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時には優しく 咲良視点

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「よし、咲良、今日はどうしようか」
「え……そんなこと私に聞かれても……」
「それじゃ、今日は咲良がしたいと思う修行にしようか」
「わ……私が考えるの?」
「そうだよ、別に何もしたくないらなそれでもいいけど……」
確かに何もしないってのが一番いいけど、ジェルドは私のことを信頼してこんな提案してくれてるんだよね……さすがにそれを無視して、やらないってのは可哀想だ……

「し……下着姿で……お話するってのはどうかな……」
「おっ、いいね、それでいこう」
ジェルドは笑顔で私の甘い修行を受け入れてくれた……

もう下着姿は見られているので、あまり恥ずかしいとはおもわず、私は服を脱いだ。
「よし、それじゃ、お話ししよう」
「うん……」

「咲良は何をするのが好き?」
「え、そうね……本を読んだり、映画を見たり……」
「映画ってのはわからないけど、本か……本なら俺も持ってるから今度持ってきてあげるよ」
「え、でもこっちの世界の本って読めるかな……」
「まあ、どうかな……こうやって会話できてるくらいだからなんとかなるんじゃないの」
「確かにそうね……そういえばどうして会話できてるんだろ……」
私の疑問だが、ジェルドもそれはわからないようで、気にしないでいいんじゃないと結論が出た。
「前に好きな男がいるって言ってたけど、その彼の話をしてくれるかい」
「え、日向のこと、そうね……日向は臆病で怖がりのくせに、いつも私の前では強がって……『咲良は俺が守る』なんて言ってるけど、いざそういう時には役に立たないダメな人なの……」
「そんな男が咲良は好きなのか?」
「うん……ダメだけど……私の事思ってくれてるし……優しいの……」
「そうか……でも、桜を思ってる気持ちは、俺も負けないけどな」
「ええ! ジェルド……私の事好きなの?」
「そうだよ、俺は咲良が好きだ」
「……もう……そんなこと言っても私には日向がいるから……」
「俺は急ぎはしないよ、いつか咲良を俺の方に向かせてみせる」
「…………ダメだよ……」
好きだと言われて嫌な気なんてするわけもなく……そんな弱い言葉しか出てこなかった……
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