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二十話 放置プレイ中②
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新しいご主人様を求めて、匠はネット内をうろうろしていた。
主にSMプレイの相手を探している人が多いサイトで、掲示板には沢山の募集があった。
その中の一つの投稿に、匠は興味を持った。
住んでいる場所が近いというのもあるが、「一度やってみて相性が良ければ奴隷契約を結んで欲しいです」と書かれていた。
すぐに連絡を取って、次の休日に会う事となった。
「タクミ君だね? 初めまして」
「初めまして、ミヤさん」
彼はミヤといった。
年齢は二十五歳の大人だ。匠は十八歳だと嘘をついて会ったが、それはすぐにバレたらしい。
「君、本当に十八?」
「すみません。実は十五です」
「ちょっとマズいかな。バレたら、俺社会的に死ぬんだけど」
「ごめんなさい。ああいうところじゃないと、僕相手を見つけられなくて……」
「まぁ事情は人それぞれだよね。行こうか」
先にカフェに連れて行かれた。
コーヒーを飲みながら、ミヤは淡々とルール説明をする。
「初心者でしょ? 一応俺とタクミ君の間にルールを設けよう。こっちの世界じゃ暗黙の了解なんだけど、まず相手が本気で嫌がる事はしない」
「そうなんですか?」
「SMって特殊だろ? Mが嫌がる素振りをしたからって、本当に嫌がってるわけじゃないし、むしろそこでやめると怒られるしね。
絶対に無理だと思ったら“ストップ”って言って。嫌とか、やめては絶対やめない。でも、ストップって言われたらやめるから。
これをセーフワードというんだ。どの言葉でストップをかけるかはパートナーによって違うがね」
「セーフワード……、分かりました」
「君にもお願いをしたい。俺が不快に感じる事はしないで欲しい。例えば無理にセックスの強要はしないでくれ。
俺はそういう事は、ちゃんとパートナーになった人とじゃないとしたくない。Mからの強要もNGだよ」
「分かりました」
そしてミヤの家へ向かった。マンションの九階にある一部屋だ。2LDKだが寝室が十畳はある広さで、広い部屋にベッドが一つと、SMグッズが棚の上に置かれていた。
「新しい奴隷の為に全部新調したものだ。勿論、相性が合わなくて奴隷をやめたらまた新しくする物だから気にしなくていい」
「いくらか出しましょうか?」
「子供はそんな事気にしなくていいんだ。じゃあ始める前に……って君! 何してるんだ?」
服を脱ぐものだと思っていた匠は、シャツを脱いでいたところで止められた。
「え? そういう事をするのでは?」
「いやいやいや。流石に十八歳未満に手は出せないよ。服を着たまま縄で縛るのと、後は鞭を打つくらいにしようと思ってるよ。
それ以上を望むなら、上半身までだね。どんなに強請られても下半身は弄らないから、射精したくなったらトイレを使ってくれ」
「は……はぁ」
「あと、その前に同意書に署名してくれ。あと、プレイ内容は録画させてもらう。
あくまでも、俺が君に性的な意味で何もしていないという証拠を残す為だ」
「そこまで……?」
「初対面の君を、俺はまだ信用していない。SMプレイで一番大事なのは信頼関係──まだ君がどんな人なのか知らないのに、自衛しない奴はただのバカだ」
「そ、そうですよね」
匠が同意書を読むと、「軽いSMプレイは、着衣のままのみの行為で、お互いに同意をしている」という旨が堅苦しい文章で書かれていた。
その間にミヤはビデオの準備をして、部屋が見える位置に設置して録画をスタートさせた。
そして、同意書にお互いのサインをし終えると、それをビデオカメラに向けて移した。
「これからSMプレイをするが、着衣のまま軽いプレイのみをする。これは双方の同意の上であり、性的な行為は一切しない。
もし、射精が必要になったらトイレで各々が処理をする事」
「はい、僕も同意します」
「君にはコピーを渡す。もし何かあって君が警察の世話になっても良いようにね」
「分かりましたよ」
少し疲れるやり取りの後、ようやく緊縛に移った。ミヤは長い麻縄を二本用意して、縄の説明を始める。
「タクミ君、これが麻縄だ。普通はチクチクしているが、Sはこれを管理している。鞣して、Mの身体を必要以上に傷付けないようにするのがマナーだ」
「はい」
匠は両手首を後ろで交差させれて縄で縛られた。
「この時手首は内側を中に向ける。手首は動脈が通っているから、血の流れが止まって麻痺したり、最悪病院送りになる」
「はい」
余った縄は両腕ごと胸の上と下で一周、二周し、後ろで外れないように何度も固定する。
途中で縄が足りなくなったところで、もう一本の縄を繋げて、首から胸に掛けて、下側に横に締められている縄を通ってまた首へと通り、背中の部分で固定した。
「本来、女性なら乳房が強調されるのだが、男性だとこんなものだ」
「じゃあなんでこの縛り方を?」
「一応基本的な縛り方だからな。胸の前で菱型を作る菱縛りや、亀甲縛りは有名だが、あれは縄を綺麗に魅せる為の演出だ。
基本の型は他にもあるが、まずはここからでいい」
「結構、ルールが厳しいですよね」
「そりゃそうだ。一歩間違えば死ぬ事もあるんだ。SはMを殺さないよう、細心の注意を払う義務がある。
それはMも同様。Sを殺人者にしない為に、体調が悪かったりする場合は報告をしなければならない」
「……疲れませんか?」
「奥が深いんだ。やり始めると楽しいよ」
最初に細かい注意点を説明されて、既に疲れてきていた匠だったが、楽しいと言ったミヤの子供みたいな笑顔に、もう少しやってみようと思ったのだった。
主にSMプレイの相手を探している人が多いサイトで、掲示板には沢山の募集があった。
その中の一つの投稿に、匠は興味を持った。
住んでいる場所が近いというのもあるが、「一度やってみて相性が良ければ奴隷契約を結んで欲しいです」と書かれていた。
すぐに連絡を取って、次の休日に会う事となった。
「タクミ君だね? 初めまして」
「初めまして、ミヤさん」
彼はミヤといった。
年齢は二十五歳の大人だ。匠は十八歳だと嘘をついて会ったが、それはすぐにバレたらしい。
「君、本当に十八?」
「すみません。実は十五です」
「ちょっとマズいかな。バレたら、俺社会的に死ぬんだけど」
「ごめんなさい。ああいうところじゃないと、僕相手を見つけられなくて……」
「まぁ事情は人それぞれだよね。行こうか」
先にカフェに連れて行かれた。
コーヒーを飲みながら、ミヤは淡々とルール説明をする。
「初心者でしょ? 一応俺とタクミ君の間にルールを設けよう。こっちの世界じゃ暗黙の了解なんだけど、まず相手が本気で嫌がる事はしない」
「そうなんですか?」
「SMって特殊だろ? Mが嫌がる素振りをしたからって、本当に嫌がってるわけじゃないし、むしろそこでやめると怒られるしね。
絶対に無理だと思ったら“ストップ”って言って。嫌とか、やめては絶対やめない。でも、ストップって言われたらやめるから。
これをセーフワードというんだ。どの言葉でストップをかけるかはパートナーによって違うがね」
「セーフワード……、分かりました」
「君にもお願いをしたい。俺が不快に感じる事はしないで欲しい。例えば無理にセックスの強要はしないでくれ。
俺はそういう事は、ちゃんとパートナーになった人とじゃないとしたくない。Mからの強要もNGだよ」
「分かりました」
そしてミヤの家へ向かった。マンションの九階にある一部屋だ。2LDKだが寝室が十畳はある広さで、広い部屋にベッドが一つと、SMグッズが棚の上に置かれていた。
「新しい奴隷の為に全部新調したものだ。勿論、相性が合わなくて奴隷をやめたらまた新しくする物だから気にしなくていい」
「いくらか出しましょうか?」
「子供はそんな事気にしなくていいんだ。じゃあ始める前に……って君! 何してるんだ?」
服を脱ぐものだと思っていた匠は、シャツを脱いでいたところで止められた。
「え? そういう事をするのでは?」
「いやいやいや。流石に十八歳未満に手は出せないよ。服を着たまま縄で縛るのと、後は鞭を打つくらいにしようと思ってるよ。
それ以上を望むなら、上半身までだね。どんなに強請られても下半身は弄らないから、射精したくなったらトイレを使ってくれ」
「は……はぁ」
「あと、その前に同意書に署名してくれ。あと、プレイ内容は録画させてもらう。
あくまでも、俺が君に性的な意味で何もしていないという証拠を残す為だ」
「そこまで……?」
「初対面の君を、俺はまだ信用していない。SMプレイで一番大事なのは信頼関係──まだ君がどんな人なのか知らないのに、自衛しない奴はただのバカだ」
「そ、そうですよね」
匠が同意書を読むと、「軽いSMプレイは、着衣のままのみの行為で、お互いに同意をしている」という旨が堅苦しい文章で書かれていた。
その間にミヤはビデオの準備をして、部屋が見える位置に設置して録画をスタートさせた。
そして、同意書にお互いのサインをし終えると、それをビデオカメラに向けて移した。
「これからSMプレイをするが、着衣のまま軽いプレイのみをする。これは双方の同意の上であり、性的な行為は一切しない。
もし、射精が必要になったらトイレで各々が処理をする事」
「はい、僕も同意します」
「君にはコピーを渡す。もし何かあって君が警察の世話になっても良いようにね」
「分かりましたよ」
少し疲れるやり取りの後、ようやく緊縛に移った。ミヤは長い麻縄を二本用意して、縄の説明を始める。
「タクミ君、これが麻縄だ。普通はチクチクしているが、Sはこれを管理している。鞣して、Mの身体を必要以上に傷付けないようにするのがマナーだ」
「はい」
匠は両手首を後ろで交差させれて縄で縛られた。
「この時手首は内側を中に向ける。手首は動脈が通っているから、血の流れが止まって麻痺したり、最悪病院送りになる」
「はい」
余った縄は両腕ごと胸の上と下で一周、二周し、後ろで外れないように何度も固定する。
途中で縄が足りなくなったところで、もう一本の縄を繋げて、首から胸に掛けて、下側に横に締められている縄を通ってまた首へと通り、背中の部分で固定した。
「本来、女性なら乳房が強調されるのだが、男性だとこんなものだ」
「じゃあなんでこの縛り方を?」
「一応基本的な縛り方だからな。胸の前で菱型を作る菱縛りや、亀甲縛りは有名だが、あれは縄を綺麗に魅せる為の演出だ。
基本の型は他にもあるが、まずはここからでいい」
「結構、ルールが厳しいですよね」
「そりゃそうだ。一歩間違えば死ぬ事もあるんだ。SはMを殺さないよう、細心の注意を払う義務がある。
それはMも同様。Sを殺人者にしない為に、体調が悪かったりする場合は報告をしなければならない」
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