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38 庭園で
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城の周り。庭園のほうからアレックス王を探してみる。
月明かりに照らされた美しい花々の並ぶ庭園。
これらも国を離れる前から変わっていない。
エヴァンが歩きながら思い出話を語る。
「王妃殿下はこの場所が好きでしたね。わたしは身分の低い騎士の子供でしたが、あなたは別け隔てなく一緒に遊んでくれました」
「ええ、シェトランドはそこまで家柄や血筋にこだわらない国風ですから。あなたは実力で騎士団の中核を担う騎士まで成長してくれました。でも、一時は投獄されたと聞いたのでとても心配したのですよ」
ダラムからの最後通告が来てもなお徹底抗戦を唱えていたのがこのエヴァンだった。
わたしが差し出されることでダラムに帰属すると決定したとき、勝手に兵を動かそうとして捕らえられ、投獄されたのだった。
ダラムに送られる前にわたしが助命を嘆願していたのだけれど、その結果までは知らなかった。
だから再会したときは二重に驚いたのだ。反乱罪が適用されてもおかしくなかったのに、騎士団にまで復帰できてるなんて。
「わたしが……俺がこうしているのも王妃殿下のおかげです。いや、あなたの為に俺は生かされているのです」
エヴァンの口調の変化に少し戸惑いながら、わたしはうなずく。
「それはわたしも同じですよ。その顔の傷……わたしがわがままを言って遠出をした際、盗賊に襲われた時にかばったものですよね。あなたがいなければ死んでいたかもしれないのです」
エヴァンは左目の下の傷を触りながら首を振る。
「こんな傷など大した事はありません。あなたがダラムに行くことが決まり、離ればなれになるのと比べれば。それがこうしてまた会うことが出来た」
突然エヴァンはその場に膝をつき、頭を下げる。
「お許しください、王妃殿下。俺はあなたに嘘をつきました」
「え、えっ? どうしたのです、エヴァン? 嘘とは」
「ダラム王陛下が外に出たのを見たと言いましたが、それが嘘だったのです。俺はあなたと二人きりで話がしたくて」
「二人きりで……嘘をついてまで、なぜ」
「このままダラムに戻って欲しくない。その一心からです。噂では王妃とは名ばかりでひどい扱いを受けているとか。仲が良いふうに見えても、それは脅されているのでしょう」
「脅されているだなんて……過去にはたしかに理不尽な嫌がらせも受けましたが、今は良好な関係を築けていますよ」
「王妃殿下……いえ、レイラ様! 俺の前では真実を言ってください! シェトランドのことを考えて耐えているのでしょう。あなたが犠牲になることで国の存続を図るなど、俺は我慢ならない」
興奮した顔で立ち上がり、わたしの腕を掴むエヴァン。
わたしがその痛みに顔をしかめると、はっと手を離す。
「ご無礼を。でも、あなたの事が心配なのです。それに俺の気持ちは知っているはずです。身分の違いは十分に分かっています。それでも俺は」
「エヴァン……」
昔から変わらない。真っすぐで、純粋で強引で、一途で。幼い頃はそんな彼に惹かれたこともあった。でも今は──。
「俺と二人で逃げましょう。それしかありません。ダラムでもシェトランドでもない地で暮らすのです。深夜に教会の鐘が鳴る頃、ここで待っています。それでは」
「あっ、待ってください、エヴァン!」
こちらの返事も待たず、走り去るエヴァン。
わたしは彼に掴まれた腕をさすりながらしばらくそこで佇んでいた。
* * *
「遅かったな」
城で泊まる場所はアレックス王と同室だった。
アレックス王はすでに部屋に戻っており、わたしがドアを開けるとそう声をかけてきた。
「あなたを探していたのですよ。部屋に戻るなら一声かけてください」
「フン、そんなのは余の勝手だろう。それよりどうだ? 久しぶりの祖国は楽しめているか」
「ええ、それは。お父様やお母様、城のみんなに再会できましたから」
「それにお前のダンスの相手……なかなか男前だったな。似合いのペアだと噂になっていたぞ」
「エヴァンのことですか。彼はわたしと同い年で、幼なじみのようなものです」
「ほう、幼なじみか。ならば再会した喜びもひとしおだったろう。余に遠慮せず、会いたいときに会って話をしてきても良いのだぞ」
どこか意地悪そうに言うのでわたしはムッとする。
こっちは心配で探していたのに、そんなことを言われるなんて。
「そういえばお父様との話はどうだったのですか? そちらこそ大事な話があったのでしょう」
「ああ。直接話すのははじめてだったが、まあ良い印象を持った。ハノーヴァーともしもの事があっても裏切ることは無さそうだ」
「それは何よりです。というより、わたしやジェシカはその為の人質だったのでしょう」
「まあそういうわけだが。とりあえずシェトランドに関してはそれも必要ないと感じたな」
「? どういう意味ですか」
「そのことについてもシェトランド王と話した。お前は人質同然として我が妻となったが、その関係も解消しても良いかな、と」
アレックス王の唐突な言葉に、わたしはショックを受けた。
「それは……離縁するということですか⁉ わたしをここに置いていくつもりでシェトランドに来たのですか⁉」
「そう声を荒げるな。お前も望まぬ形で王妃になったのだろう。悪い話ではないと思うが。他に好きな男でもいればなおさらだろう」
「!……信じられませんっ、あなたが言い出した事なのに! こっちだって相当の覚悟を持ってあなたの妻になったのに!」
本当に頭にきた。今までの苦労は何だったのか。
国や民を想い、病の身ながら尽力しようとする姿に感動したのに。それを支えようと思っていたのに。
わたしが喜ぶとでも思ったのだろうか。
アレックス王はわたしが激怒する様子に戸惑っているようだ。
「む、そこまで怒るとはな……だったら、お前がどうしてもと言うなら側に置いてやってもいい。余は別にどちらでも良いのだが」
「冗談ではありません! 何をいまさら──」
わたしはそう言って側にあった枕を投げつけていた。
そして部屋を飛び出す。
月明かりに照らされた美しい花々の並ぶ庭園。
これらも国を離れる前から変わっていない。
エヴァンが歩きながら思い出話を語る。
「王妃殿下はこの場所が好きでしたね。わたしは身分の低い騎士の子供でしたが、あなたは別け隔てなく一緒に遊んでくれました」
「ええ、シェトランドはそこまで家柄や血筋にこだわらない国風ですから。あなたは実力で騎士団の中核を担う騎士まで成長してくれました。でも、一時は投獄されたと聞いたのでとても心配したのですよ」
ダラムからの最後通告が来てもなお徹底抗戦を唱えていたのがこのエヴァンだった。
わたしが差し出されることでダラムに帰属すると決定したとき、勝手に兵を動かそうとして捕らえられ、投獄されたのだった。
ダラムに送られる前にわたしが助命を嘆願していたのだけれど、その結果までは知らなかった。
だから再会したときは二重に驚いたのだ。反乱罪が適用されてもおかしくなかったのに、騎士団にまで復帰できてるなんて。
「わたしが……俺がこうしているのも王妃殿下のおかげです。いや、あなたの為に俺は生かされているのです」
エヴァンの口調の変化に少し戸惑いながら、わたしはうなずく。
「それはわたしも同じですよ。その顔の傷……わたしがわがままを言って遠出をした際、盗賊に襲われた時にかばったものですよね。あなたがいなければ死んでいたかもしれないのです」
エヴァンは左目の下の傷を触りながら首を振る。
「こんな傷など大した事はありません。あなたがダラムに行くことが決まり、離ればなれになるのと比べれば。それがこうしてまた会うことが出来た」
突然エヴァンはその場に膝をつき、頭を下げる。
「お許しください、王妃殿下。俺はあなたに嘘をつきました」
「え、えっ? どうしたのです、エヴァン? 嘘とは」
「ダラム王陛下が外に出たのを見たと言いましたが、それが嘘だったのです。俺はあなたと二人きりで話がしたくて」
「二人きりで……嘘をついてまで、なぜ」
「このままダラムに戻って欲しくない。その一心からです。噂では王妃とは名ばかりでひどい扱いを受けているとか。仲が良いふうに見えても、それは脅されているのでしょう」
「脅されているだなんて……過去にはたしかに理不尽な嫌がらせも受けましたが、今は良好な関係を築けていますよ」
「王妃殿下……いえ、レイラ様! 俺の前では真実を言ってください! シェトランドのことを考えて耐えているのでしょう。あなたが犠牲になることで国の存続を図るなど、俺は我慢ならない」
興奮した顔で立ち上がり、わたしの腕を掴むエヴァン。
わたしがその痛みに顔をしかめると、はっと手を離す。
「ご無礼を。でも、あなたの事が心配なのです。それに俺の気持ちは知っているはずです。身分の違いは十分に分かっています。それでも俺は」
「エヴァン……」
昔から変わらない。真っすぐで、純粋で強引で、一途で。幼い頃はそんな彼に惹かれたこともあった。でも今は──。
「俺と二人で逃げましょう。それしかありません。ダラムでもシェトランドでもない地で暮らすのです。深夜に教会の鐘が鳴る頃、ここで待っています。それでは」
「あっ、待ってください、エヴァン!」
こちらの返事も待たず、走り去るエヴァン。
わたしは彼に掴まれた腕をさすりながらしばらくそこで佇んでいた。
* * *
「遅かったな」
城で泊まる場所はアレックス王と同室だった。
アレックス王はすでに部屋に戻っており、わたしがドアを開けるとそう声をかけてきた。
「あなたを探していたのですよ。部屋に戻るなら一声かけてください」
「フン、そんなのは余の勝手だろう。それよりどうだ? 久しぶりの祖国は楽しめているか」
「ええ、それは。お父様やお母様、城のみんなに再会できましたから」
「それにお前のダンスの相手……なかなか男前だったな。似合いのペアだと噂になっていたぞ」
「エヴァンのことですか。彼はわたしと同い年で、幼なじみのようなものです」
「ほう、幼なじみか。ならば再会した喜びもひとしおだったろう。余に遠慮せず、会いたいときに会って話をしてきても良いのだぞ」
どこか意地悪そうに言うのでわたしはムッとする。
こっちは心配で探していたのに、そんなことを言われるなんて。
「そういえばお父様との話はどうだったのですか? そちらこそ大事な話があったのでしょう」
「ああ。直接話すのははじめてだったが、まあ良い印象を持った。ハノーヴァーともしもの事があっても裏切ることは無さそうだ」
「それは何よりです。というより、わたしやジェシカはその為の人質だったのでしょう」
「まあそういうわけだが。とりあえずシェトランドに関してはそれも必要ないと感じたな」
「? どういう意味ですか」
「そのことについてもシェトランド王と話した。お前は人質同然として我が妻となったが、その関係も解消しても良いかな、と」
アレックス王の唐突な言葉に、わたしはショックを受けた。
「それは……離縁するということですか⁉ わたしをここに置いていくつもりでシェトランドに来たのですか⁉」
「そう声を荒げるな。お前も望まぬ形で王妃になったのだろう。悪い話ではないと思うが。他に好きな男でもいればなおさらだろう」
「!……信じられませんっ、あなたが言い出した事なのに! こっちだって相当の覚悟を持ってあなたの妻になったのに!」
本当に頭にきた。今までの苦労は何だったのか。
国や民を想い、病の身ながら尽力しようとする姿に感動したのに。それを支えようと思っていたのに。
わたしが喜ぶとでも思ったのだろうか。
アレックス王はわたしが激怒する様子に戸惑っているようだ。
「む、そこまで怒るとはな……だったら、お前がどうしてもと言うなら側に置いてやってもいい。余は別にどちらでも良いのだが」
「冗談ではありません! 何をいまさら──」
わたしはそう言って側にあった枕を投げつけていた。
そして部屋を飛び出す。
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