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「・・・そうか」
部屋の中、突然入った連絡に男は身震いする。
「ようやくか・・・」
10年前あいつに敗北し、仲間に庇われて命からがら生き残った時から、復讐の為だけに生きてきた。あいつを殺して必ず死んでいった仲間の無念を晴らす。
「・・・さて、向かうか」
そんな覚悟を決めて、男は痛む身体を起こし、連絡のあった場所に向かう。
「世話になったな、風間・・・」
「・・・強いな」
京夜は少し苦しい表情を浮かべながら次々と弾丸を放っていく。
やはり問題なのは、こちら側は約30名なのに対して相手の政府軍は300名以上という絶望的戦力差だ。
前線では玲奈やナキが暴れ回っていたり、後方から京夜が狙撃でサポートをしているとはいえ、この戦力差ではかなりキツイ。
ただ政府軍とはいえ、圧倒的に強い能力を持っている者はおらず、見る限りでは戦闘特化のシンプルな能力を持つものしかいないため、相性的には悪くない。その上、地形的にも排水の陣で守る分には出入り出来る道が1つだけとかなり強く、防衛戦がやりやすいため、なんとかギリギリ持ちこたえられている。
とにかく、龍桜と直接戦闘するために向かった零と陽翔が勝ってくれなければどっち道勝ち目は無い。
「頼むぞ、零・・・」
京夜はそんな事を呟きつつ、進行してくる敵に弾丸を放っていく。
「うおぉぉぉぉ!高けぇぇぇ!」
「・・・うるさい」
僕と陽翔は、陽翔の部下である響花と言う名の女性が《鳥化》によって鳥になった姿の足にぶら下がって空を飛んでいた。
確かに地上で玲奈たちが暴れ回っている今、上空からの接近には気づかれにくいだろう。それでもある程度接近すれば気づかれてしまうため、そこからは地面に降りて龍桜を探す。
・・・というのがこの作戦な訳だが。
「ここさ、高さ何mくらい?」
「知らんが、100~200mくらいじゃないか?」
「着地に失敗したら余裕で死ねるな・・・」
響花に聞こうと思ったのだが、流石に僕と陽翔の2人を持って飛んでいるため、そんな余裕は無さそうだ。
「黒田から貰ったこのボックスを着地開始前に、地面に思いっきり投げてこっちのボックスでワープすれば安全に着地出来る」
「便利だな、その能力」
黒田・・・恐らく工場内で僕が倒したやつだろう。多分ボックスを作り出して、そのボックスとボックスの間を繋げることが出来るという能力なのだろう。その上僕を閉じ込めたことから、その中に人も入れるようだ。
かなり便利な能力だなと思うが、恐らく有効距離や人数制限などの問題で全面的に撤退は出来ず、かつこの状況でならここに残って戦う方が龍桜を倒せる確率が高いため、逃げることはしないのだろう。
「降りるぞ」
「おう、死ぬんじゃねぇぞ?」
「誰に言ってんだ。お前には見せて無いが、奥の手もある。簡単には死なねぇよ」
なるほど、僕が取り引きを持ち出す直前に何かしようとしていたのは恐らくその"奥の手"とやらを発動しようとしていたのだろう。それがどんな物かは分からないが、上手く刺さる事を期待しよう。
「そうか、じゃあ大丈夫だな!」
「響花、ここまでありがとな。俺たちがボックスの中に入ったら拠点に戻っていてくれ」
そう言うと、陽翔はボックスを下方に投げて、もう片方のボックスを取り出す。
そしてそのボックスに僕と陽翔が触れると、その中に吸い込まれていき、先程も見た暗い空間の中に移動する。
「さ~て、暴れますかね」
こうして、僕と陽翔は敵陣の中心へと入り込んで行くのだった。
部屋の中、突然入った連絡に男は身震いする。
「ようやくか・・・」
10年前あいつに敗北し、仲間に庇われて命からがら生き残った時から、復讐の為だけに生きてきた。あいつを殺して必ず死んでいった仲間の無念を晴らす。
「・・・さて、向かうか」
そんな覚悟を決めて、男は痛む身体を起こし、連絡のあった場所に向かう。
「世話になったな、風間・・・」
「・・・強いな」
京夜は少し苦しい表情を浮かべながら次々と弾丸を放っていく。
やはり問題なのは、こちら側は約30名なのに対して相手の政府軍は300名以上という絶望的戦力差だ。
前線では玲奈やナキが暴れ回っていたり、後方から京夜が狙撃でサポートをしているとはいえ、この戦力差ではかなりキツイ。
ただ政府軍とはいえ、圧倒的に強い能力を持っている者はおらず、見る限りでは戦闘特化のシンプルな能力を持つものしかいないため、相性的には悪くない。その上、地形的にも排水の陣で守る分には出入り出来る道が1つだけとかなり強く、防衛戦がやりやすいため、なんとかギリギリ持ちこたえられている。
とにかく、龍桜と直接戦闘するために向かった零と陽翔が勝ってくれなければどっち道勝ち目は無い。
「頼むぞ、零・・・」
京夜はそんな事を呟きつつ、進行してくる敵に弾丸を放っていく。
「うおぉぉぉぉ!高けぇぇぇ!」
「・・・うるさい」
僕と陽翔は、陽翔の部下である響花と言う名の女性が《鳥化》によって鳥になった姿の足にぶら下がって空を飛んでいた。
確かに地上で玲奈たちが暴れ回っている今、上空からの接近には気づかれにくいだろう。それでもある程度接近すれば気づかれてしまうため、そこからは地面に降りて龍桜を探す。
・・・というのがこの作戦な訳だが。
「ここさ、高さ何mくらい?」
「知らんが、100~200mくらいじゃないか?」
「着地に失敗したら余裕で死ねるな・・・」
響花に聞こうと思ったのだが、流石に僕と陽翔の2人を持って飛んでいるため、そんな余裕は無さそうだ。
「黒田から貰ったこのボックスを着地開始前に、地面に思いっきり投げてこっちのボックスでワープすれば安全に着地出来る」
「便利だな、その能力」
黒田・・・恐らく工場内で僕が倒したやつだろう。多分ボックスを作り出して、そのボックスとボックスの間を繋げることが出来るという能力なのだろう。その上僕を閉じ込めたことから、その中に人も入れるようだ。
かなり便利な能力だなと思うが、恐らく有効距離や人数制限などの問題で全面的に撤退は出来ず、かつこの状況でならここに残って戦う方が龍桜を倒せる確率が高いため、逃げることはしないのだろう。
「降りるぞ」
「おう、死ぬんじゃねぇぞ?」
「誰に言ってんだ。お前には見せて無いが、奥の手もある。簡単には死なねぇよ」
なるほど、僕が取り引きを持ち出す直前に何かしようとしていたのは恐らくその"奥の手"とやらを発動しようとしていたのだろう。それがどんな物かは分からないが、上手く刺さる事を期待しよう。
「そうか、じゃあ大丈夫だな!」
「響花、ここまでありがとな。俺たちがボックスの中に入ったら拠点に戻っていてくれ」
そう言うと、陽翔はボックスを下方に投げて、もう片方のボックスを取り出す。
そしてそのボックスに僕と陽翔が触れると、その中に吸い込まれていき、先程も見た暗い空間の中に移動する。
「さ~て、暴れますかね」
こうして、僕と陽翔は敵陣の中心へと入り込んで行くのだった。
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