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美人は鑑賞用だけど兄弟は別枠ですわ
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ふわふわポカポカ。柔らかな木漏れ日の光と暖かさに包まれてるような夢心地。凄く幸せな気分でいつまでも堪能していたい。
懐かしい香りもする。それに誰かに呼ばれているような…
「姉上!姉上!!やっと起きてくださいましたね!…昨日から全く目を覚まさないのでアルは心配致しました。」
「アル…?」
ああ。なるほど。アルが傍に居るからですね。
外で駆け回るのが好きな子ですもの、いつもその身にお日様の香りを纏っていますわ。
ふふ。幼い頃はよく抱き締めて癒されていたものです。今では立派な体格に成長し、私が抱き締められる側です。
やんちゃで少し脳筋気味なところも可愛いわんこ系イケメンですの!
ブラコン?上等ですわ!!
「騒がしいぞアル。リリア体調はどうだ?」
「お兄様。…大した事ありません。それよりアルを叱らないで下さいませ。私が心配を掛けたのがいけないのですわ」
「姉上ー!大好きです!!兄上はどうぞ執務にお戻り下さい。俺が何から何までぜーんぶ完璧に看病させていただきます。(久しぶりの姉上との時間を邪魔すんじゃねークソ兄貴💢)」
久しぶりに抱き締められるのは嬉しいです。
しかし少々圧が強いですわ。
あ、なんだか声が遠く聞こえる……気のせいかしら、アルがお兄様を部屋から追い出すようなことを言うなんて。そんなことを言う子ではないはず…ああ、なんだか視界も狭くなってきた。
「…サラ、ロバート」
「「はい、次期様」」
「ロ、ロバート!離せ!!」
「元気が有り余っておいででございますねぇ。不精ロバート、若様の鍛錬のお相手いたします」
「待て!離せ!!オレが姉上の看病をするんだー!!」
「若様。サラがお嬢様についておりますのでご安心下さいませ。」
「さ、若様。参りますぞ」
「い、嫌だー!!!」
嫌がるアルをひょいと片腕で拘束するロバートはいい笑顔で部屋を出ていきました。
決してアルは小さくないのに軽々と。
サラもいい笑顔で扉を開けてロバートをアシストしていました。
……強かな従者たちにお兄様も満足なご様子です。
「あの…お兄様。少々厳しいのでは……」
「相変わらずリリアは優しい。だけど我慢はいけない。アルの声で頭が痛んでいたろう?」
「………。」
「愛しい天使の事は何でも解る」
ポーカーフェイスが出来ておりませんのね。淑女失格ですわ。
それにしても昔からお兄様はよく気づく。隠し通せた試しがありませんわ。最近滅多に会わないので失念しておりました。
お兄様は領地経営と王城勤務、私は学園と王太子妃教育で忙しく、ん?ちょっと待って!今更だけどなんで私、家に帰ってるの??
「お、お兄様」
「なんだい私の天使?」
「いつの間に私は王城から家に帰ってきたのですか?」
「それは後で父上と母上がお話になる」
「お父様とお母様からですか?」
「そう。何も怖がらないくていい」
天使と呼ばれるのに羞恥心などありません。
ええ、ありませんとも。なんせ生まれた時から言われ続けてんねんから!そりゃあ慣れるっちゅーねん!!毎度毎度照れてられへんわ!!!
…失礼。取り乱してしまいましたわ。
外では氷の微笑、我が家限定で愛情を激しく表現なさいますシスコンもとい天使と言う貴方が天使です鏡見ろ!な美麗ショタっ子だったお兄様の美しさは今も健在です。
綺麗さに逞しさを足したお色気細マッチョさんで私の一番の理解者でもあります。
ちょっとした体調の変化や心の機微もお見通しです。
「大丈夫。私が全てから護る」
心の中を読んでいるのかと思うくらい欲しい言葉を与えてくださるのです。
男前め。何故婚約者がいない。
そっと大きな手で髪を梳かれて思わずもっとと強請るように擦り寄ってしまいます。繊細な指遣いに安心し、瞼が重くなってきました。
「何も考えずゆっくりおやすみ、私の天使」
穏やかな声に誘われ睡魔に身を任せた。
懐かしい香りもする。それに誰かに呼ばれているような…
「姉上!姉上!!やっと起きてくださいましたね!…昨日から全く目を覚まさないのでアルは心配致しました。」
「アル…?」
ああ。なるほど。アルが傍に居るからですね。
外で駆け回るのが好きな子ですもの、いつもその身にお日様の香りを纏っていますわ。
ふふ。幼い頃はよく抱き締めて癒されていたものです。今では立派な体格に成長し、私が抱き締められる側です。
やんちゃで少し脳筋気味なところも可愛いわんこ系イケメンですの!
ブラコン?上等ですわ!!
「騒がしいぞアル。リリア体調はどうだ?」
「お兄様。…大した事ありません。それよりアルを叱らないで下さいませ。私が心配を掛けたのがいけないのですわ」
「姉上ー!大好きです!!兄上はどうぞ執務にお戻り下さい。俺が何から何までぜーんぶ完璧に看病させていただきます。(久しぶりの姉上との時間を邪魔すんじゃねークソ兄貴💢)」
久しぶりに抱き締められるのは嬉しいです。
しかし少々圧が強いですわ。
あ、なんだか声が遠く聞こえる……気のせいかしら、アルがお兄様を部屋から追い出すようなことを言うなんて。そんなことを言う子ではないはず…ああ、なんだか視界も狭くなってきた。
「…サラ、ロバート」
「「はい、次期様」」
「ロ、ロバート!離せ!!」
「元気が有り余っておいででございますねぇ。不精ロバート、若様の鍛錬のお相手いたします」
「待て!離せ!!オレが姉上の看病をするんだー!!」
「若様。サラがお嬢様についておりますのでご安心下さいませ。」
「さ、若様。参りますぞ」
「い、嫌だー!!!」
嫌がるアルをひょいと片腕で拘束するロバートはいい笑顔で部屋を出ていきました。
決してアルは小さくないのに軽々と。
サラもいい笑顔で扉を開けてロバートをアシストしていました。
……強かな従者たちにお兄様も満足なご様子です。
「あの…お兄様。少々厳しいのでは……」
「相変わらずリリアは優しい。だけど我慢はいけない。アルの声で頭が痛んでいたろう?」
「………。」
「愛しい天使の事は何でも解る」
ポーカーフェイスが出来ておりませんのね。淑女失格ですわ。
それにしても昔からお兄様はよく気づく。隠し通せた試しがありませんわ。最近滅多に会わないので失念しておりました。
お兄様は領地経営と王城勤務、私は学園と王太子妃教育で忙しく、ん?ちょっと待って!今更だけどなんで私、家に帰ってるの??
「お、お兄様」
「なんだい私の天使?」
「いつの間に私は王城から家に帰ってきたのですか?」
「それは後で父上と母上がお話になる」
「お父様とお母様からですか?」
「そう。何も怖がらないくていい」
天使と呼ばれるのに羞恥心などありません。
ええ、ありませんとも。なんせ生まれた時から言われ続けてんねんから!そりゃあ慣れるっちゅーねん!!毎度毎度照れてられへんわ!!!
…失礼。取り乱してしまいましたわ。
外では氷の微笑、我が家限定で愛情を激しく表現なさいますシスコンもとい天使と言う貴方が天使です鏡見ろ!な美麗ショタっ子だったお兄様の美しさは今も健在です。
綺麗さに逞しさを足したお色気細マッチョさんで私の一番の理解者でもあります。
ちょっとした体調の変化や心の機微もお見通しです。
「大丈夫。私が全てから護る」
心の中を読んでいるのかと思うくらい欲しい言葉を与えてくださるのです。
男前め。何故婚約者がいない。
そっと大きな手で髪を梳かれて思わずもっとと強請るように擦り寄ってしまいます。繊細な指遣いに安心し、瞼が重くなってきました。
「何も考えずゆっくりおやすみ、私の天使」
穏やかな声に誘われ睡魔に身を任せた。
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