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新学期もすっかり落ち着き始めた頃、生徒会に補佐として一年生が入ってきた。
伊藤大紀。生徒会長、伊藤斗紀の弟。 明るく人懐っこい性格で、どこか田舎の雰囲気を残した無垢な笑顔が特徴的な少年だった。
「朝陽先輩! 今日のネクタイも完璧ですね!」 「またか大紀……その呼び方やめてって言ってるだろ」 「えー!だって“副会長”って堅苦しいですもん! それに、憧れてますし!」
生徒会室には、最近大紀の姿が日課のようにある。 補佐として雑用や書類を運ぶ名目でやってきては、朝陽のそばにまとわりついて離れない。
それを、廊下の陰から見ていたのが――依澄だった。
(……ずいぶん、懐かれてるな)
依澄は壁にもたれ、無表情のまま目を伏せる。
(ああいうのが、好みなのか。背は低くて、笑ってて、人懐っこくて――)
ふと、自分の背丈や骨ばった指、寡黙な性格が思い浮かぶ。依澄は、朝陽よりも10㎝程背が高く、大紀と比べると断然大きい。
(……俺なんかより、よっぽど可愛いし。楽しいだろ、あっちの方が)
副会長の部屋に行こうと思っていた足を止め、そのまま自室へ戻った。
夜。 依澄の部屋。誰もいない。 部屋の中で、依澄は何も手につかず、ベッドに突っ伏していた。
(今日は我慢、ちゃんとしよう……一人で。副会長に頼らず)
それはまるで、何かの罰のようだった。 朝陽と距離を取ることで、自分の気持ちを整理したかった。 だけど、それがどれほど苦しいことか、想像以上だった。
(……やばい、限界……)
冷や汗が額を伝い、体は震えていた。 それでも、トイレに立つことはせず、ただただ我慢を重ねていた。
(なんで、あの人の顔が浮かぶ……)
声を漏らさぬよう歯を食いしばる。
(寂しい……こんなに寂しいのか……)
ちょろ、という音と同時に、太ももを伝う感触。 全身の力が抜け、依澄は布団の中でぐしゃりと崩れた。解放感に自身が震え上がり、絶頂を迎えるのも同時だった。
一番上に上り詰めた時、頭の中を占めていたのは、朝陽の声。
「……っ、ああ……なんで、俺……っ」
ポタ、と違う液体が頬を伝う。 自分の中でどうすることもできない感情が、溢れ出した。
「……副会長……来ないでください、今日は……」
誰も聞いていないのに、そう呟く。 だが心の中では――来てほしかった。 あの手で、あの声で、自分を抱きしめてほしかった。
伊藤大紀。生徒会長、伊藤斗紀の弟。 明るく人懐っこい性格で、どこか田舎の雰囲気を残した無垢な笑顔が特徴的な少年だった。
「朝陽先輩! 今日のネクタイも完璧ですね!」 「またか大紀……その呼び方やめてって言ってるだろ」 「えー!だって“副会長”って堅苦しいですもん! それに、憧れてますし!」
生徒会室には、最近大紀の姿が日課のようにある。 補佐として雑用や書類を運ぶ名目でやってきては、朝陽のそばにまとわりついて離れない。
それを、廊下の陰から見ていたのが――依澄だった。
(……ずいぶん、懐かれてるな)
依澄は壁にもたれ、無表情のまま目を伏せる。
(ああいうのが、好みなのか。背は低くて、笑ってて、人懐っこくて――)
ふと、自分の背丈や骨ばった指、寡黙な性格が思い浮かぶ。依澄は、朝陽よりも10㎝程背が高く、大紀と比べると断然大きい。
(……俺なんかより、よっぽど可愛いし。楽しいだろ、あっちの方が)
副会長の部屋に行こうと思っていた足を止め、そのまま自室へ戻った。
夜。 依澄の部屋。誰もいない。 部屋の中で、依澄は何も手につかず、ベッドに突っ伏していた。
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声を漏らさぬよう歯を食いしばる。
(寂しい……こんなに寂しいのか……)
ちょろ、という音と同時に、太ももを伝う感触。 全身の力が抜け、依澄は布団の中でぐしゃりと崩れた。解放感に自身が震え上がり、絶頂を迎えるのも同時だった。
一番上に上り詰めた時、頭の中を占めていたのは、朝陽の声。
「……っ、ああ……なんで、俺……っ」
ポタ、と違う液体が頬を伝う。 自分の中でどうすることもできない感情が、溢れ出した。
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