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本編
35. 今更です
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刑の執行からしばらくすると、すっかり雨が上がって青い空が雲の切れ目から見えるようになっていた。
「帰ろうか」
「ええ」
今日はお茶をしたり出来る気分ではないから、アルト様の提案は有り難かった。
けれど、そんな私達の行動を邪魔する人がいた。
「ソフィア嬢、話したいことがある。少し時間をもらえないかな?」
「分かりましたわ……」
もう関わることもないと思っていたケヴィン様だった。
今になって話すことは無いはずなのに……。
「アルト様、少しケヴィン様とお話ししても?」
「ああ」
「ありがとうございます。
ケヴィン様、簡潔にお願いしますわ」
時間を長く取るつもりはないと告げる私。
すると、ケヴィン様はこんなことを口にした。
「婚約破棄をしてしまって申し訳なかった。言い訳にしか聞こえないと思うけど、セレスティアに殺すと脅かされていて、ああするしか手がなかったんだ。
でも、今はもう僕の心臓を止める人はいない。だから……復縁して欲しい」
真っ直ぐ私の目を見るケヴィン様。
でも、今の私には彼と復縁するつもりはない。
「今更そんなことを言われても困りますわ……」
「次は君を離したりはしない。だから考え直して欲しい」
彼は私に執着しているのか、そんなことを言ってくる。
「何故私に相談してくださらなかったのですか? 精神作用の魔法が手紙に書くときには影響しないことは知っていましたよね?
私を信用していなかったのですか?」
婚約破棄される半年くらい前に、闇魔法についての情報は共有していた。
アリスはその情報を活かして私にも助けを求めてくれたけど、彼は何もしなかった。
バルケーヌ公爵家の不正の証拠を集めていたらしいけれど、私に少しでも相談してくれていたら、私が惨めな思いをすることはなかった。
そう思うと、怒りが湧いてくる。
「それは……。
ソフィアに頼っていたら格好が付かないと思って……」
「その自尊心のために私を捨てたのですね。
そんなことをするお方と復縁するだなんて、死んでも御免ですわ」
「本当に申し訳ないと思っている」
頭を下げるケヴィン様。でも、もう私の意思は決まっている。
「新しい出会いがあるといいですわね。
これからは、友人としてお互いに王国のために尽くしましょう」
「本当に申し訳なかった」
今までのような関係にはもう戻れない。
それを分かってくれたのかしら?
項垂れる彼は、もう復縁を迫ってくることは無かった。
過ちに気付いて後悔しているのよね……。
でも、反省することが出来ていればきっと次は失敗しない。
今までのような関係に戻ることは無いから、もう私には関係ないはず。
けれども、反省の色を見せたケヴィン様を影から少しだけ応援しようって思えてしまう私は甘いのかもしれないわね……。
ううん、甘いなんて理由じゃない。
彼が道を踏み外したら、被害に遭うのは私。だから、直感から保身に走っている。
ふと、そのことに気付くことが出来た。
「ケヴィン様、貴方が道を違えなければ辛い思いをしないで済んだのもしれませんね」
「ああ、そう思っているよ。後悔先に立たずとはこのことか」
「話はもう大丈夫ですか?」
「ああ。時間を取らせてくれてありがとう」
話を終えて、アルト様の隣に戻る私。
心配事が1つ消えたお陰で、身体が少し軽くなったように感じていた。
「ケヴィンだっけ? 彼がセレスティアのように道を外さないことを祈るばかりだね」
「そうですわね。でも、反省しているみたいなので大丈夫だと思います」
「ソフィアがそう言うのなら、大丈夫だろう」
不安を誤魔化したくて、恐る恐るアルト様の手を握る私。
「でも、不安ですわ……」
「俺にはソフィアしかいないんだ。だから裏切ることは無い」
彼は優しく握り返してくれた。
「帰ろうか」
「ええ」
今日はお茶をしたり出来る気分ではないから、アルト様の提案は有り難かった。
けれど、そんな私達の行動を邪魔する人がいた。
「ソフィア嬢、話したいことがある。少し時間をもらえないかな?」
「分かりましたわ……」
もう関わることもないと思っていたケヴィン様だった。
今になって話すことは無いはずなのに……。
「アルト様、少しケヴィン様とお話ししても?」
「ああ」
「ありがとうございます。
ケヴィン様、簡潔にお願いしますわ」
時間を長く取るつもりはないと告げる私。
すると、ケヴィン様はこんなことを口にした。
「婚約破棄をしてしまって申し訳なかった。言い訳にしか聞こえないと思うけど、セレスティアに殺すと脅かされていて、ああするしか手がなかったんだ。
でも、今はもう僕の心臓を止める人はいない。だから……復縁して欲しい」
真っ直ぐ私の目を見るケヴィン様。
でも、今の私には彼と復縁するつもりはない。
「今更そんなことを言われても困りますわ……」
「次は君を離したりはしない。だから考え直して欲しい」
彼は私に執着しているのか、そんなことを言ってくる。
「何故私に相談してくださらなかったのですか? 精神作用の魔法が手紙に書くときには影響しないことは知っていましたよね?
私を信用していなかったのですか?」
婚約破棄される半年くらい前に、闇魔法についての情報は共有していた。
アリスはその情報を活かして私にも助けを求めてくれたけど、彼は何もしなかった。
バルケーヌ公爵家の不正の証拠を集めていたらしいけれど、私に少しでも相談してくれていたら、私が惨めな思いをすることはなかった。
そう思うと、怒りが湧いてくる。
「それは……。
ソフィアに頼っていたら格好が付かないと思って……」
「その自尊心のために私を捨てたのですね。
そんなことをするお方と復縁するだなんて、死んでも御免ですわ」
「本当に申し訳ないと思っている」
頭を下げるケヴィン様。でも、もう私の意思は決まっている。
「新しい出会いがあるといいですわね。
これからは、友人としてお互いに王国のために尽くしましょう」
「本当に申し訳なかった」
今までのような関係にはもう戻れない。
それを分かってくれたのかしら?
項垂れる彼は、もう復縁を迫ってくることは無かった。
過ちに気付いて後悔しているのよね……。
でも、反省することが出来ていればきっと次は失敗しない。
今までのような関係に戻ることは無いから、もう私には関係ないはず。
けれども、反省の色を見せたケヴィン様を影から少しだけ応援しようって思えてしまう私は甘いのかもしれないわね……。
ううん、甘いなんて理由じゃない。
彼が道を踏み外したら、被害に遭うのは私。だから、直感から保身に走っている。
ふと、そのことに気付くことが出来た。
「ケヴィン様、貴方が道を違えなければ辛い思いをしないで済んだのもしれませんね」
「ああ、そう思っているよ。後悔先に立たずとはこのことか」
「話はもう大丈夫ですか?」
「ああ。時間を取らせてくれてありがとう」
話を終えて、アルト様の隣に戻る私。
心配事が1つ消えたお陰で、身体が少し軽くなったように感じていた。
「ケヴィンだっけ? 彼がセレスティアのように道を外さないことを祈るばかりだね」
「そうですわね。でも、反省しているみたいなので大丈夫だと思います」
「ソフィアがそう言うのなら、大丈夫だろう」
不安を誤魔化したくて、恐る恐るアルト様の手を握る私。
「でも、不安ですわ……」
「俺にはソフィアしかいないんだ。だから裏切ることは無い」
彼は優しく握り返してくれた。
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