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本編
36. 後悔しても ※ケヴィンside
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「逆らえば誰にも気付かれずに殺すことも出来ますのよ?」
心臓が締め付けられるような痛みに襲われる中、そんな脅しを受けた記憶は今も消えていない。
ケヴィン・パールレスはの人生はその脅しを受けた日から狂ってしまった。
「誰かに相談したら、命は無いと思いなさい」
セレスティア・バルケーヌの人の心を持っているとは思えない醜い脅しによって。
彼の婚約者だったソフィア・キーグレスに相談していれば、また違った結果になっていただろう。
魔法の力では公爵家をも差し置いて、右に出る者はいないと言われているキーグレス家の令嬢なのだから。
だが、ケヴィンはその選択をしなかった。
婚約者に弱いところを見せたくないという自分勝手な理由で。
そんなわけで、最初はセレスティアの言いなりになり、脅しに屈したフリをしていた。
(ソフィアには申し訳ないが、あの女を追い詰めるまで待っていてくれ……)
ソフィアに伝えるべきことを心の内に留めたまま、ケヴィンはセレスティアが犯した犯罪を探した。
けれども、それだけでは足りないと気付き、バルケーヌ公爵家の不正を暴くことを目指した。
「貴女と話がしたい。今度、そちらに伺ってもいいだろうか?」
「もちろん宜しくってよ」
ソフィアを追い詰めようとしているセレスティアを利用して、公爵邸に立ち入ることに成功した。
そこからは難しいものはなかった。
すぐに話に飽きるセレスティアの目を盗んでは不正の証拠になりそうなものを漁り、自らの侯爵邸に持ち帰った。
(公爵家の警備がこれでいいのか……? まあ、僕にとっては都合がいいけど、泳がされてる可能性も……)
そんな懸念はあったものの、公爵家が動くことは無かった。
だから、ある日の昼下がりに、馬車いっぱいの公爵家の不正の証拠を王城に持ち込んだ。
「証拠は揃った。これであの女が断罪されれば、ソフィアと話せる……」
そう独り言ちる彼の目論見は途中まで成功していた。
セレスティアの処刑という結果によって。
けれども、その後は何もうまくいかなかった。
「婚約破棄をしてしまって申し訳なかった。言い訳にしか聞こえないと思うけど、セレスティアに殺すと脅かされていて、ああするしか手がなかったんだ。
でも、今はもう僕の心臓を止める人はいない。だから……復縁して欲しい」
頭を下げながらの言葉だったけれども、ソフィアが快く受け入れることは無かった。
「今更そんなことを言われても困りますわ……」
「次は君を離したりはしない。だから考え直して欲しい」
自らのため、彼女を手放すわけにはいかない。
だから言葉を変えて訴える。
「何故私に相談してくださらなかったのですか? 精神作用の魔法が手紙に書くときには影響しないことは知っていましたよね?
私を信用していなかったのですか?」
「それは……。
ソフィアに頼っていたら格好が付かないと思って……」
「その自尊心のために私を捨てたのですね。
そんなことをするお方と復縁するだなんて、死んでも御免ですわ」
「本当に申し訳ないと思っている」
深々と頭を下げても、ソフィアの意思が変わることは無かった。
そして……。
「新しい出会いがあるといいですわね。
これからは、友人としてお互いに王国のために尽くしましょう」
その言葉を聞いて、全てを悟った。
今までのような関係にはもう戻れない。
後悔してもしきれなかった。
もう何もかもが手遅れで、失意のまま家路につく彼に声をかける者はいなかった。
ケヴィンの苦難はそれで終わりではなかった。
侯爵家の跡取りとして、次の婚約者を探す必要がある。
幸いにも見目は整っているため、恋文は定期的に送られてきている。
けれども、ソフィアのように心から信用できる人は、二度と現れなかった。
心臓が締め付けられるような痛みに襲われる中、そんな脅しを受けた記憶は今も消えていない。
ケヴィン・パールレスはの人生はその脅しを受けた日から狂ってしまった。
「誰かに相談したら、命は無いと思いなさい」
セレスティア・バルケーヌの人の心を持っているとは思えない醜い脅しによって。
彼の婚約者だったソフィア・キーグレスに相談していれば、また違った結果になっていただろう。
魔法の力では公爵家をも差し置いて、右に出る者はいないと言われているキーグレス家の令嬢なのだから。
だが、ケヴィンはその選択をしなかった。
婚約者に弱いところを見せたくないという自分勝手な理由で。
そんなわけで、最初はセレスティアの言いなりになり、脅しに屈したフリをしていた。
(ソフィアには申し訳ないが、あの女を追い詰めるまで待っていてくれ……)
ソフィアに伝えるべきことを心の内に留めたまま、ケヴィンはセレスティアが犯した犯罪を探した。
けれども、それだけでは足りないと気付き、バルケーヌ公爵家の不正を暴くことを目指した。
「貴女と話がしたい。今度、そちらに伺ってもいいだろうか?」
「もちろん宜しくってよ」
ソフィアを追い詰めようとしているセレスティアを利用して、公爵邸に立ち入ることに成功した。
そこからは難しいものはなかった。
すぐに話に飽きるセレスティアの目を盗んでは不正の証拠になりそうなものを漁り、自らの侯爵邸に持ち帰った。
(公爵家の警備がこれでいいのか……? まあ、僕にとっては都合がいいけど、泳がされてる可能性も……)
そんな懸念はあったものの、公爵家が動くことは無かった。
だから、ある日の昼下がりに、馬車いっぱいの公爵家の不正の証拠を王城に持ち込んだ。
「証拠は揃った。これであの女が断罪されれば、ソフィアと話せる……」
そう独り言ちる彼の目論見は途中まで成功していた。
セレスティアの処刑という結果によって。
けれども、その後は何もうまくいかなかった。
「婚約破棄をしてしまって申し訳なかった。言い訳にしか聞こえないと思うけど、セレスティアに殺すと脅かされていて、ああするしか手がなかったんだ。
でも、今はもう僕の心臓を止める人はいない。だから……復縁して欲しい」
頭を下げながらの言葉だったけれども、ソフィアが快く受け入れることは無かった。
「今更そんなことを言われても困りますわ……」
「次は君を離したりはしない。だから考え直して欲しい」
自らのため、彼女を手放すわけにはいかない。
だから言葉を変えて訴える。
「何故私に相談してくださらなかったのですか? 精神作用の魔法が手紙に書くときには影響しないことは知っていましたよね?
私を信用していなかったのですか?」
「それは……。
ソフィアに頼っていたら格好が付かないと思って……」
「その自尊心のために私を捨てたのですね。
そんなことをするお方と復縁するだなんて、死んでも御免ですわ」
「本当に申し訳ないと思っている」
深々と頭を下げても、ソフィアの意思が変わることは無かった。
そして……。
「新しい出会いがあるといいですわね。
これからは、友人としてお互いに王国のために尽くしましょう」
その言葉を聞いて、全てを悟った。
今までのような関係にはもう戻れない。
後悔してもしきれなかった。
もう何もかもが手遅れで、失意のまま家路につく彼に声をかける者はいなかった。
ケヴィンの苦難はそれで終わりではなかった。
侯爵家の跡取りとして、次の婚約者を探す必要がある。
幸いにも見目は整っているため、恋文は定期的に送られてきている。
けれども、ソフィアのように心から信用できる人は、二度と現れなかった。
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