好きだった人

眠りん

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中編

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 翌日から授業が終わり、掃除の時間になる前に涼太は走って旧校舎へと向かった。
 不良達の性処理奴隷、または気晴らしの玩具として毎日遊ばれた。

 一度だけ、教師に呼ばれた為に徹より後に旧校舎に着いた事があった。その時は罰として全裸で旧校舎内を歩かされた。
 性器のカリ首に紐を括られ、鈴を付けられた。少しでも隠そうとすると不良達に殴られる。
 それからは教師に呼ばれても無視するようになった。

 そんな涼太の生活態度は教師から親に知らされる事となり、親からは説教を受けたが、無視し続けると、親からも見放された。
 涼太には味方といえる人物は一人もいなくなっていた。

 だが……。

「おい、便器! ケツの穴広げろよ!」

 と、旧校舎で徹に命令されると、涼太は喜んで全裸になり、尻を突き出して両手で穴を広げてみせた。
 どんな形でも好きな人に構ってもらえるのが嬉しくてたまらない。

「はい。僕は瀬川君の便器です」

「まぁ入れてやらねぇけど、見てやるくらいはしてやるよ。つーか、きったねぇ穴だな。
 よく言われたからって人に見せられるもんだよな。きっめぇ!
 おい、コイツお前らに犯して欲しいってさ! やれ!」

 徹の舎弟達は、徹の命令がなければ涼太に手を出してこない。
 全てが徹中心となっている。
 彼らに犯される事にも慣れた涼太は、口やアナルだけでなく、両手を使って彼らの射精を促していた。

 一度に四人相手をするのがいつもの事となり、二回~三回ローテーションする。
 その度に涼太の身体は精液まみれになった。

 いつものように性処理を終え、舎弟達が帰っていき、徹が一人残った。
 いつも、最後に徹はエロ本を見ながら涼太に精液をかけて帰るのだ。
 今日もいつもと同じだと思い、涼太は正座をして、徹の蜜口に向かって口を広げて待っていた。

 好きな人の出したものは体内で受けたいのだ。最初の頃は疲れきっているところを身体にかけられていたが、体力がついてきてからはこうして口で受け止めている。

「ダメだ、今日は勃たねぇ」

 徹はエロ本を何度見返しても勃たなかった。二週間程同じネタを使っているので飽きが来たようだ。

「お前、明日俺の好むエロ本買ってこいよ。好まねぇやつ買ってきたら……分かってるな?」

 徹はギロリと涼太を見下した。

「はい、勿論です。瀬川君のご命令は何でも聞きます」

「ほー? じゃあこれ、口で受け止めろよ。命令だ」

「え?」

「口開けろ」

 涼太はわけが分からず言われたままに口を開く。すると──。
 ショロロロ、と徹の尿道から黄色い液体が涼太の口に放たれた。

「んあっ!?」

 涼太は最初こそ驚き、口を閉じてしまったものの、すぐに開いた。膀胱にどれだけ溜めていたのだろうか。色も味も濃い尿が三十秒程の長さ、無遠慮に涼太の口に流された。
 口に尿が溜まっては飲み込む作業を続ける。鼻にくる臭いが呼吸を諦めさせる。

 全てを飲みきると、徹は涼太の頭に右足を置いて床に踏み付けた。

「お前っ! 最初に口閉じたろ!? 口開けろって命令しただろ! 俺の命令は何でも聞くんじゃなかったのかよ!?」

「すみません! 何の弁解も出来ません。命令を聞けず、すみませんでした!」

 涼太はただ謝った。全ての非は自分にあると本気で思っている。

「じゃあこぼれた俺の尿を舐めろ。お前、俺の便器だよな?」

「はい。僕は瀬川君の奴隷ですから。瀬川君が便器だと言えば、僕は便器になります」

 徹が足を退かすと、涼太は命令通り床に零れた尿を舐めとった。舐め終わると頭を上げて徹に笑顔を向けた。

「僕、瀬川君を好きな気持ちが日に日に強くなります。きっと明日は今日よりも瀬川君のを好きになってます」

「ふーん」

 徹は涼太から視線を離した。照れて頬が赤い。暴虐な男でも素直に好意を向けられると嬉しく思うようだ。

「じゃあ僕はこれから掃除します。瀬川君はお気を付けてお帰り下さいね」

「ふん。お前が掃除終えるの……待ってる」

「嬉しいです」

 涼太は濡らしたタオルで自分の身体を拭き、トイレで自身のアナルから大量の精液を流した後に、制服に着替えてから教室の床掃除を始めた。
 その間、徹は黙って待っていた。
 ようやく全てを終えた涼太の頭を徹は小突いた。

「おっせーよ。俺を待たせんな」

「すみませんでした。お怒りでしたら、僕にどんな怒りをぶつけていただいても構いません」

「帰んの遅くなる。行くぞ」

「はいっ」

 徹の隣を歩ける。それだけで涼太の心は踊った。幸せな時間だった。
 その幸せな時間は毎日続いた。だが、そんな生活も一年近く続いたのだが、幸せは続かなかった。


 三年生になった涼太は、相変わらず徹の舎弟達に犯されていたが、三年生が卒業し、新たに一年生が加わった。
 一年生の不良は、卒業していった三年より人数が多い。

 旧校舎の教室の壁際に、五人の一年生を並ばせた。全員徹の暴力の洗礼を受けており、顔に傷が目立つ。

「お前ら、俺の舎弟になったからにはコイツの使い方に慣れてもらうぞ。お前ら、やれ!」

 徹が命令をすると、三年生と二年生が手本を見せた。涼太の使い方の手本だ。
 一人の舎弟が机に座り、硬くなっている性器の上に全裸の涼太を、アナルを串刺しにするように後ろ向きに座らせた。
 涼太の大きくなっている性器や、三年の舎弟の性器に合わせて広がるアナルが後輩に丸見えだ。

「あっ、んっ……あぁっ」

 内壁をゴリゴリと奥までかき分けられていく感覚に、涼太は甘美な声が漏れた。今や涼太の身体や声が男だからと抵抗する者はいない。

 その涼太の前に、一人の舎弟が立ち、大きく上を向いている性器を、涼太の埋まっているアナルにあてがった。
 さすがの涼太も身体をくねらせて抵抗した。

「えっ!? やっ、もう入りませんっ」

 だが、徹がピシャリと涼太を叱った。

「涼太! 俺の言う事聞けるな?」

「はい……徹君の命令は絶対です」

「なら暴れずに受け入れろ。お前なら出来るだろ?」

「はい」

 徹に言われてしまえば反論も抵抗も出来なくなる。涼太は自分のアナルが裂ける覚悟を決めた。
 だが、裂ける事はなく、ゆっくりと二本目の性器が涼太の中に収められた。
 安心した涼太は二人の動きに身を任せて、喘いだ。二本の性器はバラバラに涼太の中を暴れ、涙を浮かべながら快楽に身を投じる。

 勿論、他の人達への奉仕も忘れない。両手はそれぞれ別の舎弟達の性器を擦る。椅子の上に立ち、涼太の口元に性器を擦り付けてきた舎弟のものも舌や喉を使った。
 これからは一度に五人を相手にするのだと、涼太は理解した。

「あいつは俺らの便器。性処理にも、ザーメン便器にも使える。言っておくが、放尿はするなよ。
 涼太を使った贅沢な小便器は俺だけの特権だからな」

 徹は得意気に一年生に説明していた。四人の一年生は驚きと、少しの羨望を二年や三年に向けていた。
 自分達もその恩恵にあやかりたいのだ。
 だが、たった一人だけ。五人の中でも一番傷の少ない彼だけは、徹を睨みつけていたのだった。


 一年生にも涼太を犯させた。徹を睨んでいた彼だけは壁から離れず、ずっとその行為を睨むように見ていた。
 全てが終わると、舎弟達は帰っていった。今や二年も三年も、その後の涼太と徹が二人きりで怪しい関係になっていると知っている。
 一年生を引っ張るように引き連れて帰っていった。一人を除いて──。

 輪姦に参加しなかった彼は、一人旧校舎の教室に残り、徹を睨んでいた。
 茶髪に染めた髪に、両耳それぞれには三つずつピアスがついている。
 シャツは第二ボタンまで開けており、ズボンに至るまで全てがだらしない姿だ。
 なのに、顔付きはキリっと凛々しさがある。

「お前帰れよ」

 と、徹は彼を睨むも彼は動じない。

「こんなの、非人道的過ぎる! いくら喧嘩が強かろうが、不良のリーダーだろうが、やっていい事と悪い事の区別もつかないのかよ!?」

「こいつは拒んでないだろ」

「だからって! 池内先輩も! ちゃんと断って下さいよ!
 何か弱味でも握られてるんですか?」

「うーん。惚れた弱味?」

 涼太は困ったような笑顔で答えた。それ以外に答えがなかった。

「惚れ……!? この厳つくて暴力的な男に惚れたって言うんですか!?」

「うん」

「お前、ぶっ殺すぞ!?」

 怒りに拳を握っている徹は、左手だけで彼の襟首を掴んで引っ張り上げた。
 握った右の拳は今にも振り上げられようとしていた。

「わー! 徹君やめて! 怒ったなら僕でストレス発散していいんだから」

「チッ!」

 涼太が徹の腕を掴むと、徹は彼を離した。

「心配してくれてありがとう。君、名前は?」

「横山……みつる

「横山君。僕は今のままで幸せなの、だから心配しないでね」

「好きな人以外に身体を好き勝手されるのが幸せだって?」

 涼太は答えられない。徹の命令に従う事が幸せなのであって、不特定多数の徹以外の人間の性処理に使われる事が幸せかと問われれば、否だからだ。

「……余計な事は言わない方がいいよ。君は徹君の舎弟でしょ? 舎弟ならリーダーの言う事は聞かないとね」

「俺は! 絶対お前を倒してやる! こんな悪習なくしてやるから覚悟しろよ!」

「やれるもんならやってみろ」

 充は既に徹に負けている。他の一年生含めた五対一で徹に負けたのだ。
 今の充に勝ち目などない。啖呵を切って、そそくさとその場から立ち去ったのだった。

「おい、便器!」

 充に対し苛立ったのか、徹が強い口調で涼太に命令した。

「はいっ」

「ちんたらしてんな!」

 涼太はすぐに正座し、口を大きく開いて小便器となった。
 散々、好きでもない相手に身体を使われ、徹には一切触れてもらえない。
 辛い時間が終われば、徹の身体の一部を口で受け止める事が出来るのだ。涼太にとってこの時間は言わばご褒美だった。

 だが、逃げ帰ったように見せて戻ってきた横山がその光景を見て、悔しげに唇を噛んだ。

「アイツ、あんな事までさせて……。許せねぇ」
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