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15 第二王子、レナード殿下
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いかにもお似合いの美男美女が庭園の散歩デートを楽しんでいるように見えるが、よく見れば小道の傍らに咲く大輪の白ユリを楽しそうに摘みながら微笑んでいるストロベリーブロンドの美女と対照的に、金髪碧眼の青年はどこか遠くを眺めながら気のない表情をしている。さらによく見れば、その二人から距離を開けて召使いらしき複数人の男女も後からついて来ていることに気付いた。
知り合いなのかと尋ねようと横にいるプラチナブロンドの侍女に視線を向ければ。ちょうどその瞬間、ロゼッタの水宝玉色の瞳から涙がひと筋、頬を伝って落ちた。
「ロゼッタ?」
「あ、すいません……。目にゴミが入ったみたいで」
そう言いながらプラチナブロンドの侍女は慌てて手の甲で涙を拭ったが目にゴミが入った場合は普通、眼球に痛みや違和感を覚えて瞬きをするとか何かしらの反応があるはずだ。
ロゼッタの場合、そういう動作が全くなかった。つまり目にゴミが入ったのではなく視線の先にいたあの美男美女を見て涙を流した可能性が高い。それに気付けば庭園にいる二人の正体を聞かずにはいられない。
「ねぇ、あそこにいるストロベリーブロンドの美女と金髪碧眼の男性って誰なの? 身なりも良いし、少し離れた場所から侍女や従者が付いてるってことは身分が高いってことなんでしょう?」
「ストロベリーブロンドの令嬢は宰相閣下の一人娘、ラティフォリア公爵家のリリアンヌ様です」
「宰相の娘……。なるほど、それで警護も厳重なのね」
「そして金髪碧眼の男性は第二王子、レナード殿下です」
ロゼッタが何気なく話した名前を聞いて、私は唖然とした。
「第二王子って、ディルク王子と王位を争ってるっていう!?」
「はい。そして、あちらのレナード殿下と公爵令嬢リリアンヌ様は婚約者同士なのです」
庭園にたたずむ深紅のドレスを着たストロベリーブロンドの美女と、金髪碧眼の青年についてロゼッタから説明を聞いて色々と納得できた。確かに宰相の一人娘である公爵令嬢と第二王子という組み合わせなら、警護や召使いが複数いても全く不思議ではない。
「宰相の一人娘が第二王子の婚約者ってことは……。もしかして王位争いは第二王子が優勢?」
「そうですね。このままレナード殿下と公爵令嬢リリアンヌ様がご結婚なされば……。宰相閣下は当然、娘婿となる第二王子レナード様を次期国王に推すと思われますので」
「へぇ、ディルク王子って劣勢だったんだ」
尊大な態度で、私に対して「働き如何では妃にしてやる」と言っていたダークブロンドの第一王子は、王位継承争い的にはけっこう窮状に追い込まれていたと知り、軽く驚いた。
知り合いなのかと尋ねようと横にいるプラチナブロンドの侍女に視線を向ければ。ちょうどその瞬間、ロゼッタの水宝玉色の瞳から涙がひと筋、頬を伝って落ちた。
「ロゼッタ?」
「あ、すいません……。目にゴミが入ったみたいで」
そう言いながらプラチナブロンドの侍女は慌てて手の甲で涙を拭ったが目にゴミが入った場合は普通、眼球に痛みや違和感を覚えて瞬きをするとか何かしらの反応があるはずだ。
ロゼッタの場合、そういう動作が全くなかった。つまり目にゴミが入ったのではなく視線の先にいたあの美男美女を見て涙を流した可能性が高い。それに気付けば庭園にいる二人の正体を聞かずにはいられない。
「ねぇ、あそこにいるストロベリーブロンドの美女と金髪碧眼の男性って誰なの? 身なりも良いし、少し離れた場所から侍女や従者が付いてるってことは身分が高いってことなんでしょう?」
「ストロベリーブロンドの令嬢は宰相閣下の一人娘、ラティフォリア公爵家のリリアンヌ様です」
「宰相の娘……。なるほど、それで警護も厳重なのね」
「そして金髪碧眼の男性は第二王子、レナード殿下です」
ロゼッタが何気なく話した名前を聞いて、私は唖然とした。
「第二王子って、ディルク王子と王位を争ってるっていう!?」
「はい。そして、あちらのレナード殿下と公爵令嬢リリアンヌ様は婚約者同士なのです」
庭園にたたずむ深紅のドレスを着たストロベリーブロンドの美女と、金髪碧眼の青年についてロゼッタから説明を聞いて色々と納得できた。確かに宰相の一人娘である公爵令嬢と第二王子という組み合わせなら、警護や召使いが複数いても全く不思議ではない。
「宰相の一人娘が第二王子の婚約者ってことは……。もしかして王位争いは第二王子が優勢?」
「そうですね。このままレナード殿下と公爵令嬢リリアンヌ様がご結婚なされば……。宰相閣下は当然、娘婿となる第二王子レナード様を次期国王に推すと思われますので」
「へぇ、ディルク王子って劣勢だったんだ」
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