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旅路にて

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昨日の行為から、ルーリエの態度が急変した……いつも俺から離れなくなり、必要以上に密着するようになった。
「君たち、ただの幼馴染なんだよね、それにしては随分と仲がいいよね」
ジアーノンさんもそんな関係性を不審に思ったのかそう言ってくる。
「あっ……そうですね、もう付き合いも古いですから……」
「そうだよね、まあ、私も幼馴染とはかなり仲がいいからおかしくはないんだけどね」
そうは言ってくれるが、流石にこの状況は良くない……小声でルーリエを注意する。
「ルーリエ、ちょっと密着しすぎだ、変に思われるだろ」
「別に思われてもいいよ……」
「俺が良くないって……ジアーノンさんはアリナの知り合いだぞ」
「ふん……わかったよ……じゃ、今日も私を抱いてくれる?」
「……あのな……」
「だったら離れないよ」
「わかったよ……夜にな」

そう言うと満足したのかルーリエは俺から少し離れた。

「もう少しでベルクナ山だ、山賊の多発地帯だから気を引き締めるよ」
ジアーノンさんは真剣な表情でそう言ってきた……確かにベルクナ山が危険だって話は聞いたことがある。

そんなジアーノンさんの注意からすぐに馬車に異変が起こる。馬車が急停車したのだ。
「どうしました」
ジアーノンさんが馬車の従者にそう聞いた。
「道の真ん中に大きな岩がありまして……」

従者の言葉に表情を変える……
「二人とも馬車から出たらダメだよ」
ジアーノンさんはそう言って一人外に出た。

言われた通りに俺たちは馬車の中で待機した……しばらくすると外で激しく戦闘する声と音が聞こえてくる……
「ジアーノンさん、大丈夫かな……」
「大人しそうだけど、ジアーノンさんは六英雄だから大丈夫だよ」
「そうだよね……」
しかし、まだジアーノンさんが馬車に戻らないのに、俺たちが乗っている馬車が動き出した。
「どうした、まだ仲間が戻ってないよ」
従者にそう声をかけながら、前を見てゾッとする……従者の首が無くなっているのだ……首の無くなった従者は、首を刈り取ったであろう山賊に馬車から蹴り落とされる。

そのまま、その山賊が馬車を操り始めた。
やばい……このままだと山賊の戦利品として持って行かれてしまう……馬車から飛び降りて逃げることも考えたが、馬車のスピードを考えると、飛び降りるのはあまりにも危険だ……

躊躇していると、馬車はどんどん進んで取り返しのつかない距離まで行ってしまった。

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