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アカデミックイングリッシュ
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補習授業が終わった後、いつものように部活へ向かう。
そこで凪夜が、めずらしく勉強の質問をしてきた。
自主学習で出てきた英語の長文読解の要約が分からないらしい。
しかし、専門用語過ぎて普通に答えられず、謝りながら宿題にさせてもらうことにした。
「英語は、苦手なんだ。すまん」
普通にへこむ。
確かに、ファンタジーっぽい専門用語など、覚える機会もない。
講師だって、答えられないものがあるのは仕方ない。
そう納得させるが……。
「はぁ……」
そのため最終バスに乗らず教師用の資料室へ行き、凪夜にどう回答するか悩んでいるのである。
ネイティブの知人に連絡するも知らないと言われ、同僚の南沢に聞いても直訳しか分からないと言われてしまった。
直訳なら、俺だってわかるし、翻訳サイトだって良い。
そういう訳ではないのだろう。
自分に一回、落とし込む必要がある。
何とか調べているのだが、どうやら、ニュアンスが難しくて自分で納得が出来ない。
3時間かけ翻訳サイトや辞書を調べて、何とか落とし所を見つけることができたのだが……。
しかし、疲れた。
桃夢は大きなため息をつく。
資料をまとめ、帰宅の準備をすると。
「そろそろ、帰りましょうか?桃夢先生。」
近藤さんが、資料室のドアを開け入ってきた。
帰り道を送って貰えるようにお願いしておいたのだった。
近藤さんは、学校内に誰もいないのを確認した後、鍵をすべて施錠し機械警備へと切り替えた後、迎えに来てくれていた。
その為、正門も開けることができないので、夜間だと小さくて見つからないような、くぐり抜けるタイプの門から出て手動で鍵を掛け閉める。
少し前までは泊まり込みの警備だったが、最先端のセキュリティを導入したとかで、夜の9時までの勤務になったらしい。
「大変ですね。こんな時間までお仕事ですか」
近藤さんが、山のくねった道を上手いハンドルさばきで進み、笑顔を見せながら聞いてくる。
「いえいえ、今日は塾の仕事はないので、楽な1日でしたよ」
「そうですか。では、お疲れじゃなかったら、帰りに昼間に言ってた兄の店でお茶でもしませんか?」
おお!ありがたい。何か食べ物はあるだろうか。
作業をしていて、夕飯をまだ食べてないのだ。
「是非、お願いします!」
夕飯にありつけるという期待で深々と頭を下げる。
「どうぞどうぞ。きっと気に入ってもらえると思いますよ。お腹いっぱい食べて下さい」
桃夢のお茶だけでは満足できない、お腹の中は見透かされていたらしい。
高校のある山を降り、電灯がない薄暗い裏路地に入ってすぐ、その店はあった。
「近いんですね。高校から車で10分もかからないじゃないですか」
車のドアをパタンとしめ、あたりを見回す。
古刹も多くある雰囲気が良い場所だが、少し大通りから離れているので静かな空気が流れている。
「もう、店は閉めちゃってますが、みんな起きてると思うんで、さぁさ、上がって下さい」
近藤さんは自分の家のように鍵がかかっていない勝手口を開け入っていく。
「失礼します」
桃夢は、靴を揃え入ると、おばあちゃん家の匂いだ、と懐かしさを感じる。
「あれ。桃夢先生?」
そこには、高校生くらいの身長の高い好青年が立っていた。
「あっ!近藤丈一郎さん!」
雑誌の表紙を飾っていたあの青年が、そのままの笑顔で桃夢の前に立っていた。
そこで凪夜が、めずらしく勉強の質問をしてきた。
自主学習で出てきた英語の長文読解の要約が分からないらしい。
しかし、専門用語過ぎて普通に答えられず、謝りながら宿題にさせてもらうことにした。
「英語は、苦手なんだ。すまん」
普通にへこむ。
確かに、ファンタジーっぽい専門用語など、覚える機会もない。
講師だって、答えられないものがあるのは仕方ない。
そう納得させるが……。
「はぁ……」
そのため最終バスに乗らず教師用の資料室へ行き、凪夜にどう回答するか悩んでいるのである。
ネイティブの知人に連絡するも知らないと言われ、同僚の南沢に聞いても直訳しか分からないと言われてしまった。
直訳なら、俺だってわかるし、翻訳サイトだって良い。
そういう訳ではないのだろう。
自分に一回、落とし込む必要がある。
何とか調べているのだが、どうやら、ニュアンスが難しくて自分で納得が出来ない。
3時間かけ翻訳サイトや辞書を調べて、何とか落とし所を見つけることができたのだが……。
しかし、疲れた。
桃夢は大きなため息をつく。
資料をまとめ、帰宅の準備をすると。
「そろそろ、帰りましょうか?桃夢先生。」
近藤さんが、資料室のドアを開け入ってきた。
帰り道を送って貰えるようにお願いしておいたのだった。
近藤さんは、学校内に誰もいないのを確認した後、鍵をすべて施錠し機械警備へと切り替えた後、迎えに来てくれていた。
その為、正門も開けることができないので、夜間だと小さくて見つからないような、くぐり抜けるタイプの門から出て手動で鍵を掛け閉める。
少し前までは泊まり込みの警備だったが、最先端のセキュリティを導入したとかで、夜の9時までの勤務になったらしい。
「大変ですね。こんな時間までお仕事ですか」
近藤さんが、山のくねった道を上手いハンドルさばきで進み、笑顔を見せながら聞いてくる。
「いえいえ、今日は塾の仕事はないので、楽な1日でしたよ」
「そうですか。では、お疲れじゃなかったら、帰りに昼間に言ってた兄の店でお茶でもしませんか?」
おお!ありがたい。何か食べ物はあるだろうか。
作業をしていて、夕飯をまだ食べてないのだ。
「是非、お願いします!」
夕飯にありつけるという期待で深々と頭を下げる。
「どうぞどうぞ。きっと気に入ってもらえると思いますよ。お腹いっぱい食べて下さい」
桃夢のお茶だけでは満足できない、お腹の中は見透かされていたらしい。
高校のある山を降り、電灯がない薄暗い裏路地に入ってすぐ、その店はあった。
「近いんですね。高校から車で10分もかからないじゃないですか」
車のドアをパタンとしめ、あたりを見回す。
古刹も多くある雰囲気が良い場所だが、少し大通りから離れているので静かな空気が流れている。
「もう、店は閉めちゃってますが、みんな起きてると思うんで、さぁさ、上がって下さい」
近藤さんは自分の家のように鍵がかかっていない勝手口を開け入っていく。
「失礼します」
桃夢は、靴を揃え入ると、おばあちゃん家の匂いだ、と懐かしさを感じる。
「あれ。桃夢先生?」
そこには、高校生くらいの身長の高い好青年が立っていた。
「あっ!近藤丈一郎さん!」
雑誌の表紙を飾っていたあの青年が、そのままの笑顔で桃夢の前に立っていた。
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