【R18・完結】私、旦那様の心の声が聞こえます。

野地マルテ

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※自分のなすべきこと

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 明け方。チェチナは水が流れる音で目覚めた。

「ん……?」

 ふと隣を見ると、ウィンストゲンがいない。むくりと起き上がり奥のシャワールームを見ると、光が漏れていた。どうも朝からシャワーを浴びているらしい。
 どうしたものかと思いながらも、チェチナが再びベッドに横たわっていると、バスローブを着たウィンストゲンが出てきた。頭にもタオルを被っている。

「チェチナ、起きていたのか? すまない、起こしてしまったか?」
「いいえ」

 チェチナが起きあがろうとしたところで、ウィンストゲンのとんでもない本音が飛んできた。

 《眠っているチェチナを見て、催しそうになってしまった。シャワーで頭を冷やしていたなんて言えない……》

「ひっ⁉︎」

 あけすけ過ぎる心の声に、チェチナは思わず叫んでしまった。
 寝ているチェチナに、ウィンストゲンは男の欲を感じていた。

「なんだ?」
「な、なん……何でもありません」

 今からでも、夫婦のことをしようと自分から提案したほうがいいのだろうか。でも、どうやって誘えば良いのか分からない。チェチナが高鳴る胸を押さえていると、ウィンストゲンは穏やかな声で彼女に声をかける。その声には男の生理的な欲望は微塵も滲んでいない。

「チェチナは朝までここで休んでいるといい」
「旦那様は?」
「朝食の時間まで、演習場にでも行くかな」

 ウィンストゲンはどこまでも紳士だった。性的な欲求を覚えながらも、このままチェチナを休ませる判断をした。
 チェチナは彼の優しさに甘えてはいけないと思った。自分は自分の、なすべきことをしなくては。
 大人の女性なら、夫のことを考えた行動をすべきだ。

「あ、あの……! 良かったら、朝までここで……。夕べ出来なかったことをしませんか?」
「夕べ出来なかったこと?」

 チェチナは恥ずかしさで震える手で、自分の夜着のボタンに手をかける。胸元を露わにした彼女は、ウィンストゲンへ向かって手を伸ばした。

「夫婦のことがしたいです」


 ◆


「あっ、あ、あ」

 チェチナは大きく股を開き、ウィンストゲンに身を委ねる。彼が身体を前へ折り曲げるたび、陰核が擦れて腰がびくりと跳ねた。

 外は少し白み始めていた。少し肌寒さを感じる清廉な朝。ベッドの上でチェチナは白い天井を見上げていた。

 揺れる小ぶりな乳房の頂きに、口を寄せられたチェチナは甘い吐息を漏らす。彼女は女陰の中を抽送されながら、胸を吸われるのが好きだった。舌先で弄られるたびに、薄紅色の頂きの硬さは増していく。
 両方の乳房を唾液塗れにしたところで、ウィンストゲンは顔を上げた。

「チェチナ……」

 チェチナの両側に手をついたウィンストゲンは彼女の名を呼ぶ。心の声はやはり、聞こえない。

「だ、旦那様……はっ、あぁっ!」

 膝を掴まれ、股間を強く押し付けられる。自分の中、更に深いところまで押し入ってくるものの硬さと熱さに、チェチナは悲鳴をあげた。思わず腰が逃げそうになったが、ウィンストゲンに押さえ込まれてしまい、無理だった。最初は最奥を突かれると鈍い痛みを感じていたが、今では足先まで痺れるほど気持ちよく感じる。ぐりぐりと丸い穂先で柔らかな最奥を圧迫されると、媚肉内が戦慄き、ウィンストゲンの雄を締め付けた。

「旦那様……きもちいっ……」

 チェチナは快いと感じたら、ウィンストゲンへ伝えるようにしている。いつも彼が行為のあと、上手く彼女を抱けていたか気にしているからだ。
 チェチナがウィンストゲンへ腕を伸ばすと、彼は額に汗を浮かべながら、少し泣き出しそうな顔をした。

「ありがとう、チェチナ……」

 ウィンストゲンは礼を口にすると、小さく呻き、チェチナの胎へ昂りを吐き出した。チェチナの下腹にじわりと熱が広がる。

 今朝もなんとか、妻の勤めを果たせた。
 チェチナは安堵に息を吐く。

 ウィンストゲンはチェチナの脚の間を清めると、また彼女に覆い被さり、汗が浮いている額にキスをした。

「すまないな、もう少し優しく出来れば良いのだが。私は君に負担ばかり強いている」
「だ、大丈夫! 平気ですよ! 私は体力ありますし……。あの、もう、謝らなくても大丈夫です」
「チェチナは良い子だな。家同士の繋がりとはいえ、結婚したのが君で良かった」

 良い子、の言葉が引っかかるが、結婚したのが君で良かったと言われ、胸の奥が跳ねた。精を吐き出されたばかりの女陰の奥も疼く。
 チェチナは一瞬迷ったあと、思い切って提案した。

「旦那様、もう一回したいです」

 結婚初日から毎晩身体を重ね続け、チェチナはウィンストゲンの欲が一回や二回吐き出したぐらいでは治らないことを知っていた。閨事の最中に彼の心の声が聞こえなくても、おかわりを望んでいることを感じ取っていた。
 チェチナはウィンストゲンの首へ腕を伸ばすと、再び股を開く。つい半月前まではつるりとした桃のようだった秘裂は、剛直を受け入れたことで二枚貝のように開き、その間からは紅い孔が覗いていた。

 ウィンストゲンはチェチナの誘いに返事をすることなく、自身に手を掛けるとそれを扱き始めた。充分硬さを帯びたところで、剛直を彼女の中へと収めていく。

「あっ、はぁっ、」

 また狭い媚肉の中がぐっと押し広げられる。柔らかな膣壁を肉棒の太い先でなぞられたチェチナは嬌声をあげる。膀胱の裏辺りに穂先を押し当てられ、円を描くように腰を回されると泣きたくなるほど気持ちが良くなった。

「あっ、あぅっ、それ……だめ」

 チェチナが駄目だと言い、目尻から涙を流してもウィンストゲンは止めない。
 また媚肉内の水嵩が増していく。肉棒を抜き差しするたびに、結合部から泡立った愛液が漏れ出てシーツをしとど濡らす。

「チェチナ」

 名前を呼ばれたチェチナは、閉じていた瞼を開ける。
 唇を寄せられ、彼女はおずおずと口を開く。
 厚い舌をねじ込まれ、歯列に這わされる。ゾクゾクと背中から這い上がってくるものに身体を震わせながら、チェチナはまたウィンストゲンの背に縋りついた。

 彼らの行為はなかなか終わらず、結局家令が呼びに来るまでお互いを貪った。
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