもらいました。その人はわたしを助けたあとに、あの事件の黒幕と戦ったと言っていました。そいつに8人の仲間を殺され、自身の身体にも酷い後遺症が残っているそうです」
「それがどうしたんだ?」
「その人はわたしの命の恩人です。そんな人を酷い目に合わせた黒幕の事をわたしは許せないんです。だから、わたしも零さん達と一緒に戦わせて欲しいんです!」
「そうか・・・分かった。よろしくな」
「はい!」
そう、変わらず元気に返事をする瑠衣に、僕は少しだけ頬を緩めて笑みを浮かべる。
「・・・お前少し気持ち悪いぞ?」
「そんな事言うなって!」
それを見てそんなことを言う京夜に、僕はそう言いながら京夜の肩を叩く。
「おい、瑠衣・・・といったか?お前の恩人というのはもしかして・・・」
「はい?」
ふと何かに気がついたように陽翔が瑠衣に問い掛けようとするが、その瞬間、陽翔に向けて弾丸が飛来する。
「・・・っ!!なんだ!?」
「お前ら物陰に隠れろ!」
僕は即座に指示を出しながら、もう隠す必要のないその能力を使って巨大な壁を作り上げる。
弾丸が飛んできた方向からして、僕たちが攻め込んでくる際に来た道に敵が居るのだろう。
この"ICE"の本部である廃工場は全方位が山で囲まれており、その内側に入るには正面の小さな通路を通るしかない。
「全員建物内に向え!」
敵が何人居るのか知らないが、唯一の通路で待ち構えられている以上、一旦廃工場に入って状況を整理して迎え撃つか逃げるかの判断をするしかない。
「敵は何者なんだ?」
敵は真っ先に陽翔を狙った。《破壊神》によって弾丸は破壊されたがこの場の誰も直前までその攻撃に気づけなかった。いや、もしかしたら京夜は気づいていたのかも知れないが、それでも対応は出来なかった。
そんな能力や技術を持っていて、尚且つ陽翔を狙う理由がある理由がある者といえば、同業者か、それとももしくは・・・
「・・・だいじょーぶい」
「はい!もちろんです!」
「元気だな、お前たち」
十数分後、正面の広場に一同が集合していた。僕たち事務所メンバーの4人と影浦さん、ICEの陽翔とナキっていうやつが向かい合う。
ICEの構成員の中で比較的軽症で起き上がった者は、倒れている人たちを建物内内部へと運んでいる。
「・・・それで、同盟についての話だが」
「そうですよ!どういう事なんですか!?依頼は!?」
「・・・瑠衣、うるさい」
「あ~、その話ねぇ」
陽翔が切り出した話に、瑠衣が思い出したように食い付いてきたので、僕は一連の流れについてみんなに説明する。
「つまり僕は政府を裏切る。・・・この情報に関しては僕の能力で確認済みだ」
「まあ・・・な」
【契約】によって陽翔に「嘘を付くな」という契約を交わし、それで質問することによって、その情報に嘘が混ざっているかどうかが確認できる。
それにより、「10年前の事件の黒幕が龍桜」だという情報が本当だということがわかる。
「優香さん・・・緑間には既に連絡して協力してもらえるようになった」
「零殿、私と私の部下も全力で協力させていただきますよ」
「ありがたいです、影浦さん」
僕が優香さんの家で暮らしていた時代、影浦さんにはよく鍛えて貰っていた。僕は剣術を影浦さんに教えてもらっており、瑠衣も恐らく指南を受けているだろう。
「それならいい、あとは"ウチのボス"に報告する。この判断は俺の独断だからな」
「ったく、その判断がもう少し遅かったらこいつとガチでやれたのにな」
「・・・そんな事言うなよ、俺はあんたとはやりたくないんだ」
「連れねーこと言うなよな!」
「やめてくれ・・・」
ナキというらしい女性にだる絡みされて、ガチで嫌そうにしている京夜はこちらに助けを求めるように視線を送ってくる。
ナキも銃を持っているため、京夜に何かシンパシーを感じているのかもしれない。
「まあ・・・いいんじゃないか?」
「おい、零!」
さて、ここで皆に言っておかなければならないことがある。
僕は皆の方をじっと見て声を上げる。
「お前ら、僕はこれから本格的に政府に対して半旗を翻す事になる。それはもちろん犯罪だし、最悪の場合死刑になることだってあり得るだろう。それでも僕はお前らと共に戦いたい・・・僕と、一緒に地獄に落ちて欲しい」
決して強制はしない。京夜には都市外に仕送りをしている母親が居るし、玲奈はようやく自分の店を開くという夢を叶えた。瑠衣はそもそも経験としてこの事務所に入ったのだ、わざわざ命を掛ける理由も義理も無い。
それでも僕はこいつらと共に戦いたい。この事務所・・・【ZERO】の仲間が、僕の唯一残った家族なのだから。
「俺はお前の相棒だ。お前と共になら地獄にだって行ってやるさ」
「・・・私も零について行く・・・だって私は、零のことが好きだから。」
「お前ら・・・ありがとな」
京夜と玲奈の言葉に少しだけ泣きそうになり、僕は右の目元を拭う。
「わ、わたしも!零さんに付いて行きます!」
「おいおい、瑠衣。そんなに無理しなくてもいいんだぞ?お前にはそこまでする理由が無いだろ?」
震えながらもそんな事を言う瑠衣に対して、僕は警告をする。
瑠衣には命を掛ける理由が無い。一緒に戦ってくれようとしてくれているのはとても嬉しいが、半端な覚悟では戦って欲しくない。
「・・・理由なら、あります!」
「ん?」
「わたしは10年前、ある男の人に命を助けてもらいました。その人はわたしを助けたあとに、あの事件の黒幕と戦ったと言っていました。そいつに8人の仲間を殺され、自身の身体にも酷い後遺症が残っているそうです」
「それがどうしたんだ?」
「その人はわたしの命の恩人です。そんな人を酷い目に合わせた黒幕の事をわたしは許せないんです。だから、わたしも零さん達と一緒に戦わせて欲しいんです!」
「そうか・・・分かった。よろしくな」
「はい!」
そう、変わらず元気に返事をする瑠衣に、僕は少しだけ頬を緩めて笑みを浮かべる。
「・・・お前少し気持ち悪いぞ?」
「そんな事言うなって!」
それを見てそんなことを言う京夜に、僕はそう言いながら京夜の肩を叩く。
「おい、瑠衣・・・といったか?お前の恩人というのはもしかして・・・」
「はい?」
ふと何かに気がついたように陽翔が瑠衣に問い掛けようとするが、その瞬間、陽翔に向けて弾丸が飛来する。
「・・・っ!!なんだ!?」
「お前ら物陰に隠れろ!」
僕は即座に指示を出しながら、もう隠す必要のないその能力を使って巨大な壁を作り上げる。
弾丸が飛んできた方向からして、僕たちが攻め込んでくる際に来た道に敵が居るのだろう。
この"ICE"の本部である廃工場は全方位が山で囲まれており、その内側に入るには正面の小さな通路を通るしかない。
「全員建物内に向え!」
敵が何人居るのか知らないが、唯一の通路で待ち構えられている以上、一旦廃工場に入って状況を整理して迎え撃つか逃げるかの判断をするしかない。
「敵は何者なんだ?」
敵は真っ先に陽翔を狙った。《破壊神》によって弾丸は破壊されたがこの場の誰も直前までその攻撃に気づけなかった。いや、もしかしたら京夜は気づいていたのかも知れないが、それでも対応は出来なかった。
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