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つがう
※第十話
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風呂上りの体にバスローブを羽織り、ベッドへと向かう。
じゃれ合うようにして互いの髪も乾かしてきたから、水滴がしたたり落ちるようなこともない。
なんだか頭がボーっとする。
体が火照っているけど、湯上りのせいなのか興奮しているからなのか分からない。
えっと……何をすればよかったっけ?
パジャマに着替えるのは違うと分かるが、ナニをどのタイミングですればよいのか、分からない。
「ふふ、緊張してるの? 可愛い」
モジモジしているオレを、ルノが抱き込むようにしてそのままベッドに押し倒す。
緊張……してるのかな?
なんだかいつもの夜と違う感じがする。
「愛してる、ミカエル。私の伴侶。私の番。愛してるよ」
なんか愛が軽いな?
チュッチュと頭のテッペンから頬にかけてルノのキスが降ってくる。
ご機嫌なアルファは軽快なリズムでオレにキスをしているが、リズミカル過ぎて愛が軽く感じるのだが?
「ふふ。軽いキスじゃ、ご不満?」
表情に出ていたのか、ルノがオレの顔を見てふわふわ笑う。
「そうでもない」
ちょっと軽いと思うだけで嫌いじゃない。
覆いかぶさるようなルノの体に腕を回し、オレは大胆不敵で悪戯な笑みを浮かべて青い瞳を覗き込んで言う。
「でも色気ねぇな、って思う」
オレに触れてるのに、ふわふわ笑っているのも気に食わない。
もっと切羽詰まったギラギラした感じになれよ、って思う。
「ふふ。色気全開でいっていいの?」
ルノはクスクス笑いながら戯れるようなキスを続ける。
銀色の髪が火照った体の上をサラサラと撫でていくのが気持ちいい。
「どうかなぁ~?」
時間はたっぷりあるのだ。
ゆっくり盛り上がるというのも手だよな、と、オレも思う。
「物足りない?」
ご機嫌な顔したルノがオレを覗き込む。
銀色に縁取られた青い瞳がキラキラ輝いている。
オレの方が焦れておねだりするパターンを御所望か?
そこには乗ってやらない。
「そうでもない」
柔らかで軽いキスが降り注ぐのをクスクス笑って受け止めるオレ。
ちょっとムッとした顔をしてルノが動きを止める。
「余裕だな?」
「そうでもない」
クスクス笑いながら否定しても説得力はない。
そんなオレをキュッと口元を引き締めて見下ろしていたルノが、ゆるっとニンマリすると再び動き出した。
サワサワとルノの指先が胸元あたりで蠢く。
「えっ?」
直接肌に触れられた感触に驚いてソコを見れば、露わになったオレの体。
いつの間にかオレは裸にされていた。
上半身だけ起こしたルノがわざとらしくバスローブを遠くに放る。
長い銀髪が広がってキラキラと輝く。
得意げな顔をしたルノがオレを見降ろしている。
腹筋スゲェな。
バスローブなんて簡単に脱がせられるが、気付かなかったな。
どうやったんだろう? マジックか?
「ミカエルの匂いがする……好き……」
再び覆いかぶさってきたルノが、ハァーと溜息をこぼしながら首筋に顔を埋める。
「オレがオレの匂いしなかったら困るだろ?」
クスクス笑いながら言うオレの首筋をルノの唇が伝って下へと降りていく。
その感触がくすぐったくて身をよじるオレに、
「くすぐったいだけ?」
なんて言う。
首元で喋られてゾクリと背中が震えたのが分かったのか、上に戻って来た唇に耳をかぷりと食まれた。
ルノの手はオレの上を自由に蠢いている。
体の一部が、ちょっとヤバい。
体勢をちょっと変えようと思ったのに。背中に回されていたオレの腕をルノは脇の下をキュッと締めて固定してしまった。
逃げられない逃げ腰の体は、急速に熱を蓄えていく。
「んっ……ふ、あ……っ」
ソコに直接触れられているわけでもないのに、一番反応がイイのがソコってどーゆーコト?
「ふふふ。楽しんでくれているようで何より」
クイッと動かされたルノの太もも辺りにオレのお道具が当たる。
高ぶっていらっしゃるのが自分でも分かった。
熱すぎるオレ自身に触れているルノの体は、いつもと変わらないから。
自分の熱をより自覚させられて恥ずかしくなる。
「ぁ、ルノっ……は、あッ……」
なのに、ルノの指はオレの上で勝手をしているのだから熱が高くなることはあっても下がることはない。
「ミカエル……ミカエル、愛してる……」
オレを呼ぶルノの声が甘くかすれていく。
「ぁ……は、んッ……」
前を漂っていた指先が背中に回っていき、そのまま下に降りていく。
……あ。
「んっ……ダメ、ルノ……ヤ……」
思い出した。
「なに? いつもしてるだろう?」
ルノの指がオレの後ろをツツツツーと這って行った。
「あっ、ダメっ!」
「ふふ。大丈夫だから力抜いて?」
「いや、マジでっ! マジでダメだからっ!」
「……どうして?」
オレの本気の抵抗に、ルノの目が座っている。ちょっと怖い。
ここは素直に自白しよう。
「あの……準備……忘れたから、ちょっと待って」
「え?」
不埒な手の動きは止まったけど、ルノの全身も固まってしまったようだ。
「いつもは、その……準備してるから……」
「は?」
あぁ、やっぱり準備不足はよくない。
ルノに呆れられてしまった。
「だから、ちょっと準備するから……ってルノ⁈」
ガバッと起き上がったルノが、わざわざ膝を立てさせたオレの下半身をガバッと開いている。
なぜだっ!
「手伝ってあげる」
オレの両足をパカッと開いた間に収まって、ルノがとても良い笑顔をしている。
「ちょっ、ナニ言って……」
と、焦っている間に、にこやかなルノの割とゴツイ指が後ろにあてられる感触。
だからダメだって!
「ん、今日は私に任せて」
だからおいっ、やめろっ!
「ダメッ! ダメだってばっ! ンぁっ⁈」
後ろから中を綺麗にする魔法がかけられた感触。
だってルノ、魔力の微調整は苦手だからってソレは今までしたことないじゃないかーっ!
「練習した」
いい笑顔だな、ルノ。
……じゃなくてぇー!
「んっ……ふ」
いつまに準備していたのか、ローションと思われる滑らかな感触と共にルノの指がオレの後ろに侵入してきた。
準備を済ませていなかった後ろへ入ってくる指の感触は生々しい。
いつもなら媚薬入りのローションを使って解しておくから、ここまでの生々しさも息苦しさもない。
「ヤメ……ルノ……」
溜息のような喘ぎのような声の合間に訴えてみるけれど、オレのアルファが手を止める気配はない。
ゾクゾクとした感覚が背筋を昇ってくる。
同時に体がもっと熱くなってきて、腰が揺れてしまう。
「んっ……は、あッ……ちょっ、ルノ」
「ふふ。頑張っているミカエル君に、ご褒美をあげよう」
「あ、あ、あ、……ン、あ……ッ」
挙句、ルノにオレのオレ自身をパクリとくわえられてしまった。
「やめっ……」
ヤバい。
前と後ろを同時に攻められちゃうの気持ちいい。
「下手だから? ダメ?」
くわえたまま喋るなっ!
しかも、なんでそんな明瞭に話せるの⁈
そんでもって、いつの間に指の数増やしたの⁈
もうっ、もうっ、そんなんダメでしょ⁈
いいよっ、ならコッチもハッキリ言うっ!
「ダ……ダメッ! 出ちゃうっ」
オレの腰を抱えるようにして股の間にいるルノがとても良い笑顔を浮かべて言う。
「いいよ」
「あぁ……ダメええええぇッ!」
敢え無くオレの欲望は果てた。
そしてオレの白濁はルノの口の中……って、ごっくんなどさせるかっ。
「ダメッ!」
オレは上半身を起こしてルノの口の中に指を突っ込む。
「あぇ⁈」
ルノがマヌケな声を上げた頃には、綺麗にする魔法でサッパリ爽やかにオレのモノは片付けた。
あんなもん美味しかったよ、なんて言われた日にゃ立ち直れないっ。
「ミカエルのケチ」
なんて言いながらジト目でオレを見てくるルノ。
「ダメッ」
そんな顔してもダメなものはダメですぅ~。
もうっホントにっ、ルノはダメダメなんだからぁ。
じゃれ合うようにして互いの髪も乾かしてきたから、水滴がしたたり落ちるようなこともない。
なんだか頭がボーっとする。
体が火照っているけど、湯上りのせいなのか興奮しているからなのか分からない。
えっと……何をすればよかったっけ?
パジャマに着替えるのは違うと分かるが、ナニをどのタイミングですればよいのか、分からない。
「ふふ、緊張してるの? 可愛い」
モジモジしているオレを、ルノが抱き込むようにしてそのままベッドに押し倒す。
緊張……してるのかな?
なんだかいつもの夜と違う感じがする。
「愛してる、ミカエル。私の伴侶。私の番。愛してるよ」
なんか愛が軽いな?
チュッチュと頭のテッペンから頬にかけてルノのキスが降ってくる。
ご機嫌なアルファは軽快なリズムでオレにキスをしているが、リズミカル過ぎて愛が軽く感じるのだが?
「ふふ。軽いキスじゃ、ご不満?」
表情に出ていたのか、ルノがオレの顔を見てふわふわ笑う。
「そうでもない」
ちょっと軽いと思うだけで嫌いじゃない。
覆いかぶさるようなルノの体に腕を回し、オレは大胆不敵で悪戯な笑みを浮かべて青い瞳を覗き込んで言う。
「でも色気ねぇな、って思う」
オレに触れてるのに、ふわふわ笑っているのも気に食わない。
もっと切羽詰まったギラギラした感じになれよ、って思う。
「ふふ。色気全開でいっていいの?」
ルノはクスクス笑いながら戯れるようなキスを続ける。
銀色の髪が火照った体の上をサラサラと撫でていくのが気持ちいい。
「どうかなぁ~?」
時間はたっぷりあるのだ。
ゆっくり盛り上がるというのも手だよな、と、オレも思う。
「物足りない?」
ご機嫌な顔したルノがオレを覗き込む。
銀色に縁取られた青い瞳がキラキラ輝いている。
オレの方が焦れておねだりするパターンを御所望か?
そこには乗ってやらない。
「そうでもない」
柔らかで軽いキスが降り注ぐのをクスクス笑って受け止めるオレ。
ちょっとムッとした顔をしてルノが動きを止める。
「余裕だな?」
「そうでもない」
クスクス笑いながら否定しても説得力はない。
そんなオレをキュッと口元を引き締めて見下ろしていたルノが、ゆるっとニンマリすると再び動き出した。
サワサワとルノの指先が胸元あたりで蠢く。
「えっ?」
直接肌に触れられた感触に驚いてソコを見れば、露わになったオレの体。
いつの間にかオレは裸にされていた。
上半身だけ起こしたルノがわざとらしくバスローブを遠くに放る。
長い銀髪が広がってキラキラと輝く。
得意げな顔をしたルノがオレを見降ろしている。
腹筋スゲェな。
バスローブなんて簡単に脱がせられるが、気付かなかったな。
どうやったんだろう? マジックか?
「ミカエルの匂いがする……好き……」
再び覆いかぶさってきたルノが、ハァーと溜息をこぼしながら首筋に顔を埋める。
「オレがオレの匂いしなかったら困るだろ?」
クスクス笑いながら言うオレの首筋をルノの唇が伝って下へと降りていく。
その感触がくすぐったくて身をよじるオレに、
「くすぐったいだけ?」
なんて言う。
首元で喋られてゾクリと背中が震えたのが分かったのか、上に戻って来た唇に耳をかぷりと食まれた。
ルノの手はオレの上を自由に蠢いている。
体の一部が、ちょっとヤバい。
体勢をちょっと変えようと思ったのに。背中に回されていたオレの腕をルノは脇の下をキュッと締めて固定してしまった。
逃げられない逃げ腰の体は、急速に熱を蓄えていく。
「んっ……ふ、あ……っ」
ソコに直接触れられているわけでもないのに、一番反応がイイのがソコってどーゆーコト?
「ふふふ。楽しんでくれているようで何より」
クイッと動かされたルノの太もも辺りにオレのお道具が当たる。
高ぶっていらっしゃるのが自分でも分かった。
熱すぎるオレ自身に触れているルノの体は、いつもと変わらないから。
自分の熱をより自覚させられて恥ずかしくなる。
「ぁ、ルノっ……は、あッ……」
なのに、ルノの指はオレの上で勝手をしているのだから熱が高くなることはあっても下がることはない。
「ミカエル……ミカエル、愛してる……」
オレを呼ぶルノの声が甘くかすれていく。
「ぁ……は、んッ……」
前を漂っていた指先が背中に回っていき、そのまま下に降りていく。
……あ。
「んっ……ダメ、ルノ……ヤ……」
思い出した。
「なに? いつもしてるだろう?」
ルノの指がオレの後ろをツツツツーと這って行った。
「あっ、ダメっ!」
「ふふ。大丈夫だから力抜いて?」
「いや、マジでっ! マジでダメだからっ!」
「……どうして?」
オレの本気の抵抗に、ルノの目が座っている。ちょっと怖い。
ここは素直に自白しよう。
「あの……準備……忘れたから、ちょっと待って」
「え?」
不埒な手の動きは止まったけど、ルノの全身も固まってしまったようだ。
「いつもは、その……準備してるから……」
「は?」
あぁ、やっぱり準備不足はよくない。
ルノに呆れられてしまった。
「だから、ちょっと準備するから……ってルノ⁈」
ガバッと起き上がったルノが、わざわざ膝を立てさせたオレの下半身をガバッと開いている。
なぜだっ!
「手伝ってあげる」
オレの両足をパカッと開いた間に収まって、ルノがとても良い笑顔をしている。
「ちょっ、ナニ言って……」
と、焦っている間に、にこやかなルノの割とゴツイ指が後ろにあてられる感触。
だからダメだって!
「ん、今日は私に任せて」
だからおいっ、やめろっ!
「ダメッ! ダメだってばっ! ンぁっ⁈」
後ろから中を綺麗にする魔法がかけられた感触。
だってルノ、魔力の微調整は苦手だからってソレは今までしたことないじゃないかーっ!
「練習した」
いい笑顔だな、ルノ。
……じゃなくてぇー!
「んっ……ふ」
いつまに準備していたのか、ローションと思われる滑らかな感触と共にルノの指がオレの後ろに侵入してきた。
準備を済ませていなかった後ろへ入ってくる指の感触は生々しい。
いつもなら媚薬入りのローションを使って解しておくから、ここまでの生々しさも息苦しさもない。
「ヤメ……ルノ……」
溜息のような喘ぎのような声の合間に訴えてみるけれど、オレのアルファが手を止める気配はない。
ゾクゾクとした感覚が背筋を昇ってくる。
同時に体がもっと熱くなってきて、腰が揺れてしまう。
「んっ……は、あッ……ちょっ、ルノ」
「ふふ。頑張っているミカエル君に、ご褒美をあげよう」
「あ、あ、あ、……ン、あ……ッ」
挙句、ルノにオレのオレ自身をパクリとくわえられてしまった。
「やめっ……」
ヤバい。
前と後ろを同時に攻められちゃうの気持ちいい。
「下手だから? ダメ?」
くわえたまま喋るなっ!
しかも、なんでそんな明瞭に話せるの⁈
そんでもって、いつの間に指の数増やしたの⁈
もうっ、もうっ、そんなんダメでしょ⁈
いいよっ、ならコッチもハッキリ言うっ!
「ダ……ダメッ! 出ちゃうっ」
オレの腰を抱えるようにして股の間にいるルノがとても良い笑顔を浮かべて言う。
「いいよ」
「あぁ……ダメええええぇッ!」
敢え無くオレの欲望は果てた。
そしてオレの白濁はルノの口の中……って、ごっくんなどさせるかっ。
「ダメッ!」
オレは上半身を起こしてルノの口の中に指を突っ込む。
「あぇ⁈」
ルノがマヌケな声を上げた頃には、綺麗にする魔法でサッパリ爽やかにオレのモノは片付けた。
あんなもん美味しかったよ、なんて言われた日にゃ立ち直れないっ。
「ミカエルのケチ」
なんて言いながらジト目でオレを見てくるルノ。
「ダメッ」
そんな顔してもダメなものはダメですぅ~。
もうっホントにっ、ルノはダメダメなんだからぁ。
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