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放課後の中庭。
西日に照らされたいつものベンチに、朝陽は座っていた。
「副会長、ちょっといいですか?」
振り返ると、大紀が立っていた。 人懐っこい笑みは今日に限ってどこか真剣だった。
「……なに、急に敬語」
「いや、ちゃんと伝えたかったから」
大紀は、胸元を押さえて一歩踏み出す。
「俺、朝陽さんのことが好きです」
ストレートな言葉。 朝陽は、わずかに目を見開いたが、すぐに視線を逸らしてため息をついた。
「……ごめん。俺、そういうの、今いいや」
「今、ってことは、いつかは……?」
「ない。悪いけど、最初からそういう意味で見たことないし、これからも変わらない」
大紀の表情が一瞬曇った。
「……そっか。そりゃ……そっか」
「うん。正直に言ってくれてありがと。でも、気持ちに応えることはできない」
「……好きな人、いる?」
しばらくの沈黙のあと――
「……うん」
「そっか」
大紀は笑った。寂しそうに、でもどこかすっきりしたように。
「……朝陽さんが本気で人を好きになるなんて、ちょっと意外だった。でも、なんか……いいな。そういうの」
「……余計なお世話だ」
「うん。でも、応援はしないからね」
大紀はそう言って、踵を返す。
去っていく背中を見つめながら、朝陽はふっと笑った。
「……やっぱり、俺、アイツじゃなきゃダメだわ」
心に浮かんだのは、冷たい眼差しと、真面目すぎる横顔――
風紀委員長、白崎依澄の姿だった。
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「うん。正直に言ってくれてありがと。でも、気持ちに応えることはできない」
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