好きだった人

眠りん

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前編

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 池内涼太いけうちりょうたは大人しい少年だ。整っていない黒髪は肩に付かないほどに伸ばされており、俯いている事が多い為か、陰が暗い。
 そんな彼が変わろうと決心したのは、高校二年生に進級した時である。


 涼太の高校では二年生の時に文系と理系にクラスが分かれる。涼太が振り分けられた文系クラスには、入学時から恐れられている不良がいた。
 それが瀬川徹せがわとおるである。

 徹は制服をだらしなく着崩しており、上履きも踵を踏んでいる。
 髪は金髪だが、それも放置しているのか根元から数センチが黒い。教師達が扱いに困っている不良で、学内に少人数いる不良達は彼を慕っている。

 徹を慕っているのは涼太も同じであった。ただ、そこに恋愛感情が含まれるので、他の不良達とは向ける視線が違う。
 折角同じクラスになれたのだから……と、涼太は勇気を振り絞って徹に話しかけた。
 徹は椅子にだらしなく肩まで寄りかかって座っている。

「あのっ! せ、瀬川君!」

「誰だよテメェ?」

「同じクラスの池内です」

「なんだよ?」

「えっと……は、話があります。皆に聞かれたくない話」

「ケンカ売ってんのか?」

「まさか! そんなんじゃないですよ!」

「くだらねぇ話だったらぶっ殺す」

 物騒な事を言う徹を、涼太は目をキラキラさせて見つめた。自分とは違う、自信に溢れた徹が眩しく見えた。

 涼太は徹と人気のない学校裏にやってきた。徹は早くしろと睨んでくる。

「あの……瀬川君」

「なんだよ? さっさとしろ!」

「僕、瀬川君の事が好きです! れっ恋愛的な意味で!」

「はあ!? キッショ!」

「はぁ……瀬川君、カッコよすぎる……」

 好きなアイドルを目の前にしたかのような涼太を見て、徹はニヤリと笑った。

「きっめぇ~。本気で俺が好きなのかよ?」

「はい! 瀬川君はカッコよくて、自分に自信があって、男らしくて……だめ、瀬川君の全部が好きです」

 徹は更に悪い笑みを浮かべた。

「じゃあ、俺が命令したら何でも言う事聞くか?」

「も、も、も、勿論です! 瀬川君に言われたら僕は下僕でも奴隷でもパシリでも、なんでもなります!」

「クックック。じゃあ今からお前は俺の奴隷な。言っておくが、俺は男と恋愛する気はない。
 俺に一切触れないって約束した上で、俺に服従しろ!」

「はい、勿論です!」

 奴隷としてでも傍に置いてもらえる。それだけで涼太は嬉しい気持ちだ。

「じゃあまずは、放課後は必ず俺らがたむろしてる旧校舎の一階にある教室に来いよ。
 これから毎日な」

「はい!」

「あと、それ以外でも俺が呼んだらすぐ来いよ」

「はい!」

 涼太は徹と連絡先を交換した。これで本当に徹の奴隷になれたのだ。どんな無茶な要求をされるのだろうと、ワクワクした気持ちで放課後まで過ごした。


 待ちに待った放課後になった。徹は掃除をバックレて先に帰ってしまった。向かった先は旧校舎であろう。
 掃除が終わり、帰りの会も終えた涼太は、足早に旧校舎に向かった。

 集まっている教室はすぐに分かった。廊下に二人、門番のように立っている一年生がいたからだ。

「池内先輩、ですよね? 中で瀬川さんが待ってます」

 と、一人が声を掛けてきた。一年生とはいえ、いかにも不良といった、悪そうな顔に校則破りの茶髪をしている男に敬語を使われると、意味もなく怖く感じる。
 涼太は身を縮こませながら、恐る恐る教室に入った。

「おせぇ!!」

 入るなり怒鳴られた。もちろん徹である。
 教室内には徹の他に三年から一年までの不良の男達が十人おり、徹の前で何故か身構えている。
 彼らの視線が全て涼太に注がれる。居心地の悪さを感じつつ、涼太は頭を下げて謝罪した。

「ごめんなさい」

「これからは掃除前にここに来やがれ! 俺より後に来たらぶん殴る!」

「えっ……でも……」

 さすがに教室内での秩序を乱す行動は抵抗があった。教師から親に告げ口される怖さがあるのが一番の理由だ。

「でもじゃねぇよ、お前は俺のなんだよ?」

「奴隷……です」

「奴隷は、俺の言う事は絶対だな?」

「はいっ」

 徹の男らしい姿にキュンキュンと恍惚した涼太は、起こりうる様々なリスクを考えずに頷いた。

「なら、今日から毎日こいつらの性処理をしろ」

「………………え?」

 涼太は耳が悪くなったのかと、自分を疑った。三秒ほどの沈黙の後、ようやく出た声だった。

「え? じゃねぇよ! テメェ、俺のオンナになりたいんだろ?」

「そ、そうですが……」

「俺のオンナは、俺の舎弟のオンナでもあんだよ。こいつら、モテないから皆童貞なんだ。可哀想だろ?
 お前の身体を性処理に使えば、少しは落ち着くってもんだ」

「……瀬川君に言われた事ですから、拒否はしません」

「話が分かるじゃねぇか。けど、俺は絶対触らねぇ。男なんざ興味ねぇからな。
 お前ら、やれ!」

 舎弟達の内、二人が涼太の両手を掴んで逃げられないようにし、一人が制服を脱がしていく。

「ダセー顔してるし、勃たねぇかも」

「顔なんか隠せば良くね? 誰か紙袋持ってねぇ?」

「俺、下のチンコとか玉とか見えると萎えるんすけど」

「女物のパンツ持ってこいよ」

 指示された一年生が走って出ていった。女性用の下着を買いに行ったのだ。

 全速力で買いに行った一年生は、十分もしない内に戻ってきた。
 全裸にされた涼太はピンクの水玉柄のパンツを履かされ、机の上にうつ伏せにされた。両手両足はそれぞれ机の足に縛り付けられ、頭から紙袋を被せられる。

 ギチギチ……とカッターの刃を出す音がした。尻の割れ目の部分だけパンツに穴を開けた。
 いつから用意していたのか、無遠慮にローションの付いた指をアナルに入れられた。

「ふぁ!? あ、あぁ、あ……」

 気持ち悪さに声が出た。

「男の声で喘ぐなよ、気持ち悪い」

 と、一人の不良が言い、諒太の口に布が押し込まれる。生臭さを感じた。元々自分が履いていたパンツだと分かった。

「むぅぅ! うぅぅぅ!」

 涼太が唸っても、誰も助ける様子はない。指が二本に増えた。排泄口を無理矢理こじ開けられる感覚は、耐え難い苦痛だ。
 涼太は額に脂汗を浮かべて耐えた。
 そして、三本の指で掻き回された後、一人目の男根が無理矢理捩じ込まれる。

「んんんんっ!!」

 腸内の圧迫感が酷い。痛みしか感じられずに唸る事しか出来ない。
 そんな哀れな涼太の腰を強引に掴み、打ち付けるようにピストンさせた。何の技量もなく、自分の性欲を発散させる為にガンガンと腰を振る不良。

 一人目が涼太の腸内に射精すると、ドロッと精液が尻穴からこぼれ、太ももを伝って流れた。
 すかさず二人目の性器がまだ慣れていない穴に埋め込まれた。

「んーーーー!!」

 先程より更に圧迫感が強く、涼太は息をするのも苦しくなった。一人目より圧倒的に男根が大きいのだ。
 初めて男を受け入れたばかりの尻穴には苦しいだけだ。

 だが、涼太に変化が起きたのは三人目が入れた時である。
 二人目より細長い男根であるが、妙に相性が良かった。諒太は段々と尻穴を犯される事に快楽を得るようになってきた。ちょうど前立腺を擦ってくる。

(もっと、そこ、擦って……)

 気持ち良さに、涼太は喘いでいた。塞がれたままの口から漏れる呻き声に、待っている不良達は下半身を熱くさせた。

 三人目が射精をし、穴から抜いてしまうと、涼太は一瞬の寂しさを覚えたが、すぐに四人目が待ちきれないと言わんばかりに、勢いよく尻穴に突っ込んだ。

 その頃には、既に涼太は男根の虜になっていた。もっと中で暴れて欲しいと、尻穴の力を弛めた。
 縛られている事がもどかしい。もっと奥に入るよう、両手で尻たぶを広げたくなった。

 そんな甘美な苦しみを味わっている時、急に徹が話しかけてきた。

「おい、どうだ? 俺の奴隷になった感想はよ?」

 徹は、涼太が話せるように口の中のパンツを引き抜いた。

「あ、あの……腕だけでいいので、縛ってる紐、取って欲しいです」

「ああ!? お前の要望なんざ聞くかよ!」

「でも……僕がもっと、皆のおちんぽを奥に入れられるよう、手助けしたいんです」

「ぷっ……ぎゃははははは! マジかよ。お前、オカマなんじゃねぇの?
 入れられて気持ち良くなっちゃったってか? いいぜ、両手を自由にしてやる」

 徹は涼太の机の足に縛られた両手を自由にした。
 ようやくもっと奥に入れてもらえる……と、涼太は尻たぶを開いて自らも腰を揺らした。

「僕は、瀬川君の奴隷ですから。命令通り、皆さんの性処理をして……いつか、瀬川君の性処理もしていただきたいです」

「ケッ、俺は男とヤらねぇんだよ! 分かったか!」

「はい。その気になるまで、僕を利用して下さって構いません」

 涼太がそう言うと、徹は舎弟達に怒鳴った。

「おい! 十人もいて何してやがる! こいつの穴は下だけじゃねぇんだ、上の口もチンポで塞いで、肉便器にしてやれ!」

「はいっ!」

 舎弟達は慌てて涼太の前に来て、その内の一人が紙袋を少し上にずらすと、蜜が浮いている亀頭を涼太の唇に擦り付けた。
 涼太は一切抵抗はしない。大きく口を開いて性器を迎え入れる。

「口、あったか……」

 口内に入れた不良は、紙袋を外して投げた。中が温かくてぬめって気持ちが良い。不良は涼太の頭を掴んで思い切り前後に腰を揺らす。
 人の頭の形をしたオナホを使うように、涼太を使用する。

 口からは唾液がかき混ぜられるグチュグチュという音が響き、余計にいやらしい。
 後ろは六人目がアナルを使っていた。


 全てが終わると、涼太は足の拘束を解かれた。全身が軋むように痛み、身体を起こしたが床に倒れてしまった。
 不良達は「あと掃除よろしく」「明日綺麗になってなかったらリンチするぞ」と涼太を嘲笑いながら帰っていった。

 そんな涼太の背中を目掛けて、生温かい液体が注がれた。精液だ。
 ただ一人帰らなかった男が、涼太に向けて射精をしたのだ。
 涼太は首をゆっくりと動かし、上を見ると、徹が汚物を見るような目で見下していた。

「瀬川君……僕でイッてくれたんですか?」

「エロ本の可愛い巨乳美人でイッたんだよ、バーカ。お前はザーメン流す用の便器だ」

「それは残念ですが、少しでも瀬川君のお役に立てて嬉しいです」

「キモい。今日からここの掃除はお前の仕事だ。俺の役に立てるの嬉しいだろ?」

「は……はい……」

 涼太の目はうっとりと徹を見つめていた。そんな涼太には目もくれずに徹は帰っていった。
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