二人だけの秘密の時間

tomoe97

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全寮制・名門男子校「白栖学園」。

厳格な校則と伝統を誇るこの学園で、風紀を預かる風紀委員長・白崎 依澄は、誰もが恐れる存在だった。

「──遅刻、四回目。次は反省文だ」

低く通る声。鋭い視線。常に無表情のその態度に、生徒たちは背筋を伸ばし、視線を逸らす。


だが彼には、誰にも言えない“癖”があった。

——それは、「我慢」すること。

正確には、排尿を極限まで我慢することに、密かな快感を覚えていた。
小さい頃から、いつしかそれは「習慣」になり、今では朝から放課後まで溜め込んだものを、寮の個室でひとり、自身が限界になるまでさらに身体を追い込むことが、彼の日課になっていた。

(……もう少し。あと10分……)

張り詰めた膀胱の痛みに汗がにじむ。
太ももに力を込め、股をすり合わせる。けれど顔色ひとつ変えない。
その“強さ”に酔いながら、彼は歪んだ欲望を密かに満たしていた。


そんなある日──
生徒会との合同会議の席。
風紀委員の報告が終わり、次に口を開いたのは副会長・中川 朝陽だった。
黒髪をきっちりとまとめ、冷えた声で進行をする彼は、中性的な顔立ちで、美しく、誰よりも完璧で、誰にも弱みを見せない。
……そのはずだった。

(……?)

依澄の視線が、朝陽に吸い寄せられた。

(様子が……おかしい)

足を交差し、わずかに太ももをすり合わせる動き。
眉間には薄く皺。
椅子に座る姿勢が、微妙に落ち着かない。
そして──

(あれは……我慢してる、のか……?)

視線が交錯した。
その瞬間、朝陽の頬が、ほんのりと赤く染まった。

(まさか……彼も)

依澄は、心臓を撃ち抜かれたような衝撃を受けていた。

「……副会長、顔色が悪いが」

咄嗟に声をかける。
だが朝陽は、冷たく目を細めた。

「問題ない。話を進めて」

強がる声が、わずかに震えている。
──彼も、限界なんだ。

今、あの完璧な副会長が、目の前で“耐えて”いる。
誰にも気づかれないように。必死に、歯を食いしばって。

(ああ……綺麗だ)

依澄の喉が鳴った。
こんな感情は、はじめてだった。
我慢する姿が、こんなにも美しいだなんて。

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