【R18・完結】私、旦那様の心の声が聞こえます。

野地マルテ

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夫の取り巻き達の嫉妬

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 それから三週間後、夫婦にとって初めての夜会の日がやってきた。夜会と言っても、この国の本格的な社交シーズンは終わっているので、集まるのは近隣の貴族や有力者のみだ。それでもチェチナは気合いが入る。ウィンストゲンの妻として恥ずかしくない立ち振る舞いをしなくては。

 チェチナはヒヨコを思わせる明るい黄色のドレスに身を包む。胸元の開きは控えめで、鎖骨がやや見える程度だ。胸まわりや袖口には細かなフリルがあしらわれている。腰回りはパニエでふんわりさせているので、身体の線はあまり出ない。
 ドレスのデザインに合わせて髪を下ろした。淡い茶色の髪を緩く巻き、後頭部を包み込むように小花のアートフラワーで作ったヘッドドレスをつける。
 チェチナは少し子どもっぽい装いだなと思ったが、ウィンストゲンはご満悦だ。

 《ドレスの良し悪しはよく分からないが、チェチナのイメージに合っていると思う。ヒヨコというか、アカシアの妖精みたいだな》

 アカシアの妖精。可憐なものに喩えられ、チェチナは照れるが、ウィンストゲンは目を丸くする。

「アカシアの妖精だなんて、そんな……旦那様ったら」
「チェチナ、私は何も言っていないぞ?」
「ハッ……⁉︎ も、申し訳ありません、あの、その、え、エリザがそう言っていたのです!」

 アカシアの妖精に喩えられたのが嬉しくて、つい反応してしまった。ウィンストゲンに心の声が聞こえていることがバレてしまうのではないかとひやひやするが。

 《う~ん……。自分が意識していないだけで、知らず知らずのうちに何か口にしているのかもしれないな。姉達からも『アンタは昔から独り言が多すぎる』ってよく言われていたし。はぁ、貴族家の当主なのにこれではいけないな。死んだ父が今の私を見たら何と言うだろうか》

 ウィンストゲンはあくまでも、己に非が無かったか考える。
 またいつもの反省会が始まってしまうとチェチナは焦った。

「だ、旦那様! 旦那様のお召し物もとってもステキです!」
「あ、ああ……。まぁいつもと変わらないよ」

 そう言いつつも、袖口から覗くカフリンクスやタイを止めているピンの飾りはチェチナの装いに合わせて黄色みの強い琥珀が選ばれている。色が揃いなのを喜ぶのは子どもっぽいかもしれないと思いつつも、チェチナは嬉しく思った。


 ◆


 《姪や姉以外の女性をエスコートするのは初めてだ。緊張するなぁ。でも、若いチェチナはもっと緊張しているだろうから、上手くフォロー出来るように頑張ろう!》

 (ウィンストゲン様……)

 二十九歳の男性を『可愛い』などと評するのは間違っていることは分かっているが、チェチナは身悶えしそうになった。年齢と外見の割に初々しい彼が愛しい。

 心の声が聞こえることは、悪いことばかりではなかった。

 舞踏会の会場へ二人が足を踏み入れると、すぐに着飾った女性達がやってきた。むせかえるような香水の匂いに、つい、チェチナは一歩引いてしまう。

「ウィンストゲン、逢いたかったわ。最近は全然誘ってくれないのだもの。退屈だったわ」

 胸元が大きく開いた紫色のドレスを着た貴婦人が、少し前屈みになりながらウィンストゲンに妖艶な笑みを向ける。
 タブロイド紙でよく話題になっている子爵夫人だ。二年前に夫を亡くした彼女は多額の遺産を受け継ぎ、色々な男と関係を持っているとの噂がある。ウィンストゲンとの噂が流れたこともあった。

 本来ならば、ここでチェチナが子爵夫人に嫉妬する展開になりそうなものだが、ならなかった。

 《だ、誰だっけ……》

 なんとウィンストゲンはこの子爵夫人のことを覚えていなかった。彼は額に汗を浮かべて固まっている。

「……旦那様、コートナー子爵夫人ですよ」

 ウィンストゲンの心の声を聞いたチェチナは即座に小声で耳打ちする。チェチナは自分と初夜を迎えるまで彼が童貞だったことを知っているので、どれだけ匂わせ女が来ようが余裕だった。

 (なにせ、ウィンストゲン様はキスすらしたことが無かったですからね……)

 チェチナは初夜を思い出す。初めてのキスは歯が当たって少し痛かった。彼女もウィンストゲンが初めての相手だったが、経験の無い彼女から見ても彼の童貞っぷりは突き抜けていた。
 それでもウィンストゲンはチェチナの身体を気遣いながら行為を進めたので、怪我をすることはなかったが、あまりロマンチックとは言えない初夜だったのは確かだ。

「やぁ、コートナー子爵夫人。ご無沙汰しております」
「嫌ですわ、ウィンストゲンったら他人行儀ね。あんなに熱い夜を過ごしたのに……」

 コートナー子爵夫人は蝶の羽のようなまつ毛をバッサバサと揺らしながらチェチナへ向かって挑発的な視線を投げるが、チェチナはもちろん、夫人が嘘をついていることは分かっている。ウィンストゲンが夫人と熱い夜を過ごしたことがあるのなら、自分達の初夜はもう少しマシだっただろう。

 挑発してもチェチナが無反応だったのが気に入らなかったのか、夫人の発言は更にえげつないものになる。

「こんなおぼこな奥様、数々の浮名を流した貴方には物足らないのではなくって?」
「そんなことはありませんよ。彼女は若いのに博識で、私に色々なことを教えてくれます。私には勿体ないぐらいの聡明な女性です」

 《この人は誰だかよく分からないが、下品な人だな。チェチナが浮気を疑ったらどうしよう。ただでさえ、私は彼女より十も歳上なのに。おじさんで女癖が悪くて浮気症だなんて救いようがないぞ》

「旦那様、もう行きましょう。入り口で立ち話していたら他の方に迷惑ですわ」
「あ、ああ……そうだな。では、夫人、これで……」

 チェチナはウィンストゲンの腕を掴むと、会場の奥へとずんずん歩を進める。このままあの夫人と話していたらボロが出そうだ。彼が他の女性と楽しげに会話するのは当然面白くないが、だからと言って興味がないのを全面に出すのも貴族としてはまずい。




「ありがとう、チェチナ。助かったよ」
「旦那様が今まで、女性達の輪の中にずっといた理由が分かりましたよ……」

 きっとウィンストゲンは女性達の輪から抜け出るすべを持っていなかったのだろう。不器用というか、なんというか。
 チェチナはがくっと肩を落とす。舞踏会に来たばかりだというのに、踊る前から疲れてしまった。

 二人は一度バルコニーへ出た。会場は香水の匂いが充満していて、一度気分をリセットしたいとお互いに思ったのだ。

「嫌な思いをさせてすまない。私はナントカ夫人とは付き合ったことはないから」
「コートナー子爵夫人です。分かっていますから安心してください」
「本当か? 良かった……」
「ウィンストゲン~~!」

 ウィンストゲンが胸を押さえ、ホッと息をついたのも束の間。別の女がぷりぷり腰を振りながら彼らの元へやってきた。

「逢いたかったわ~~。ねえ、次はいつ遊べるの?」

 《だ、誰……?》

「旦那様、ヴィナ家のご令嬢、フロアレア様ですよ……」

 豊満な胸の谷間を惜しげもなく晒した赤いドレスを着た女の登場に、ウィンストゲンはまた固まった。
 しかし、こんなにも露骨に女性達からモーションを掛けられまくっていたのに、よくもまあウィンストゲンは結婚まで童貞を守り切れたものだ。

 (私とは毎晩しているのに)

 チェチナのことを毎晩抱いているので、性欲が無いわけではない。むしろ、毎晩交合が出来るぐらいだから性欲は強い方かもしれない。ただ、貴族女性達の名前や顔をまったく覚えてなかったのを見ると、女性への関心はかなり薄そうだ。

 (私はまだマシなのかもしれないわ……)

 一人前の女性としては愛されていないかもしれないが、ウィンストゲンはよくチェチナのことを考えている。
 
 赤いドレスの女性もなんとか追い払うと、ウィンストゲンはもうげっそりしている。

 二人は人の目を避けて、月夜の中庭へ出た。社交のため、夫婦となった二人の挨拶も兼ねて参加した舞踏会であったが、今夜のところは仕方がない。何せチェチナに嫉妬した女性達が次から次へとやって来るのだから。

「チェチナ、本当にすまない。誰とも付き合ってはないはずなのだが……」
「どうして旦那様は女性達と遊ばなかったのですか?」
「ああ、領の運営が忙しかったのもあるが、結婚前に遊んでいると妻となる人が不安になるかもしれないと思って……。チェチナだって、遊んでいる男は嫌だろう? 王都では性病が流行っているからな」

 《若い頃の姉達が、先ほどの女性達みたいな感じだったんだよな……。口うるさい姉達を連想してしまうから、昔から派手な女性が苦手だった》

 ウィンストゲンに言いよる女性は、皆自分に自信のある派手な女性達ばかりだった。彼は社交界でも評判の美男子で、知らない間に浮名も流されていた。壁にいるような控えめな女性は当然、彼には近寄らない。いや、近寄れなかったのだ。

 (ウィンストゲン様に恋人の一人もいなかったのも、納得だわ……)

 ウィンストゲンはとにかく忙しい人だ。視察先の村で「うちの娘と……」と縁談を薦められたことはあるだろうが、付き合うまでに発展しなかったのかもしれない。何せ、彼は女性に興味を示さない。視察先から戻った後は、ずっと領の運営のことで頭がいっぱいなのだ。

 (ウィンストゲン様と私の縁談を、父はどうやって結んだのかしら)

 ウィンストゲンはそんなつもりは無いだろうが、彼は容姿が良くて人柄も悪くないのに、ガードの固い人間になっていた。そんな彼と実家の父は、どうやって縁談を成立させたのか?

「旦那様はよく私と結婚しようと思いましたね? 政略的な結婚をするにせよ、我が家以外にも縁の深い家はあったでしょうに」
「本音を言えば、そろそろ結婚しないとまずいとは思っていたんだ。この国の貴族家当主は五十で引退させられるからな」
「私がちょうどよい相手だったと?」

 《チェチナ、怒ってる……? 無理もないか。彼女に女性達を追い払ってもらったようなものだしな……》

 チェチナは怒っているつもりは無かったが、ウィンストゲンは十も歳下の妻にたじろぐ。が、彼はすぐに彼女の方へ向き直ると、彼女の目をまっすぐに見つめた。

「確かに、君の父親に上手く言い含められてしまったところはある。最初は、歳若い君とどのようにやっていこうか、迷ったところもあった。だが、今は……その……もしかしたら、君のことが好きかもしれない」

 何とも煮え切らないウィンストゲンの言葉。しかし、チェチナはかなり本音に近い彼の発言に驚いた。
 今まで、ウィンストゲンはチェチナのために優しい嘘ばかりついていた。彼女はそのことを寂しく思っていたが、仕方のないことだと半端諦めていたのだ。

「少しずつでいいのです」
「えっ?」
「旦那様は、男女の恋や愛があまりお分かりにならないのでしょう? 少しずつご自分のお気持ちを自覚して頂けたら、私はそれで充分です」
「何で分かったんだ? その……私が初恋すらまだだってことに」
「何故でしょうねえ?」

 ウィンストゲンが恋を知らない男だということは、心の声を聞いていて察していた。でも、自分を通して何か特別な感情を抱きつつあることにも、気がついていた。

「私は不器用なウィンストゲン様が好きですよ」
「あ、名前……。私も、しっかり者の君が好き……かもしれない」

 (私に忖度して甘い言葉を言う時は、顔色ひとつ変えないのに)

 チェチナのことが好きかもしれないと告白したウィンストゲンは、頬を赤く染めあげて困った顔をしていた。
 普段、彼が周囲に愛妻家ぶる時は、顔色を変えていない。

 《チェチナに名前で呼んで貰えるのは嬉しいな。彼女と近しい関係になれたような気がする》

 三十前の男性とは思えないほど、名前で呼ばれたことに喜ぶウィンストゲンを見て、またチェチナの胸に愛しさが込み上げる。彼女は思わず笑ってしまった。

「ふふ、これからはお名前でお呼びしますね、ウィンストゲン様」
「本当か? 嬉しいよ、チェチナ」

 二人は隠れてキャッキャウフフとしていたつもりだったが、ウィンストゲンはこれでも社交界の有名人である。彼の取り巻き達は遠目で二人の様子を見ていて、皆、ハンカチを噛み締めていたのは言うまでもない。
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