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二十話
王都防衛戦 ⑿巨象vs極小軍団
しおりを挟む「あのぅ、ロキ様?」
「どした?アイちゃん」
「私……今回……、何にもしていません!」
「でもタンガの船で俺を守ってくれたじゃない?俺だってあの馬鹿そうな弟と戦っただけだよ」
「あんなのただの条件反射で、別に戦ったわけじゃないじゃないですか?私は魔剣士です、少しは戦いたいんです!敵をメッタメタに切り刻みたいんです!」
「う、うん、その意気や良しなんだけど、次に対峙する敵ってアレだよ?」
黒龍が巨象三頭に近づくにつれ、その巨大さが明らかになる。体高60m、体長は80mを超えるだろう。
攻撃ヘリのヘルファイアも黒龍の熱線や火球も、身体の表面を傷つけこそすれ、暴れる巨象を止めるには至っていない。
「アイちゃんが倒せないとは言わないけど……あれ単純にめちゃくちゃ硬いんだよ、アイちゃんの魔剣でも斬れるかどうか……」
「んーーわかりました……じゃあ落として下さい、隕石」
アイーシャは不満げだが、渋々諦めた。
「隕石大好きだな……」
ロキはまた次元の書を取り出した。金色に輝いてページがめくられる。
「この場面、巨大な敵には極小で対抗するのが乙だと思うのよ」
「イーミン……トゥ……ナラ……フィ」
次元の書から無数の光が巨象に向けて飛んでいく。
「何も見えないですよ?」
アイーシャが光の飛んだ方角を見て尋ねる。
「そう?象さんがいる地面を見てみ」
「地面が真っ黒です!」
「じゃあ、象が暴れ狂うから、ちょっと退避して他を掃討しよう」
「中佐、巨象が酷く暴れ出すから巻き込まれない様に他の化け物を攻撃してくれ!」
「ロジャー」
攻撃ヘリと黒龍は巨象から距離を取った。
やがて、巨象の動きが止まる。足元が黒ずみ始めたかと思うと、それが上に上がって行く。象を黒く染めるかの様に足から胴体、胴体から顔へと広がっていく。
「ロキ様、象さんが黒くなっていきます!何したんですか?」
「あれはね……アリさんだ!!」
「アリんこ!」
それは無数の獰猛な軍隊アリだった。
地面から巨大な象に登った軍隊アリは耳や目や口、果ては火球を発射している長大な鼻の中まで、穴という穴から体内に入り込んでいく。
巨象の身体に入り込んだ軍隊アリは柔らかな内側から体を食い破っていく。巨象は堪らずに暴れ出した!
「ロキ!お前がやる事は本当にナスティだ!」
「中佐の軍団も十分エグいさ」
「ハッ、俺たちもお前が作って呼び出したんだけどな!」
軍隊アリが脳や内臓にまで達した三頭の巨象はひとしきり暴れた後、膝をつき、やがてゆっくりと地面を揺るがしながら倒れた。しかし、アリは食い足りないとばかりに辺りの虫の化け物にも群がっていく。
「アイちゃん、ここはアリんこと中佐に任せて俺たちはフィニッシュと行こうか。魔剣の出番かもしれないよ!」
「行きましょう!ロキ様!」
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