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※ 声のデカい花婿

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 私は花冠をつけ、細やかな総レースの白いドレスに身を包んでいた。

 なんでこんなことになったのか。
 結婚するつもりなんか、以前は微塵もなかったのに。

「メリザンさん!!! 世界一綺麗です!!!」
「……ロードリック、声を抑えてちょうだい。控え室の外にまで聞こえてしまうでしょう?」

 両手で口を塞ぎ、はわわと言わんばかりに顔を真っ赤に染めている花婿姿のロードリックを睨む。
 「すみません‼︎」と腰を折ったロードリックは純朴そのものと言ったような困った笑みを浮かべているが、私は知っているのだ。彼の隠された異常性に。

 しかし、彼の異常な性癖を引き出してしまったのはこの私だ。
 だから私は責任を取って彼と結婚することにした。

「メリザンさん、後で花嫁姿でえっちなことをしましょうね‼︎」
「だから声がデカいのよ‼︎」
「ははっ! ごめんなさい‼︎」

 ポカポカとロードリックの胸を叩くも、彼は笑うばかりで微塵も痛がってはいない。
 まったく、厄介な男に好かれてしまったものだ。
 ため息が出るが、本音を言えば悪い気はしない。
 私もかなりの好きモノだからだ。好きモノでなければ、フィランダーの部屋であんな行為をくり返してはいないだろう。


 ◆


 結婚式のあと、私はロードリックのご要望通りに花嫁姿のまま、行為に及んだ。人払いをした更衣室。ロードリックは間口の広い鏡台の上に座り、白いズボンの股のところだけをくつろげ、幼児の手首ほどの太さがある肉棒を露出させている。
 私はドレスの裾を捲り上げると、座ったロードリックの上へ跨った。すでに腰紐がついたショーツは脱いでいるが、ストッキングを止めるガーターベルトはそのままだ。

 ロードリックはドレスの裾が落ちないよう、一部を持ってくれている。

 私は紅い唇に弧を描くと、ロードリックの一物に手を添え、亀頭が膣口に当たったところで少しずつ腰を落とした。
 ぬるりと埋められる丸い先の太さにほうっと息を吐く。
 この圧迫感がたまらなく気持ち良い。ずっとこの亀頭で膣口をぐりぐり刺激したいぐらいだが、そんなことをすればまだ経験が浅いロードリックが泣き出してしまうので、さっさと根元まで挿れてしまうことにする。
 ロードリックは「あぁっ」と嬌声をあげた。

「メリザンさん……すっごく気持ちいいです」
「そっ、良かったわね。どこがどういいの?」
「愚息が温かいもので扱かれてて、はぁっ……出そうです……」

 ぬちぬちと粘着のある水音を立てながら、腰を下ろしたり、上げたりする。敏感な膣肉が擦られて、時折、痺れるような快感が走る。膝立ちになった太ももが震えた。
 頬を赤らめ、瞼を閉じるロードリックは身震いするほど可愛らしい。おそらく、女の私の何倍も可愛い。


 (ロードリック……)

 この結婚を後悔していないと言ったら嘘になる。
 若いロードリックを誑かしてしまった、そう思うと、罪の気持ちで胸の奥が痛くなった。
 しかしもう、ロードリックは私でないと駄目なのだ。
 そして、私も。

「ロードリック……」
「メリザ……うぅっ」

 唇を重ね、彼の吐息を受け止める。
 膣の中に埋まったものがびくんと跳ねたような気がした。

「はぁっ……愛しているわ」

 私は彼の性癖を歪めてしまった。その責任を取らねばならない。

「私も、愛しています」

 大きな瞳に涙を浮かべた彼も、愛の言葉を口にする。
 私達は繋がりながら、何度も口づけを交わした。
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