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第3章 公爵令嬢、みんなの胃袋を掴みます
28. 【閑話】胸騒ぎがして
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カミラ達の密会から数時間。
しんと静まり返る王宮の廊下を慎重に進む怪しい集団があった。
全員が白い布で顔を覆っており、誰なのか判断することは出来ない。
「ここで合っているわね?」
何も知らない人に見つかれば、侵入者と思われる姿だ。
もっとも、マリエットの部屋の前に着くまで一切音を立てていないため、誰にも気付かれていない。
けれど、合鍵を使って開錠したところ、カチャっと音が鳴る。
すると護衛が気付いたらしく、ドタドタ複数の足音が聞こえてきた。
「……予定通り誤魔化すわよ」
「ええ」
カミラの合図で、彼女達は空き部屋の前へと移動する。
そして……
「何者だ!」
「素顔を出せ! さもなくば命は無いぞ!」
……駆け付けた護衛達が声を上げると、カミラは顔を覆う布を取り払った。
「侍女のカミラでございます」
「こんな時間に何をしている?」
「肝試しですわ。最近とても暑いので、涼しくなりたかったのです」
「……そうか。気持ちは分かるが、怪しい行動は慎め。同僚を斬りたくはない」
「分かりました」
この場はなんとか乗り切れたものの、騎士は元の場所に戻ろうとしないため、一度開けた鍵を閉め直すことは出来ない。
(閉め忘れと思ってもらえればいいけれど……)
鍵を閉め忘れることはカミラ自身も経験が無いため、怪しまれることは想像するまでもなかった。
だから、今マリエットに勘付かれることを避けるため、一言も発さずに自室へと戻る。
すると、騎士の一人がマリエットの私室の前から離れ、王家が生活している場所へと向かう。
ここは王宮仕えの中でも特別に許可された者しか立ち入れない場所だ。
「テオドール殿下、件の侍女が動きました」
「分かった。しばらくはマリエットも王族だと思って警護するように」
騎士が向かった先はテオドール王太子の私室だ。
テオドールは普段なら眠っている時間だが、胸騒ぎがして目を覚まし、騎士に警戒を命じていた。
(やはり、マリエット嬢に嫌がらせをしていた侍女が動いたか……)
王族が持つスキルを使っても、王宮内に裏切り者は居ないと分かっているため、胸騒ぎがしなければ予想すら出来なかっただろう。
カミラ達はマリエットに敵意を持っていても、王族には忠誠を誓っているままのため、スキルにかからないのだ。
「承知いたしました。殿下はまた眠られますか?」
「ああ。呼び出してすまなかった」
「とんでもございません。これも我々の役目ですので」
護衛が見張っていれば、マリエットに危害を加えられることは無いだろう。
もっとも、公爵令嬢ともなれば内部に裏切り者が居ても対応できるよう教育されているはずで、気配で目を覚ましているに違いない。
それに、牛が相手でも余裕で勝てた令嬢だ。王族を守るための訓練を受けた程度の侍女では、とても相手にならない。
(……マリエット嬢が無事でも、落ち着いて眠れないだろうな。昼までには対策を考えよう)
騎士が去り、テオドールはそんなことを思う。
けれど、今は夜中のため、眠気に抗えずそのまま眠りについた。
しんと静まり返る王宮の廊下を慎重に進む怪しい集団があった。
全員が白い布で顔を覆っており、誰なのか判断することは出来ない。
「ここで合っているわね?」
何も知らない人に見つかれば、侵入者と思われる姿だ。
もっとも、マリエットの部屋の前に着くまで一切音を立てていないため、誰にも気付かれていない。
けれど、合鍵を使って開錠したところ、カチャっと音が鳴る。
すると護衛が気付いたらしく、ドタドタ複数の足音が聞こえてきた。
「……予定通り誤魔化すわよ」
「ええ」
カミラの合図で、彼女達は空き部屋の前へと移動する。
そして……
「何者だ!」
「素顔を出せ! さもなくば命は無いぞ!」
……駆け付けた護衛達が声を上げると、カミラは顔を覆う布を取り払った。
「侍女のカミラでございます」
「こんな時間に何をしている?」
「肝試しですわ。最近とても暑いので、涼しくなりたかったのです」
「……そうか。気持ちは分かるが、怪しい行動は慎め。同僚を斬りたくはない」
「分かりました」
この場はなんとか乗り切れたものの、騎士は元の場所に戻ろうとしないため、一度開けた鍵を閉め直すことは出来ない。
(閉め忘れと思ってもらえればいいけれど……)
鍵を閉め忘れることはカミラ自身も経験が無いため、怪しまれることは想像するまでもなかった。
だから、今マリエットに勘付かれることを避けるため、一言も発さずに自室へと戻る。
すると、騎士の一人がマリエットの私室の前から離れ、王家が生活している場所へと向かう。
ここは王宮仕えの中でも特別に許可された者しか立ち入れない場所だ。
「テオドール殿下、件の侍女が動きました」
「分かった。しばらくはマリエットも王族だと思って警護するように」
騎士が向かった先はテオドール王太子の私室だ。
テオドールは普段なら眠っている時間だが、胸騒ぎがして目を覚まし、騎士に警戒を命じていた。
(やはり、マリエット嬢に嫌がらせをしていた侍女が動いたか……)
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「承知いたしました。殿下はまた眠られますか?」
「ああ。呼び出してすまなかった」
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それに、牛が相手でも余裕で勝てた令嬢だ。王族を守るための訓練を受けた程度の侍女では、とても相手にならない。
(……マリエット嬢が無事でも、落ち着いて眠れないだろうな。昼までには対策を考えよう)
騎士が去り、テオドールはそんなことを思う。
けれど、今は夜中のため、眠気に抗えずそのまま眠りについた。
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