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敵襲
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朝早くに、サイレンのような音が鳴り響いて、それに起こされる……
部屋から飛び出ると、エルも丁度出てきていた。エルは裸で、一緒に裸の神官も出てくる……どうやらお楽しみだったようだ……
「なんだよ、このサイレン! 何があったんだ、ヒュレル、何か知らないのか」
「俺もわからないよ……とりあえずアリナに聞きに行こう」
俺はアリナの部屋に向かった……
だけど、アリナの部屋まで行く必要はなかった……大広間に差し掛かったところで、彼女は半裸の状態で、剣を持って走ってきたからだ。
「ヒュレル! 危ないから部屋に戻っていて!」
「アリナ! どうなってるんだ!」
「敵襲なの! 今から私は敵を迎え撃つから大人しく隠れてて」
「そうか……しかし……なんて格好してるんだ……」
裸にシーツで最小限を隠し、剣を持っているだけの格好をさすがに指摘する。
「えと……急いでいたから……」
さらにゼロスが走って現れるのだけど、彼もほとんど裸の状態であった。
「おい、旦那! どうでもいいが、早く逃げてろ!」
ゼロスの大きな声で怒鳴られて、仕方なく俺は部屋に戻ろうとした……だけど……入り口の大扉の爆発で、俺は吹き飛ばされる……
「ヒュレル! くっ……何者だ!」
アリナがそう声をあげる。
入り口からゆっくり入ってきたのは、俺もよく知っている人物だった……
「ジアーノンさん!」
「なんと、ルーリエや私から逃げたと思ったらもうここに来ていたのか……一緒にいれば、もっと面白いものを見せてあげたのに……」
「ジアーノンさん……いったい……」
俺が呆然としてると、ジアーノンさんの横に、ルーリエが歩いてきた……
「ルーリエ!」
「あら、ヒュレル……お元気そうで……」
その表情は暗く、生気がない……
「ジアーノン……てめえ何考えてんだ……」
「ゼロスか、私の考えは、お前のような下賤の身にはわからないよ」
「そうか……じゃあ、詳細はてめえの体に聞いてやることにするぜ……」
「はははっ……そんなことできるのかな……」
ゼロスがジアーノンの気を引いているすきに、アリナが反対側へと回り込んでいた……
「ジアーノン!」
アリナがそう叫びながら神剣を振るう! だけどジアーノンは表情一つ変えないでその剣を弾いた。
「なぁ!」
「人妻になって腕が落ちたかアリナ……そんな剣では私に触れることもできないよ」
「ジアーノン……北の神殿も西の神殿も、あなたの仕業なの……」
「そうとも言えるし、そうではないとも言える……」
「……なるほど……共犯者がいるのね……」
「さぁ……それは自分で調べればいいよ……生きてここから出られたらね……」
そう言うとジアーノンは軽く剣を振る……その剣圧にアリナとゼロスが後ろに引く……
「ちょっとおかしいぞ……あいつは本当にジアーノンか……」
「私もそう思ってた……明らかに戦闘力が違う……」
「はははっ……失礼な奴らだな……私は正真正銘の六英雄ジアーノンだ……そして初の大陸王になる男なんだよ……」
くっ……あのジアーノンさんが裏切り者だったなんて……だったらルーリエはどうなるんだよ……あいつ……あんな男に騙されて……
部屋から飛び出ると、エルも丁度出てきていた。エルは裸で、一緒に裸の神官も出てくる……どうやらお楽しみだったようだ……
「なんだよ、このサイレン! 何があったんだ、ヒュレル、何か知らないのか」
「俺もわからないよ……とりあえずアリナに聞きに行こう」
俺はアリナの部屋に向かった……
だけど、アリナの部屋まで行く必要はなかった……大広間に差し掛かったところで、彼女は半裸の状態で、剣を持って走ってきたからだ。
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「なんと、ルーリエや私から逃げたと思ったらもうここに来ていたのか……一緒にいれば、もっと面白いものを見せてあげたのに……」
「ジアーノンさん……いったい……」
俺が呆然としてると、ジアーノンさんの横に、ルーリエが歩いてきた……
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「あら、ヒュレル……お元気そうで……」
その表情は暗く、生気がない……
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「ゼロスか、私の考えは、お前のような下賤の身にはわからないよ」
「そうか……じゃあ、詳細はてめえの体に聞いてやることにするぜ……」
「はははっ……そんなことできるのかな……」
ゼロスがジアーノンの気を引いているすきに、アリナが反対側へと回り込んでいた……
「ジアーノン!」
アリナがそう叫びながら神剣を振るう! だけどジアーノンは表情一つ変えないでその剣を弾いた。
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「ちょっとおかしいぞ……あいつは本当にジアーノンか……」
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