このレイプは合法ですか

眠りん

文字の大きさ
10 / 24

十話 主従関係

しおりを挟む
 それから匠は皇樹を意識するようになってしまった。

「おーい匠ー!」

「は、はいっ」

 呼ばれるだけで胸が飛び上がり、嬉しくなる。皇樹は匠が近付くと、ぐいっと匠の肩を寄せた。
 二人引っ付いて歩いているので、傍から見れば恋人同士にしか見えない。

 皇樹を取り巻いていた女子達も、そんな様子に二人に近寄らなくなっていた。

「早く生徒会室行こうぜ」

「で……でも……」

「大丈夫。最初の一回だけで、後は他の奴に触らせた事もないだろ?」

「生徒会の仕事とかないんですか?」

 完全にヤリ部屋になった生徒会室では、生徒会役員達が何か仕事をしている様子は全くと言っていい程ない。
 行事がないと仕事はないのか、匠の知らないところできちんとしているのか、匠には知らない事だ。

「もしかして、俺が匠に仕事任せようって思ってないよな?」

「……命令ですか?」

「そんな命令しねぇよ。ほんと、奴隷になってから可愛くなったよなぁ」

 可愛いと言われると満更でもなく、匠は少し口元が緩んだ。

「か、可愛い……?」

「うんうん。可愛いよ! エッチするともっと可愛くなるしな。また可愛い顔見せてくれよ」

「はい」

 匠がにこっと微笑むと、皇樹は匠の唇にキスをした。そんな行為も、セックスも、受け入れてしまえば簡単な話で、匠は皇樹とのセックスが幸せだと思えるようになっていた。

「じゃ、職員室呼ばれてるからちょっくら行ってくる! 生徒会室で大人しく待ってろよ」

 頭をなでなでされる。匠は「はい」と従順に頷くと、皇樹は早歩きで職員室へと向かっていった。
 生徒会室に入り、近くの椅子に座っていると、生徒副会長が入ってきた。匠の記憶では高木という名前の男である。

「……なんだ。会長のオナペットか」

「お邪魔してます」

「ふぅん。随分大人しくなっちまって、まー」

 高木は匠の右腕を強引に掴むと、無理矢理立ち上がらせた。

「なー俺も出したいんだけど、使っていいよな?」

「えっ? いや、皇樹様の許可がないと……」

「ぶはっ!! あははははっ。皇樹様って! 様って! そんな呼び方してるの?」

「はい。普段は藤倉君と呼ばせていただいていますが、生徒会室では皇樹様と呼ぶよう仰せつかっています」

「なにその言葉遣い? まぁ、いいや。ヤラせろよ」

 高木の手が匠の制服に掛かる。ボタンを外されて、脱がされる。露わになった胸の突起を指で擦られると、感じやすい為物理的な快感が脳に走ったが……得体の知れない不快感を感じた。

 触られて気持ち悪い──そんな感覚に鳥肌が立つ。

「や、やめてください!」

「なんで? お前は会長のペット、つまり俺らの玩具だよな?」

「違います。確かに僕は皇樹様の物ですが……」

「うるせぇよ!」

 パシン……。軽くだが、高木の手は匠の顔を叩いた。その衝撃で勢いよく右を向かされた匠の視線の先には、ちょうど生徒会室に入ってきた皇樹が見えた。
 目が合う時には、皇樹の顔は怒りに満ちていた。

「おい、テメェ!! 高木!!」

「会長……」

 皇樹の怒声はその場の空気を一瞬にして陰鬱なものへと変えた。それに驚いた高木は、強く掴んでいた匠の手を離して一歩離れた。
 すかさず皇樹が高木を押して匠を抱き寄せると、睨めつけた。

「コイツは俺の物だ。俺の奴隷なんだから勝手に触るな」

「わ、悪かったよ……」

 高木は生徒会室からそそくさと逃げていった。
 一瞬の静寂の後、皇樹はガバッと匠を抱き締めた。力強く抱く腕は震えており、匠を離すまいとしている。

「何された?」

「乳首を触られただけです」

「なんだって!? あの野郎……」

「少しだけだから、大丈夫です」

「もし何かされてたら、アイツを殺すところだったぜ」

「そんな事したら本当に捕まってしまいますよ」

「お前はその方がいいんだろ?」

「そんな事……。僕はもう思ってないですよ」

 匠は皇樹の背に両手を回した。お互い抱き合っている姿は、主人と奴隷というより、恋人同士のようにも見える。

「はは。お前はセックス出来れば誰でもいいんだろ?」

「いいえ。今、高木君に触られて……とても嫌でした。本当は誰にも触られたくないんです」

 匠がそう言った途端、皇樹は匠から手を離した。

「やっぱ、俺も?」

「いいえ。あの、皇樹様……」

「なんだ?」

「僕を誰にも貸さないでくれませんか? 僕は皇樹様のご命令なら拒めません。だから、貸出は自由ですが、僕はそうされるのが一番嫌だという事を、知っていて下さい」

「分かった。誰にも触らせねぇ」

 皇樹は先程より強く匠を抱き締めた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

身体検査その後

RIKUTO
BL
「身体検査」のその後、結果が公開された。彼はどう感じたのか?

処理中です...