25歳の中二病 ホルダーの異能持ちのオレは武器化した老若男女を振り回す

天田れおぽん

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第4話 ふぁ?

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 役場に鳴り響く軽快なファンファーレと、鑑定球から放たれてる七色の派手なひかり、甲高くて子どものような声が『大当たり―!』と騒ぎ立てているというのに、役場のなかの人たちは冷静にそれぞれの仕事を進めている。

 不気味なんですけどー。

 戸惑うオレに、長い銀髪の整った顔立ちの男がにっこりと笑いかける。

「おめでとうございます。異能発現を確認しました。しかもコレ、とても珍しいタイプですよ。えーと、森兼人けんとさま、ですか? 異能鑑定は仕事探しのため、と。あぁ、それでしたらラッキーですよ。この異能があれば、就職はバッチリです」
「はぁ……」

 オレは首を傾げながら、うなずいた。
 
 さっぱりワカラナイが、無職のオレが職にありつけるらしい。

 やっぱすげぇな異能。
 つか就職を左右しすぎて、ズルくないか? 異能。

「私は川畑れんと申します。さっそくお仕事のほう、ご案内させていただきますね」

 笑顔の顔整い魔法使い、川畑さんを見ながら、なんとなくモヤモヤするオレを更なる驚きが襲った。
 鑑定球からひときわ強い光が放たれて周りが見えなくなったのだ。

「うわっ⁉」

 続いて足元がスポッと抜けるような感覚に襲われたオレは驚きに声を上げた。
 
 床が下がっている!
 ナニこれ? ナニこれ?
 最近の役場の床って動く仕様になってんの⁉

 正面では川端さんも笑顔のまま、椅子のまま、徐々に床ごと下がっている。
 唖然とするオレを椅子に乗っけたまま、床は床のなかにあった通路へトンと着地した。
 頭上がスッと閉まっていくけど、コレどうなってんの?
 床はいま、オレの座っている椅子の下にあるはずなんだが。

 ねぇ?
 どうなってんの?

 川端さんは、まだ説明する気はないようだ。
 椅子に座ったまま良い笑顔を浮かべている川端さんが右手の指先を揃えてオレに向けた。

「では、ご案内します」

 川端さんの声を合図にしたように、床がゴトンと傾いて、コロの付いた椅子が勝手に動き出す。

「わっ⁉」

 こうしてオレは、笑顔の銀髪君と共に、椅子ごと通路を転がっていったのだった。
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