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三人の王弟
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初めて後宮に来た時には浴場で側女に身体を磨かれた後、どうなるのかと恐ろしくて取り乱してしまったものだけど、国王陛下はパーティ会場で話された通り後宮に来ても私には指一本、触れることなく王宮にあるご自身の部屋へ戻られるだろう。
「いつもながら、ローザ様のお肌は真珠のように美しいですわね」
「本当。磨き甲斐がありますわ」
「……ありがとう」
今、私の肌に香油を塗り込めている若い側女たちを見ながら思う。もしレオン陛下がこの側女を気に入れば、すぐにでも寵妃として召し上げることが出来る。
いや、この側女ばかりでなく後宮に居る千人ほどの娘、全員が国王陛下の所有物という扱い。かつての私がそうであったように、目に止まった娘はすぐにでも寵妃にすることが出来る。あの方はそういう立場の方なのだ。
王弟はレオン陛下の御心が私の物だと言っていたけど、それが一時の気まぐれでないとどうして言えるだろう。もし、仮に国王陛下が私に心を向けたとしても、私は後宮に居る大勢の中の一人に過ぎない。代わりとなる者はいくらでもいるのだから……。
身体を清めた私が浴場を出ると、待機していた侍女ジョアンナが安堵した表情を見せた。
「さっぱりしたわね。それにしても、こんな首飾り預けられて生きた心地がしなかったわ」
「ごめんなさいね。首飾りは部屋に置いてくれば良かったかしら?」
「大丈夫とは思うけど万が一、誰かが部屋に入って盗まれたら大変だから仕方ないわ」
「そうね……」
国王陛下の部屋と違って、寵妃の部屋には屈強な警備兵が扉の前で四六時中、待機している訳では無い。もちろん扉や家具にカギをかけることは出来るけど、高価な宝石を目当てにカギを破壊されて盗難されれば一大事だろう。
「陛下が訪ねて来るなら、また首飾りをした方が良いわよね? 紛失したら大変だからつけるわね」
「ええ……」
ジョアンナの手で私の首元に再び、ブルーサファイアの首飾りがつけられた。普通の娘ならば、そのきらめきに魅了され瞳を輝かせるのだろうけど、私には重すぎるように感じられた。
その後、廊下を歩いて寵妃として与えられた自室に戻った。見慣れた石造りの暖炉や青銅の燭台、調度品の鏡台を見て私は深く息を吐いた後、訪ねて来る陛下を迎える準備をすべく髪と服を整えている時だった。部屋の外でバタバタと複数の足音が聞こえてきた。
「後宮の廊下は走ったらいけないっていうのに! マナーがなってないわね。どこの側女かしら?」
「何かあったのかしら?」
「いつもながら、ローザ様のお肌は真珠のように美しいですわね」
「本当。磨き甲斐がありますわ」
「……ありがとう」
今、私の肌に香油を塗り込めている若い側女たちを見ながら思う。もしレオン陛下がこの側女を気に入れば、すぐにでも寵妃として召し上げることが出来る。
いや、この側女ばかりでなく後宮に居る千人ほどの娘、全員が国王陛下の所有物という扱い。かつての私がそうであったように、目に止まった娘はすぐにでも寵妃にすることが出来る。あの方はそういう立場の方なのだ。
王弟はレオン陛下の御心が私の物だと言っていたけど、それが一時の気まぐれでないとどうして言えるだろう。もし、仮に国王陛下が私に心を向けたとしても、私は後宮に居る大勢の中の一人に過ぎない。代わりとなる者はいくらでもいるのだから……。
身体を清めた私が浴場を出ると、待機していた侍女ジョアンナが安堵した表情を見せた。
「さっぱりしたわね。それにしても、こんな首飾り預けられて生きた心地がしなかったわ」
「ごめんなさいね。首飾りは部屋に置いてくれば良かったかしら?」
「大丈夫とは思うけど万が一、誰かが部屋に入って盗まれたら大変だから仕方ないわ」
「そうね……」
国王陛下の部屋と違って、寵妃の部屋には屈強な警備兵が扉の前で四六時中、待機している訳では無い。もちろん扉や家具にカギをかけることは出来るけど、高価な宝石を目当てにカギを破壊されて盗難されれば一大事だろう。
「陛下が訪ねて来るなら、また首飾りをした方が良いわよね? 紛失したら大変だからつけるわね」
「ええ……」
ジョアンナの手で私の首元に再び、ブルーサファイアの首飾りがつけられた。普通の娘ならば、そのきらめきに魅了され瞳を輝かせるのだろうけど、私には重すぎるように感じられた。
その後、廊下を歩いて寵妃として与えられた自室に戻った。見慣れた石造りの暖炉や青銅の燭台、調度品の鏡台を見て私は深く息を吐いた後、訪ねて来る陛下を迎える準備をすべく髪と服を整えている時だった。部屋の外でバタバタと複数の足音が聞こえてきた。
「後宮の廊下は走ったらいけないっていうのに! マナーがなってないわね。どこの側女かしら?」
「何かあったのかしら?」
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