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6 感染経路の一例
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私の返答が意外だったのだろう。赤髪の騎士は驚きで緋色の目を丸くした。
「不特定多数の相手と性交渉をしている場合、性病などの感染症に冒されているリスクが高いですし」
「性病って……。俺は病気なんか持ってないぜ?」
「そういう風に自覚症状のない人が自分でも知らない内に、他者に性病をうつすというケースも多いんですよね……」
「ちょ! 待ってくれ! 俺は本当に大丈夫だって!」
「どうでしょうか……。粘膜の接触はあったんですよね?」
「ねんまく?」
意味が分からないようで怪訝そうな表情を浮かべる赤髪の騎士に、私は自分の鼻や唇を指さした。
「粘膜というのは鼻孔や唇。あとは耳、生殖器、肛門ですが、ヴィットリオさんの場合は唇や生殖器による性的な接触を他者と持つことによって性病に感染している可能性がありますよね」
「え、生殖器はともかく、唇も?」
「はい。性行為を最後まで行わなければ性病に感染しないと思ってる方もいるようですが、性病に感染している人と粘膜が接触することで性病が感染するケースはよくあるそうです」
「そんなによくあるの?」
「ええ。そう聞きます……。私がいた世界でも『梅毒』など昔ながらの性病が近年、増えているそうですし……。感染した人は避妊具さえつけておけば性病には感染しないと思い、口で相手の生殖器に触れて感染するというケースなどが後を絶たないようですね」
「そ、そうなんだ……」
赤髪の騎士はどうやら心当たりがあるようで、顔色が非常に悪くなってきた。
「もし、ヴィットリオさんがひいきにしている娼館の女性が性病に感染している男性客に対して唇で性的なサービスを行えば、性病が原因の口内炎をわずらうというケースがあります。そして性病由来の口内炎を患っている娼館の女性とヴィットリオさんが深いキスをすれば、性病は娼館の女性からヴィットリオさんに感染する可能性があるわけです」
「なんで俺が例に出されるの!?」
「ヴィットリオさんは実際、娼館へ通っているようですし。分かりやすい例だと思ったんですが……?」
「いや、だから俺は性病じゃないよ!?」
「とにかく性病は自覚症状が出ないほど軽度な物から、放置しておけば命に関わる重篤な物。そして女性が妊娠した場合、お腹の子供に影響が出てしまうような性病もあります。治療しても完全に治癒できない性病もありますし……。そういうことを考えると、個人的には娼館に行って経験豊富な男性より、経験が無い人の方が性病感染のリスクも低いですから、私は結婚するまで性的な経験が無くても別に良いんじゃないかと思います」
「け、結婚まで……?」
私の考えを聞いた赤髪の騎士は呆然としているが、性病感染のリスクを考えれば不特定多数との性交の多い人は複数の性病に感染しているという可能性が考えられる。よって、そういう意味でも軽い男性には抵抗を覚える。
「それに浮気しがちな人の性癖というのは治ることが、まず無いと聞きますから……。それなら経験人数が多い方が良いとは、とてもじゃないですが思えませんし……」
「うぐっ! い、いや、マリナちゃんに出会うまでは確かに他の女性に目移りすることもあったけど! しかし、それは昨日までの話だ! 一目会ったその日から、俺の心はマリナちゃんに奪われてしまったんだから、もう他の女には目もくれないとここに誓うッ!」
「はぁ、そうですか」
「うわ! 全然、信じてないっぽい! 俺のピュアなハートはガラス細工のように繊細で傷つきやすいのにっ!」
ピュアと最も縁遠そうな人に対して、相づちを打つのも疲れてきて何気なく反対側に視線を向ければ、銀髪の騎士アルベルトさんがキラキラとした瞳で私の方を見ていた。
常日頃から童貞ネタでヴィットリオさんにからかわれ続けてきた為、ヴィットリオさんの主張に対して徹底的に反論して、童貞を肯定してもらえたのが嬉しかったのだろうか。
まぁ、例え童貞だとしてもアルベルトさんくらいの銀髪イケメン騎士が本気になれば恋人の一人や二人、すぐにできる筈だから頑張って欲しい。
「不特定多数の相手と性交渉をしている場合、性病などの感染症に冒されているリスクが高いですし」
「性病って……。俺は病気なんか持ってないぜ?」
「そういう風に自覚症状のない人が自分でも知らない内に、他者に性病をうつすというケースも多いんですよね……」
「ちょ! 待ってくれ! 俺は本当に大丈夫だって!」
「どうでしょうか……。粘膜の接触はあったんですよね?」
「ねんまく?」
意味が分からないようで怪訝そうな表情を浮かべる赤髪の騎士に、私は自分の鼻や唇を指さした。
「粘膜というのは鼻孔や唇。あとは耳、生殖器、肛門ですが、ヴィットリオさんの場合は唇や生殖器による性的な接触を他者と持つことによって性病に感染している可能性がありますよね」
「え、生殖器はともかく、唇も?」
「はい。性行為を最後まで行わなければ性病に感染しないと思ってる方もいるようですが、性病に感染している人と粘膜が接触することで性病が感染するケースはよくあるそうです」
「そんなによくあるの?」
「ええ。そう聞きます……。私がいた世界でも『梅毒』など昔ながらの性病が近年、増えているそうですし……。感染した人は避妊具さえつけておけば性病には感染しないと思い、口で相手の生殖器に触れて感染するというケースなどが後を絶たないようですね」
「そ、そうなんだ……」
赤髪の騎士はどうやら心当たりがあるようで、顔色が非常に悪くなってきた。
「もし、ヴィットリオさんがひいきにしている娼館の女性が性病に感染している男性客に対して唇で性的なサービスを行えば、性病が原因の口内炎をわずらうというケースがあります。そして性病由来の口内炎を患っている娼館の女性とヴィットリオさんが深いキスをすれば、性病は娼館の女性からヴィットリオさんに感染する可能性があるわけです」
「なんで俺が例に出されるの!?」
「ヴィットリオさんは実際、娼館へ通っているようですし。分かりやすい例だと思ったんですが……?」
「いや、だから俺は性病じゃないよ!?」
「とにかく性病は自覚症状が出ないほど軽度な物から、放置しておけば命に関わる重篤な物。そして女性が妊娠した場合、お腹の子供に影響が出てしまうような性病もあります。治療しても完全に治癒できない性病もありますし……。そういうことを考えると、個人的には娼館に行って経験豊富な男性より、経験が無い人の方が性病感染のリスクも低いですから、私は結婚するまで性的な経験が無くても別に良いんじゃないかと思います」
「け、結婚まで……?」
私の考えを聞いた赤髪の騎士は呆然としているが、性病感染のリスクを考えれば不特定多数との性交の多い人は複数の性病に感染しているという可能性が考えられる。よって、そういう意味でも軽い男性には抵抗を覚える。
「それに浮気しがちな人の性癖というのは治ることが、まず無いと聞きますから……。それなら経験人数が多い方が良いとは、とてもじゃないですが思えませんし……」
「うぐっ! い、いや、マリナちゃんに出会うまでは確かに他の女性に目移りすることもあったけど! しかし、それは昨日までの話だ! 一目会ったその日から、俺の心はマリナちゃんに奪われてしまったんだから、もう他の女には目もくれないとここに誓うッ!」
「はぁ、そうですか」
「うわ! 全然、信じてないっぽい! 俺のピュアなハートはガラス細工のように繊細で傷つきやすいのにっ!」
ピュアと最も縁遠そうな人に対して、相づちを打つのも疲れてきて何気なく反対側に視線を向ければ、銀髪の騎士アルベルトさんがキラキラとした瞳で私の方を見ていた。
常日頃から童貞ネタでヴィットリオさんにからかわれ続けてきた為、ヴィットリオさんの主張に対して徹底的に反論して、童貞を肯定してもらえたのが嬉しかったのだろうか。
まぁ、例え童貞だとしてもアルベルトさんくらいの銀髪イケメン騎士が本気になれば恋人の一人や二人、すぐにできる筈だから頑張って欲しい。
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