6 / 9
二人の出会い4
しおりを挟む
それから1週間が経って、春休み終わりに近づいたある日、アラームをしっかり切って、寝ていた俺とその隣で俺が起こさないことをいいことにぐっすり俺の腕を抱き枕の代わりにしている寝ている咲。そんな静寂に包まれた部屋に1人、白いワンピースに白のハンドバッグ。身の回りを白一色に固めた透き通るような銀髪を腰あたりまで伸ばした綺麗な女性が優羽のアパートに向かって歩いていた。
ピーンポーン ピンポーン
チャイムが鳴った。俺はまだ半分寝ている状態で枕元に置いているスマホを探す。あ、あった。幸いスマホはすぐに見つかった。たまに、寝落ちした時とか朝からパニックだからな?(笑)まあ、それは置いといて、誰だよこんな朝早くに来るやつは。そう思いながらスマホの画面の時計を見る。画面に表示された時間は9時50分。もう少しで10時になろうとしていた。
「まだ朝の10時じゃないか」
俺が時間を確認している間も数秒おきにチャイムがなっているのだが、どうしたものか。チラリと隣を見ると、咲がぐっすり寝ていた。すごいなと少し感心しつつ。また、別のとこではこの状況をどうするか考えて、よし、と気合を入れて、
ーーーーーーテレビの前に置いていたイヤホンを手に取ったーーーーーー
そのまま、スマホのイヤホンジャックに差し込み、ゲームミュージックのメドレーを流す。イヤホンからゆったりとした睡魔を誘うメロディーが流れてくる。そして、耳にはめようとした時、玄関の方でドアの鍵がガチャりと音を立てて空いた。
(まさかの合鍵持ち・・・だと・・・?だが、合鍵を持っているということは大体誰なのか絞れたな・・・・・・)
さぁ、寝るか。俺はイヤホンをはめ、布団に入った。
ガチャ、ギィィィ、バタン、
玄関の戸が開き、誰かが部屋に入ってきた(まぁ、予想はつくけど)。その入ってきた誰かは、俺の足元まで来ると、止まり、いきなり布団の中に入ってきた。
(なっ!?)
流石にこれはやりすぎだろ、俺はたまりかねてかけていた布団をめくった。そして、俺の隣にいたのは、
銀髪の凄く可愛い女の子だった
「はぁ、何をやってるんだ。お前は、雪」
「あ、ゆっくん、おはよ?」
「何がおはようだ!!まったく・・・」
こいつは、結城雪菜。俺と同い年の20歳で、従兄弟で、幼馴染みで、仕事仲間で、美人で、あとは男子ということだな。俺は雪と呼んでいる。他には・・・・・・
「恋人♪」
・・・・・・はぁぁぁ!?
「お、お前。何言ってんだ!?いや、そんなことより地の文に入ってくるなよ!」
いきなりこいつは何を言い出してるんだ、俺は男子を、好きになる特殊な性癖はない!!
「えぇ~いいじゃん。僕とゆっくんの仲だよ?」
いや、一体どんな仲だよ。
「いや、ダメだ!これだけは渡せん!お前の仕事はイラストを描くことだろ!!」
そう、こいつは、うちの編集部といううか、ラノベ業界では知らない人はいないと言われるイラストレーターなのだ。女装癖も合わせて有名なのだが。だから、何故か男の娘として通っている。それに、親戚以外ではこいつの男の時の姿は見たことがない。
「うぅ、わかったよ・・・じゃあ、恋人だけにしてあげる・・・」
「いやいや、まてま―――」
「パパ・・・?どうしたんですか、大きな声出して・・・」
げっ、咲起こしちゃった。これはまずい、非常にまずいぞ。どうする!?どうしたらいい!?
咲は俺が内心で焦っているとはつゆ知らず、寝ぼけ眼で辺りを見渡している。ふむ、どうやら俺の大声の原因を探しているようだ。いや、何冷静に分析してるんだよ、俺は。
そして、その視線がとうとうというか必然的に俺の隣に座っていた雪を捉えた。咲が雪を見つけたと同時に雪も咲を見ていた。まぁ、目が合ったんだね。あ、やばい、荒れるかも・・・。
2人は、
「えっ、あ、どう、」
と声にならない声が漏れている。
これは、逃げた方がいいかな。俺はそう思いトイレに逃げようと立ち上がっり歩きだそうとした時、
ヒシ ヒシ
右腕を雪に、左腕を咲につかまれた。
「「パパ(ゆっくん)」」
2人の優しい声が後ろから聞こえてきた。俺は背中に冷たい汗を感じながら振り返って一言、
「はい・・・説明いたします・・・」
とだけしか言えなかった。とほほ、情けない俺。
咲のことを説明し終わると、雪は安心したように、
「ふ~ん、そういうことなんだ。焦って損しちゃった」
「ん、何故お前が焦るんだ?」
「てっきり、相手がいるのかと……ポッ」
「いや、お前、男だろ!」
「えっ!?」
俺の発言と同時に咲が驚きの声を上げた。
「雪菜さんって、女性じゃなくて男性なんですか!?えっ、だって、その髪にその格好・・・・・・」
まぁ、そうだよな、と思いながらも改めて雪の格好を見る。雪は名前に雪と入っていることもあり、大のしろずきなのだ。だからなのか、髪は白(まぁ、シルバーだが)で染め、服はなんと!白のワンピースなのだ・・・・・・男は普通着ないものだろ・・・・・・まぁ、可愛いんだけどな。と、ここで雪が俺の視線に気づいたようでニコッと微笑んできた。はぁ、と俺は頭を抱えながらも、まだ俺の隣で通常運転に戻れていない咲を助けることにした。雪はこの際放置!
「咲、少しは理解追いついてきたか?まぁ、これから慣れてくれよ」
やはり、この反応が普通なんだよな・・・・・・アリスは普通に接していたのに。ま、いっか。
「はい・・・・・・」
なんか、いま、デジャヴったような気が。
ピーンポーン ピンポーン
チャイムが鳴った。俺はまだ半分寝ている状態で枕元に置いているスマホを探す。あ、あった。幸いスマホはすぐに見つかった。たまに、寝落ちした時とか朝からパニックだからな?(笑)まあ、それは置いといて、誰だよこんな朝早くに来るやつは。そう思いながらスマホの画面の時計を見る。画面に表示された時間は9時50分。もう少しで10時になろうとしていた。
「まだ朝の10時じゃないか」
俺が時間を確認している間も数秒おきにチャイムがなっているのだが、どうしたものか。チラリと隣を見ると、咲がぐっすり寝ていた。すごいなと少し感心しつつ。また、別のとこではこの状況をどうするか考えて、よし、と気合を入れて、
ーーーーーーテレビの前に置いていたイヤホンを手に取ったーーーーーー
そのまま、スマホのイヤホンジャックに差し込み、ゲームミュージックのメドレーを流す。イヤホンからゆったりとした睡魔を誘うメロディーが流れてくる。そして、耳にはめようとした時、玄関の方でドアの鍵がガチャりと音を立てて空いた。
(まさかの合鍵持ち・・・だと・・・?だが、合鍵を持っているということは大体誰なのか絞れたな・・・・・・)
さぁ、寝るか。俺はイヤホンをはめ、布団に入った。
ガチャ、ギィィィ、バタン、
玄関の戸が開き、誰かが部屋に入ってきた(まぁ、予想はつくけど)。その入ってきた誰かは、俺の足元まで来ると、止まり、いきなり布団の中に入ってきた。
(なっ!?)
流石にこれはやりすぎだろ、俺はたまりかねてかけていた布団をめくった。そして、俺の隣にいたのは、
銀髪の凄く可愛い女の子だった
「はぁ、何をやってるんだ。お前は、雪」
「あ、ゆっくん、おはよ?」
「何がおはようだ!!まったく・・・」
こいつは、結城雪菜。俺と同い年の20歳で、従兄弟で、幼馴染みで、仕事仲間で、美人で、あとは男子ということだな。俺は雪と呼んでいる。他には・・・・・・
「恋人♪」
・・・・・・はぁぁぁ!?
「お、お前。何言ってんだ!?いや、そんなことより地の文に入ってくるなよ!」
いきなりこいつは何を言い出してるんだ、俺は男子を、好きになる特殊な性癖はない!!
「えぇ~いいじゃん。僕とゆっくんの仲だよ?」
いや、一体どんな仲だよ。
「いや、ダメだ!これだけは渡せん!お前の仕事はイラストを描くことだろ!!」
そう、こいつは、うちの編集部といううか、ラノベ業界では知らない人はいないと言われるイラストレーターなのだ。女装癖も合わせて有名なのだが。だから、何故か男の娘として通っている。それに、親戚以外ではこいつの男の時の姿は見たことがない。
「うぅ、わかったよ・・・じゃあ、恋人だけにしてあげる・・・」
「いやいや、まてま―――」
「パパ・・・?どうしたんですか、大きな声出して・・・」
げっ、咲起こしちゃった。これはまずい、非常にまずいぞ。どうする!?どうしたらいい!?
咲は俺が内心で焦っているとはつゆ知らず、寝ぼけ眼で辺りを見渡している。ふむ、どうやら俺の大声の原因を探しているようだ。いや、何冷静に分析してるんだよ、俺は。
そして、その視線がとうとうというか必然的に俺の隣に座っていた雪を捉えた。咲が雪を見つけたと同時に雪も咲を見ていた。まぁ、目が合ったんだね。あ、やばい、荒れるかも・・・。
2人は、
「えっ、あ、どう、」
と声にならない声が漏れている。
これは、逃げた方がいいかな。俺はそう思いトイレに逃げようと立ち上がっり歩きだそうとした時、
ヒシ ヒシ
右腕を雪に、左腕を咲につかまれた。
「「パパ(ゆっくん)」」
2人の優しい声が後ろから聞こえてきた。俺は背中に冷たい汗を感じながら振り返って一言、
「はい・・・説明いたします・・・」
とだけしか言えなかった。とほほ、情けない俺。
咲のことを説明し終わると、雪は安心したように、
「ふ~ん、そういうことなんだ。焦って損しちゃった」
「ん、何故お前が焦るんだ?」
「てっきり、相手がいるのかと……ポッ」
「いや、お前、男だろ!」
「えっ!?」
俺の発言と同時に咲が驚きの声を上げた。
「雪菜さんって、女性じゃなくて男性なんですか!?えっ、だって、その髪にその格好・・・・・・」
まぁ、そうだよな、と思いながらも改めて雪の格好を見る。雪は名前に雪と入っていることもあり、大のしろずきなのだ。だからなのか、髪は白(まぁ、シルバーだが)で染め、服はなんと!白のワンピースなのだ・・・・・・男は普通着ないものだろ・・・・・・まぁ、可愛いんだけどな。と、ここで雪が俺の視線に気づいたようでニコッと微笑んできた。はぁ、と俺は頭を抱えながらも、まだ俺の隣で通常運転に戻れていない咲を助けることにした。雪はこの際放置!
「咲、少しは理解追いついてきたか?まぁ、これから慣れてくれよ」
やはり、この反応が普通なんだよな・・・・・・アリスは普通に接していたのに。ま、いっか。
「はい・・・・・・」
なんか、いま、デジャヴったような気が。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる