妻は六英雄だが俺はしがない道具屋です

どらごんまじっく

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北へ向かう8日目 アリナ視点

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「アリナさん、ちょっといいですか」
そう声をかけてきたのはフリージアであった……昨日の彼女を見ているので少しドキドキする。
「どうしたの、何か話でもあるの」
「はい……ちょっと相談と言うか……話を聞きたいんですが……ちょっと聞きにくいんですけど……」
「何でも聞いて、一緒に旅をする仲間でしょ」
「それでは思い切って聞きますね……あの……旦那さんとの夜のアレなんですけど……どんな感じですか」
「ええ? 夜のって……」
「はい……アレです……」
「どんな感じって……ふ……普通だよ」
「普通ってどんな感じですか、気持ちいいんですか?」
「そうね……気持ちいいけど……それより安心すると言うか……幸せを感じると言うか……」
「そうですか……やっぱりアレってそう言うものなんですね……もっと気持ちのいいことだと昔から思ってたんですけど……実際はそんな感じに一回もなったことがないので……」
「そ……そうなんだ……まあ、そんな行為は子供を授かる為の儀式みたいなものだと思えばいいんじゃない……」
「そうですね……ありがとうございます、アリナさんに相談して良かったです」

フリージアはそう言って感謝してくれた……

そんな日の夜、宿の都合で、一人部屋ではなく、相部屋をお願いされた……まだ、相談することがあるのかフリージアが私との相部屋を望んだ。
「いいよ、フリージア、今日は一緒の部屋に泊まりましょ」
ちょっとバルティが寂しい表情をするが、彼女の意見を尊重したのか、反論はしない。

フリージアは深夜遅くまで私との会話を楽しんで、二人で床についた……だけどいつものように、隣の部屋から凄まじい声が聞こえてくる……
「はぁああ! あああっあああ! ああん……ダメ……もうそんなにされたら私……また、いっちゃう!」

私とフリージアの目が合う……またか……そうウンザリする私と違って、フリージアは興味津々と隣の部屋の様子を伺い始めた。
「アリナさん……すごい声ですね……隣ってセシルですよね、一体誰とやってるんでしょうか……」
「多分、ゼロスよ」
「えええ! ゼロスさんとセシルってそんな関係だったんですか!」
「関係になったってのが正しいわね……」
「ちょっと見てみたいです……どうにかなりませんかね……」

ここの宿の作りはしっかりしてるので、覗ける穴なんてなさそうだ……しかし、何か思うところがあるのか、彼女は諦めなかった……天井近くの敷居のところに、小さなスペースを見つけてそこから向こうの部屋が覗けることを発見する。

「ちょっとフリージア、そんなところ登ったら危ないわよ」
しかし、私の言葉など気にもせずに、激しいセックスをするセシルとゼロスをそこからじっと見つめていた……



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