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ヴァンター・スケンシー

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第二話「メッセージ」

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ここ何日かひどい頭痛に悩まされていた。
季節の変わり目の偏頭痛だと思っていたが、あまりにも調子が良くなかったので病院に来た。

「脳腫瘍です」

「え?」

医者はあっさりと告知をした。

「えー・・・・と・・・治るんですか?」

「う~ん・・・まあ、治ると言えば治るんですが・・・」

「あの・・はっきり言ってくれませんか?」

「そうですね、すみませんでした。今までの主流だった治療法だと・・まあ無理ですね」

「え?」

「まあまあ、落ち着いてください。3ヶ月前に法案が通って新しい治療方法が可能になったんですよ。その方法を使えば97%の確率で治ります」

「どんな治療法ですか・・・・」

「簡単に言うと、脳の悪い部分はバッサリ切り落とします、おそらく貴方の状況だと・・・3分の1くらい摘出します。代わりに貴方の細胞から培養してして作った人工脳を移植します。」

「人工脳・・・・」

「ええ、人工脳自体の研究はもう随分前から行われていたんで、技術的な心配はしなくて大丈夫ですよ、ただ今までこの治療の許可が出ていなかったのは、人工脳の部分ではなく。『記憶の移植』の方が問題になっていたんです」

「記憶の移植?」

「はい、手術はまず貴方の脳から記憶をコンピュータに一旦転送します。そして手術が終わった後、再度コンピューターから貴方の脳に記憶を転送します」

「記憶のバックアップをとるってことですか?」

「そうです、この技術が問題視されていたのは、この技術を使えば他人に記憶を転送ができたり、もっと研究を重ねれば記憶を改ざんして転送することもできるようになる。
ですから、医療に関してだけ、医師がこの治療でしか治せないと判断した時だけ『記憶転送』が許可されたんですよ」

「97%っていうのは?3%ってそんな低い確率じゃないですよね・・・・」

「そうですね、この手術はまだ日本では200件ほどしか例がないんですが・・・海外ではもうすでに3万件ほど行われております、そこでの統計ですが・・・1%は手術の失敗で死亡した例です。ただ・・・今まで既存の治療法での生存確率に比べたら・・
後の2%は記憶障害です」

「記憶障害ですか?」

「はい・・でもこちらもそんなに心配しなくても大丈夫ですよ、2%の中の95%以上は本当に軽度の記憶障害です、一番多かったのが手術前3日間の記憶が『曖昧』になる程度の物です、昼ごはんに何を食べたか思い出せないとか」

「稀に重度の記憶障害もあったってことですよね」

「まあ・・・そうですね・・・記憶は人それぞれによって大切さが変わりますからね、良い思い出が消えてしまえばその人にとっては大きな損失ですし、逆に忘れたかった記憶がなくなれば・・・・
まあ、これは実際に患者さんに起きたお話なんですが、1人は10歳の記憶だけすっぽり抜け落ちてしまっていました。本人はしばらく記憶が失われたこと自体気づいていませんでしたが、たまたま幼馴染と再会して昔話をしていたら、10歳の記憶がぽっかりなかったことに気づいたらしいです。
あと、これはかなり変わった例なんですが・・・・ある患者さんは『クリアしたゲームの記憶だけ失う』という不思議な現象が起きました。その患者さんはゲーム好きだったようですが『もう一回ゲームが楽しめて最高っす』と喜んでいましたけど・・・」

「それは・・・ちょっとうやましいかも笑」

「まあこれ、私の憶測もかなり入った話なんですが、いや、医師の中でも少しだけ噂になっているんですが・・・・どうやら記憶を転送する際に『忘れたい』と思っている記憶に少しノイズが入るっぽいんですよね・・・」

「え?つまり、忘れたい記憶は消そうとする?」

「はい、さっきお話した10歳の記憶を失った患者さん。後から友人から聞いたのですがちょうどそのころ彼はいじめを受けていたらしいんですよね。いじめっ子は転校していじめはその後イジメはなくなったらしいですが」

「なるほど・・・・」

「これがこの手術のリスクです、どうしますか?ちなみに今までの治療法を続けた場合は余命3ヶ月です」

「え?3ヶ月?」

「ええ、だからオススメしたんですけどね、後・・・この治療はまだ保険適用外で高額な治療費がかかりますが・・・貴方の場合は・・・」

「はい、金なら持っているんで大丈夫です、手術お願いします」

そう、俺は金を持っていた。
日本でも屈指の、いや世界でも10本に指に入る企業のエースプログラマーだ。
天才プログラマーとよぶ人間もいる。
俺が開発したプログラムで、会社は一気に大きくなった。
給料もそこそこ有名なスポーツ選手の年俸と変わらない程度はもらっている。
そして今、社運をかけたサービスのプログラムを会社に任されている。
このサービスが公開されれば・・・うちの会社は世界10本から5本に指に入る会社に一気に成長するだろう。

俺は仕事のことだけが心配だった。
今取り掛かっているプログラムはまだ俺の頭の中にしかないコードがたくさんある。
この記憶がなくなってしまうことだけが恐怖だった。
会社にすぐに連絡して全てを話した。
会社は手術を受けてほしいと言ってきた、そして治療費は、社長が全てポケットマネーで払ってくれることになった。
記憶が失われる可能性は0%ではないとしっかり伝えたがそれでも社長は

「お前が会社に貢献してきたことを考えたら、これくらいの金額は中学生の小遣い程度だよ、手術の成功を祈ってるよ!」

と言ってくれた。

手術は明後日行われることになった。明日1日かけて俺の細胞から人工脳を作るらしい。
そんなに早くできるんだな・・・

術後3日ほどは多少記憶が不安定になるらしく、しばらく入院して検査をして問題がなければ退院することができるとのことだった。

いざ手術をするとなるとやはり怖い物だ・・・
死ぬよりは良いが・・・仕事の記憶が吹き飛んでしまったら・・
俺は怖くて寝つきが悪かった。

「では柳田晶さん、今から記憶転送後、人工脳移植手術をはじめます」

ストレッチャーで手術室に運ばれた、頭につけられた電極のような物がついたケーブルが機械に接続されていた、注射を打たれると。

「記憶転送開始します・・・10%・・・64%・・・100%。転送完了、データチェック開始、データの破損見られません、問題ありません」

「では、手術に入ります」

麻酔を効いてきたので俺の記憶はここまでだった・・・・・

気がつくと、俺はベットに寝ていた。
会社が用意してくれたこの病院一番の個室、高級ホテルの1室のようだった。

「あっ・・柳田さん、目を覚ましましたか?今先生を呼んでくるのでちょっと待ってくださいね」

「かなり大手術だったはずだが、体に何か負担も感じることもない・・頭もクリアだ・・・
そうだ!!!コード!!!」

俺は持ち込んだノートPCを広げエディターを開いた・・・・
このコードの続きは・・・・・
指が次々とコードを打ち込んでいる、うん・・・この感覚、前のままだ、そうだ・・この後に・・・
プログラムの記憶は失われていなかった。
ふぅ・・俺は胸を撫で下ろした。
ふと、モニターに反射している自分の顔に気づいた?
あれ?俺頭を手術したよな・・・・・髪の毛は確か手術前で全部剃ったはずだが・・・・

「柳田さん、どうですか?あっ・・・もうパソコンを開いてる笑」

「あっ先生、はい、大丈夫そうです、仕事の記憶はしっかり残っていました。なんですが・・・先生」

「どうしました?」

「俺、本当に手術しました?体も軽いし、頭もクリアだし・・あと髪の毛・・・俺手術前に全部剃りませんでしたっけ?」

「ああ、手術前に説明したはずですが、人工脳を作るときに一緒に皮膚と毛髪も作っておいたんですよ、生え際さわってみてください、うーーーーーーっすらしか残ってないと思いますが、ほんの少し傷が残っているはずですよ」

そう言われて俺は生え際を触ってみた。
本当にうっすらだが傷を感じることができた。
だが、その説明・・・忘れてしまったのか?

「術後3日くらいは、これくらいの記憶障害はあると思います、特に手術前あたりの記憶は一番不安定だと思いますが、すぐに戻ってきますよ。それよりも他のことを思い出すテストをしてみてください。一応リハビリの一環ですので、お仕事のことばかり考えないでくださいよ笑」

なるほど・・・少し不安だけど・・・
まあとりあえず、仕事は心配ないのでよかった。
ああ、そうだ・・会社に連絡をしよう。
社長、部長、課長などにメッセージを送った。

「手術は無事に成功したみたいです、何日か会社はお休みをいただきますが、引き続きよろしくお願いいたします」

ああ、母さんにも送っておくか・・・
俺は携帯のメッセージをチェックした。
未読のメッセージが沢山溜まっていた。
会社の同僚・・先輩、大学時代の友達・・・あっあった母さん

『無事手術は成功したよ、後遺症もなさそうだし、安心して』

『ああよかった。お父さんの具合があんまり良くないから、そっちには行けないけど、この機会にしっかり休みなさい。』

すぐに返信が帰ってきた。

えーと・・・他には・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

誰だろう・・・「あや」「ひろみ」「かずみ」「さやか」・・・・・・
名前を見ても思い出せなかった。
4人とのメッセージのやりとりを見てみるとかなり親しい感じだ・・・
親しいというか・・・俺・・・この4人と付き合ってたみたいだな・・・・
4股?

『早く元気になってね』
と「あや」という女の子から下着姿の写真が送られてきている・・・
顔を見ても・・思い出せない・・・・・

俺はナースコールをして先生を呼んだ。
「うーん・・・この4人の女性だけですか?思い出せないのは?」

「はい・・他のメッセージは全員わかります・・・でも・・・」

「でも?」

「えーと・・・・ちょっとナースさん席を外していただいてもいいですか?

「え?あっはい」

ナースは何かを察して部屋から出て行ってくれた。

「どうやら・・・交際相手のようです・・・」

「交際相手?4人とも?」

「ええ・・お恥ずかしいことに・・・・メッセージの内容をみる限り、全員と現在進行形みたいです・・・」

「うーん・・・なるほど・・・でも、まだ術後1日目です、何度も言ってますが、3日間くらいは記憶が不安定です、少し様子を見ましょう。一応バックアップデータの方も確認してみますが、手術時の様子だと問題はなさそうでしたが・・・・」

「はい・・・・」

何度メッセージを読み直しても思い出せなかった。
しかし・・・メッセージの内容をみると1人は会社の子だな・・・・・
『手術の影響で思い出せない・・・』
なんてメッセージを送ると藪蛇なような気がするな。
先生が言った通り少し様子をみよう・・・
俺は回復を願いながら眠りについた。

夢をみた・・・例の4人の女性たちが出てきた・・
4人と仲良く・・・いやらしいことをする都合の良い夢だった・・・・
目が覚めた・・

メッセージをもう一度読み直してみたが・・・やはり記憶はない・・・
苗字すら思い出せない。
ただ・・夢は『脳のデフラグ』だという話を聞いたことがある、俺の脳に彼女たちの記憶は残っているかもしれない。

落ち着かないので、パソコンを開きプログラムを書くことにした。
しばらくすると病室に1人の女性が入ってきた・・・
誰だろう・・・思い出せない・・・・・

「あの・・・・すみません・・・ちょっと記憶の調子が良くなくって・・・どなたですか?」

「・・・・ぷっ笑。何よ、あんた自分の姉の顔を忘れちゃったの?大丈夫?」

え?姉?

「母さんがお父さんの面倒見なきゃいけないっていうから、代わりにきてあげたっていうのに冷たいわねぇ・・・」

「あ・・3日間くらいは記憶が不安定らしくって・・・ごめん」

「まあいいわよ。別に私のこと思い出さなくてもあんたの人生にそんな影響はないわよ笑」

姉ねぇ・・・・何だろう・・・若い女性の記憶だけ飛んでいるんだろうか・・・・
後で先生を聞いてみよう・・・・

「思ったより元気そうね、髪の毛も・・・てっきり頭を手術するっていうから髪の毛がなくなってる思っていたわ」

「ああ・・すごいよ、人工の脳を移植したんだけど、その時に髪の毛を一緒に作っていたみたいなんだ。俺もびっくりしたよ」

「えー、まあ元気そうでよかったわ。何か困ったことない?って言っても・・・・こんな部屋に入院しているくらいだし・・・必要な物は揃ってそうね」

「うん、会社が用意してくれたんだ・・・そうだな・・・思い出せないことがあってちょっと困ってるかな」

「何が思い出せないの?」

「うーーーん・・・・・・・」

「何よ?言いにくことなの?」

「まあ・・・」

「あんたが小学校の時おねしょした時、2人で誤魔化してお母さんにナイショしてあげたじゃない。言わないわよ誰にも」

「・・・・俺・・・4股かけてたみたいなんだけど・・・4人とも記憶がないんだよね・・・」

「えー、あんた最低ねー」

「うん、俺もそう思うんだけどさ、記憶がないから何とも言えないんだよね・・・」

「まあ、そうね・・・で、伝えたの?その4人には」

「いや、3日くらいは記憶が不安定だっていうから今様子を見てるんだけど・・・流石に『覚えてない』とは言えないだろう?かといってテキトーに会話してもバレるだろうし」

「まあ・・・そうね、でも・・・自業自得じゃないの?笑」

「確かにね・・・・」

「まあしっかり休みなさいよ、明日もくるけど何か必要なものとある?」

「ああ・・・そうだ・・・卒業アルバムとか・・・記憶のチェックをしたいかな・・」

「わかったわ、持ってくる」

姉が出ていったあと、気を紛らわす為にプログラムを書くことにした。

『消したい記憶』ねぇ・・・先生が言っていたことを思い出した。

その日の夜も4人の夢を見た、昨日より少し4人の姿が鮮明に見えたような気がした。
また同じ夢か・・・でも、脳みそが必死に記憶を辿ってくれているんじゃないだろうか?

3日目の朝、朝起きてまたメッセージを読み直した。
・・・・・・
思い出せないが・・・自分のメッセージを分析すると・・・
どうやら「あや」って女の子が本命ぽいな・・・一番頻繁にあっているようだし・・・
なんというか・・・いやらしい雰囲気が会話でも伝わってくる。
できるだけ前に遡ってメッセージを読んでいると「さやか」という女の子とのメッセージで一時期、やたらとお互いがメッセージを削除している時期があった・・・
前後の文脈を見ても、内容は予測しにくかった・・・・

「柳田さん、どう調子は?」

先生が朝の診断に来たので、姉の記憶もないことを伝えた。

「ああ、昨日来てくれたお姉さん。歳はいくつ?ってそうか記憶が飛んでるんだもんね笑」

「ええ・でも、そんなに歳は離れていない感じはしました・・2つ上くらい・・28歳くらい何じゃないかと・・・」

「なるほどね・・他の4人もそれくらいの年齢?」

「そうですね・・多分ですけど、メッセージのやりとり見る限り、20代かなぁと・・・」

「他の・・・20代の女性の記憶もない?」

「いえ・・・同僚というか、部下の今年新卒の山田さんは覚えてます」

「なるほど・・・」

「あと・・・2日続けて夢にその4人が出てきました、顔は・・何というか・・はっきりとは覚えていなんですが、その4人がだということは何となく認識ができて・・・」

「人工脳が馴染んできたかもしれないです・・・ちょっと今日からお薬出してみましょうか?夢は記憶回復の兆しではあるんですよ」

「はい」

昼食後、姉がまたきてくれた。

「はい、小中高のアルバム、今だにこの紙のアルバムってなんか良いよね、デジタルと違って」

「うん、そうだね」

「ちょっと私にも見せてよ笑」

姉と話をしながらアルバムをみて記憶をさぐってみた。

「あっこの子、何だっけ?サッカーめちゃうまくてプロになったんだっけ?ホセ?だっけ?」

「ロベルトだよ笑」

「あはは、本当だロベルトだ。あっ初恋の子みっけ!覚えてる?」

「・・・・・覚えてるよ・・・・」

「名前言ってみなよ、ちゃんと記憶がちゃんとしてるかのチェックなんだから」

「・・・・・櫻井裕美」

「正解~!大丈夫そうじゃん記憶。そうねーこの頃からあんた、あんまり女の子の趣味変わってないのね、この子もちょっと変わったこだっだよね~」

「そうかなぁ・・・」

姉の持ってきてくれた卒業アルバムで記憶を確認したが問題がなかった。
というか、姉のおかげで少し忘れていたようなことまで思い出した。

「うーん・・・あとさ、お母さんがあんたの昔の携帯送ってくれるって言っていたんだけど、データとかってクラウドにアップしてる?」

「あ・・・いや、最近のはクラウドだけど、学生頃のは・・・あげてないかなぁ・・・」

「そう、今日届いてるはずだから明日持ってきてあげるよ」

「うん、ありがとう」

「じゃあ、またね」

姉が帰った後もアルバムを見ながら記憶を確認していた。
うん・・・覚えているな・・・・・

「柳田さんお薬です。あっ卒業アルバム。良いですね。どうですか?記憶は」

「ええ、しっかり覚えています。」

「よかった、このお薬飲むと眠くなるので、寝る前に良いので飲んでくださいね」

「はい」

薬を飲んで眠りについた。
また4人の夢を見た「あや」の顔だけは写真があったせいかはっきりとしているが、他の3人はまだ少しぼやけた感じだ。でも、昨日よりはっきりとしてきたような・・・・

4日目の朝
日課のようにメッセージを読み直したが、やはり記憶は戻っていなかった。

朝の健診
「どうでした?薬の影響は感じましたか?」

「はい・・また同じ夢だったんですが、4人の顔が昨日より少しだけはっきり見えたような気がします」

「そうですか、じゃあ少しは効果があったかもしれないですね・・・そうですね・・・後2日入院して続けてみましょう。多分改善されると思います」

「はい」

健診後、俺はどうしても気になることがあってパソコンを開いた。
「さやか」とのメッセージだった。
削除されたメッセージ・・・・
俺の記憶は残っていないが・・・・・
メッセージは削除は完全に消されている訳ではない、サーバーにはデータが残っている。
が・・普通一度削除すると復元できないようになっている。
普通は・・・俺はサーバーに侵入してメッセージの復元をした。

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

「携帯持ってきたよ、あんた本当機械好きね・・こんな綺麗にとってあるなんて」

「姉さん・・・・・」

「ん?」

「えーと・・・・・」

「・・・・ふーん・・・なんか思い出した?」

「いや・・記憶は戻ってないんだけど・・・・メッセージのやりとりを復元したんだ」

「うん、それで?」

「えーと・・・・先生が言っていたんだけど・・・この手術を受けて記憶障害が発生した人の中には・・・『忘れたい記憶がなくなった』人が何人かいたって・・・・・」

「だから言ったじゃない、私のことを忘れたってあなたの人生には影響はないって」

失った記憶の4人の1人「さやか」は姉だった。
俺は姉と・・・恋愛関係・・・肉体関係を持っていた・・・
そして、姉は妊娠して、堕胎をした。
このことは忘れよう、2人だけの秘密のままにしよう。復元したメッセージにはそう書かれていた。

「ごめん・・・姉さん・・・・」

「謝ったって何も変わらないわ、もう終わったことだしね・・・・ちょっと期待したんだけどなぁ・・・このまま記憶が戻らないことを・・・なのに自分で調べちゃったかぁ・・・・」

「・・・・・・・」

「まあ・・・私のことは良いわ・・・3人の中に本当に好きな人はいるの?」

「わからない・・・・思い出せない・・・」

「じゃあ、良い機会ね、全部話しなさい。記憶を無くしたことも、他に付き合っていた女がいたことも。それでも許してあなたに向き合ってくれる人をしっかり愛しなさい。
あっ私のことは言わなくて良いわよ。」

俺は3人に連絡をした・・・
全員にフラれた。

姉は笑いながら「自業自得よ」と言っていた。

退院しても4人の女性の記憶は戻らなかった。
もちろん姉の記憶も。

2度と記憶を失うようなことが起きないようにしよう・・・・・
「忘れたい記憶」なんか作らないように
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