アルキオネウスの地より

社畜

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Gー00ガーディアン ドール 澪

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あれから3ヵ月…データの集積が進みある程度の事が解ってきた。

この星は、6つの大陸からなり、地球上に見られる生物が多数生息、驚く事に、なんと人類が存在、各大陸で異なる文明を発展させ、国を作っている。
地球で言うなら、おおよそ平均15~16世紀と言った所だろうか?

そして各大陸の街に鳥型、動物型のロボットを送り込み情報集積と平行して量子コンピューター桜による言語解析を進めた。


「ある程度の情報も揃った、それでだ桜、一番大きな大陸の此処、中央地点に降下したいと思う」

『危険です、国同士が覇権を争い戦っている所も在ります、マスターの地上降下作戦は推奨出来ません』

「しかし何時までも衛星軌道上の艦に居ても何も変わらない、それに早く大地に足を着けたいんだ」


『……了解しました、しかし護衛役を着けさせてもらいます』

ドアが開き、メイド服の上に軍用タクティカルベスト、ニーソにGIブーツに指だしグローブそれに…黒の眼帯?
異様なコーディネートの中学生頃の妹、結愛そっくりの少女が入ってきた

『では、ファクトリープラントからロールアウトしたばかりの、この娘を護衛にお連れ下さい』

容姿、服装を見て一瞬言葉に詰まるが気を取り直して桜に問いかける

「桜…この娘は?」

『マスターが無茶しない様にマスターの記憶の妹さんから作成した自律思考型AI搭載Gー00  ガーディアン ドール「澪」」です』

『澪、マスターにご挨拶を』

《くぅーくっくくく私が、兄様をこの世の全てを見通す右目の神眼に賭けて御守りいたしますわっ!》

「ハハハ…はぁ~」

そういえば思い出した、まだ結愛が元気だった頃、ある病気に患っていた事を、所謂あれだ年頃の少年少女が患うあの病気、中二病……


まあ姿は何だが、超合金の骨格に特殊金属筋肉繊維、その上から人工皮膚を纏った人と見分けのつかないアンドロイドで量子コンピューター桜と直接リンクを可能とし、エネルギー結晶で稼働する。
それに効率は、かなり悪いが有機物摂取による補給も可能、要は食事によるエネルギー補給が出来る。
澪が居れば母艦との連絡も地上のマッピングも上空からの衛星写真情報も全てが出来るという訳だ。

なお桜によると澪の設計データを元に自律思考AIモデルHistorical Parson(ヒストリカル パーソン)シリーズを随時ロールアウトし投入する予定らしい。

「桜、パワードスーツに、メインウェポンはそうだな20世紀位の銃機とコンバットナイフにコンパウンドボウを用意してくれ!」

『了解いたしました』

「澪も自分の獲物(銃)を決めておいてくれ」

《くっくっくく了解致しましたわ兄様》

取り敢えず先遣隊の作った中央大陸のベース(基地)に降下が決まった。

其所は、北欧人に似た人々の住まう森の小国と、強者主義を掲げ大陸に覇を唱える大柄な人属(平均身長2m)の国で戦火が絶えない場所。

森の国の人々の生活や思想は穏和で国と民を守る為やむを得ず戦っている様だ、しかもかなり劣勢で亡国の落日を見るのも火を見るより明らか。
弱っているところを助けて恩を売り友誼を結びたい。

対して片方は、力こそ正義、弱者な人間など、人に非ずを公言している。
どう考えても友好的なお付き合いは出来そうにない。

「よし、装備を確認後、降下2時間前にブリーフィングルームに集合」




いかなる事態にも対応出来るよう準備を進める。

パワードスーツを装着していればまず、問題ないだろう。
何といっても、金属繊維の疑似筋肉を人体の筋肉の動きに合わせて増幅し常人の50倍まで引き出し20ミリ銃弾の直撃にも耐え宇宙空間、深海での作戦行動も可能にした究極装備。
かなりのオーバースペックだが命は1つ大事にしなければ。

「メインウェポンはオーソドックスにM4、副装備にグロック17とコンバットナイフと、これでヨシ」

《お待たせしましたわ!》

腰に身の丈にそぐわない2丁のリボルバーハンドガンS&W M500 10.5インチ左手には大きなガンケース

「澪、グリズリーか象でも狩りに行くのか?」

《兄様を護衛するならジャム(弾詰まり)の心配が少なく、破壊力がなければなりませんわ!なのでリボルバーという事にしましたのよ、当然パウダー(火薬)もマシマシでしてよ!》

《そして、この子ですわ!バレットM82》


「いやいや、澪さん?君は何と戦うつもりなのかな?そんなマグナム弾や12.7mmで人なんか撃ったら手や頭なんか吹き飛んじゃうよ?」

彼女の仮想敵は猛獣や恐竜なのだろうか?

ない胸を反らして大きく叩き

《泥舟に乗ったつもりで、わたくしに、全て任して下さいまし!》

「澪さんや、泥舟ではなくて大船では?泥舟ではカチカチ山の狸さんみたいに沈んじゃいますよ➰」

地上降下まで1時間……大丈夫だろうか……






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