デザイアゲーム

どらごんまじっく

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自己紹介

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「みんな集まりましたか、それでは最初に自己紹介といきましょうか」
どんな状況にあっても、知らない人同士が集まっている場ではやはりこれから始めるしかないだろう……仕切るつもりはなかったが、誰も言い出しそうになかったので、俺が発言した。

「まずは、私から、私は綾川陽廉です、こちらは妻の愛菜です、しながいサラリーマンをしています」
「妻の愛菜です、商社で企画の仕事をしています」
俺たちがそう自己紹介すると、次は妹の瑠璃が自己紹介を始めた。
「ここで会ったのは偶然ですが、その綾川陽廉の妹で、夢原瑠璃です、こちらは主人の宏光です」
「夫の宏光です、家具会社でデザイン関係の仕事をしています」

妹夫婦の紹介の後は、大学生風のカップルが自己紹介してくれる。
「鷲田大学の三年生で、梨田光一と言います……この子は彼女の結衣です」
「梨田くんと同じ大学の大城……結衣です……よろしくお願いします……」

その次は大柄な男女のカップルが自己紹介してくれる。
「俺は無名だが、プロレスラーしてます釧路マナブです……妻もレスラーで、人気、実力ともに、妻の方が上なんですけど……」
「豊田明日香、UFFTTって団体でレスラーやってます……」
豊田明日香って確かに聞いたことある……有名な女子プロレスラーだ……

「ガハハハっ……豊田明日香がいるとは嬉しいね……俺は荒川だ、男とはよろしくと仲良くするつもりはないが、女たちはよろしく頼むぜ、特にあっちの方はな」
やはり下品な男だ……こちらもよろしくとはしたくない……
「私は中根真由美……誰とでもヤるから、声かけて」
男が男ならその女もあれだな……

「さて、今後の話だけど……」
俺がそう言いかけると、荒川がにやけながら話を遮る。
「おいおい、なんの話し合いをしようとしてんだ、これから俺たちはゲームで競い合う敵になるんだぞ、そんな仲良しこよしの話し合いなんていらねえだろ」
「あんたにとってはそうかもしれないけど、ここにいるほとんどの人が、こんなゲームに乗り気じゃないと思いますよ」
「ほほう……そうなのか、ここにいるのは十億の金に興味がない聖人君主様ばかりだって言いたいんだな」
「少なくとも俺たち夫婦はこんなゲームに参加するつもりはない、だけど、死にたくはないので、その対応を考えたいんだ、他の人たちもそう考えてると思ってる」
「ほほう……そんな過大評価されるのは迷惑みたいだぞ……」
そう言われて周りを見ると、確かに何か言いたそうな顔で俺たちを見ていた……十億は確かに大金だけど……そんな金で、愛するパートナーが他の男に抱かれても平気なのか?
「確かに綾川さんの話もわかるのですが、ゲームに本気の人もいるようですし……話し合いは希望者のみにしてはどうですか」
俺の強制的に話し合いに参加しろとは言わない、その提案に賛成した。

結局、そうは言っても、話し合いには荒川以外の全員が参加した。
「俺たちも綾川さんの夫婦と同じで、こんな馬鹿げたゲームに本気で参加するつもりはない、しかし、殺される気もないので、お互い、他のパートナーとキスだけは許容しようと決めた」
プロレスラーの釧路さんがそう言った。
「そうなんですか、実はうちも似たような感じで考えてます、キスと手コキくらいは仕方ないかなと……」
俺がそう言うと、妹の瑠璃がちょっと困った感じでこう言ってくる。
「他の女の人とキスか……宏光さんにはそれもして欲しくないな……」
「瑠璃……大丈夫、君が嫌なら俺は何もしないよ」
「それもダメ! 射殺されちゃうから……」
ワガママな妹だな……そんな瑠璃に俺が提案する。
「瑠璃、それだったらうちの愛菜とならどうだ、知ってる人間なら少しは安心だろ」
「あ……愛菜さんとか……それなら……我慢できるかも……」
宏光くんはうちの愛菜とキスするのを想像したのか少し頬を赤くして照れてるようだ。

「いいですね、知り合いがこの場にいて……僕たちはどうしたらいいか……」
大学生の梨田くんがそう愚痴る……
「君たちの関係は恋人同士なんだよね、若いし……ちょっと辛いかもしれないね……」
「はい……僕はいいんですが、結衣は僕以外の男には触ることもできないので……このままでは殺されてしまいます!」
「うん……困ったね……結衣さん、やはり無理そうですか」
「……私……光一さん以外の人とは……でも……死にたくないので、この中の誰か……強引にキスしてくれませんか……拒否すると思いますけど無理やりお願いします……」
「俺がやろう! いいか学生……強引に奪うぞ」
「……はい……お願いします……」

釧路さんは結衣さんを抱きしめた……プロレスラーの力強い腕で抱きしめられると抵抗などできるはずもなく、動けなくなる……そのままキスしようとする……結衣さんはちょっと顔を背けて逃げようとするが、首だけの動きで避けれるわけもなく、ぶちゅっと唇を奪われた。

「よし、これでいいだろう、明日もしてやるからいつでもいいな」
釧路さんに唇を奪われた結衣さんは少し放心状態となっていた……しかし、釧路さんにそう言われると、か細い声で返事をする。
「はい……お願いします……」

「旦那がキスしてるの見たら私もやりたくなったな、どう、誰かキスしない?」
豊田明日香がそう誘う……美人レスラーで有名な彼女とならと、大学生が手を上げる……
「そうだね、旦那が君の彼女の唇奪ったんだから、私の唇も奪い権利がわるわね、ほら、遠慮なくきな」
「よ……よろしくお願いします……」
梨田くんの言葉を遮るように、明日香さんは彼の唇を奪った……先ほどの旦那と彼女のキスより濃厚な接吻が長く続く……
「おいおい、ちょっと長いんじゃねえか」
釧路さんは少し笑いながらそう言う。

「ついでだけど、愛菜と宏光くんもここでキスを済ませておくかい?」
「みんなの前でですか! ちょ……ちょっと恥ずかしいな」
「でも、今日中にしないといけないし、私は今でもいいわよ」
「じゃあ、パッとやってくれ、俺と瑠璃は後ろ向いてるから」

照れ合う二人を見届けると、俺と瑠璃はそれを見ないように後ろを向いた。
「終わりましたよ」
「よし、あとは瑠璃と俺だな、兄妹でどうかと思うが、キスするか?」
「ええ~! うん……まあ、知らない男とするよりはいいか……ほら、さっさとしてお兄ちゃん」
目をつぶってそう言う瑠璃に、俺はチュッとキスしてやった。妹として愛してるということもあり、そのキスにはそれほど抵抗はなかった。

これで今日はとりあえず、ここにいる参加者は全員、ポイントの変動があるので、殺されることはないだろ……荒川さんと中根さんはどするかは知らない。

そのあと、全員で食事を作ることになった……食材はびっくりするほど用意されていて、フォアグラやキャビア、高級そうな肉や、蟹、海老など、待遇の良さは感じ取れた……これで死と隣り合わせでなければ良かったのだけど……

食事には一応、荒川さんと中根さんも誘った……作るのには参加しなかったが、食べる時には当たり前のように入ってきた。
「ヘヘヘッ、美味そうじゃねえか」
ちょっと嫌な感じはしたが、あまり揉めるのも嫌なので何も言わずに受け入れた。
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