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俺のかわいい幼馴染さま
② R-18
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普通ラットといえば獣になり果てて、目の前のΩを狩る事以外考えられなくなるものだ。
泣こうが喚こうが関係ない。ただ目の前の獲物を捕らえ蹂躙し、果てはその項に牙を立てる。
それがαでそれがラットだ。
俺は今確かにラットを起こしている。その証拠に身体の奥の奥からふつふつと湧き上がる物があり、自分では制御の難しい獣が暴れ狂っていて、頭の中では誰かの『目の前の獲物を蹂躙しろ!』という声だけが鳴り響く。だけど俺はαだけど桜花のαなのだ。桜花を蔑ろにしてただその行為だけをしたいわけじゃない。
自分の中の獣をなんとか飼いならそうとぐっと唇を噛む。獣のままで桜花を抱きたくない。
口の中に広がる鉄の錆びたような味に眉間に皺が寄る。
今まで散々傷つけてきた桜花。もうこれ以上は――――と思うのにもうひとつ……あるのだから。
だからこそ大事に大事に人間の俺のまま抱いて、この気持ちを伝えたい。
好き、愛してる。誰よりも桜花の事だけ愛してる。
「桜花、桜花好き。好きだよ。愛してる。桜花を誰にも取られたくない。噛みたい……桜花……」
段々早くなる腰使い。桜花はもう嬌声以外言葉を発する事ができず、ただ俺を求めて鳴いた。
そんな中でも俺の『噛みたい』という言葉には反応を見せた。
Ωとしての本能だろうか。
「はるかぁ――!かんでぇ――っ!遥遥っ好きや、好きやぁあああ!」
俺は繋がったまま桜花をひっくり返すとその項にキスをしペロリと舐めた。
びくんと大きく震える桜花。
更に早くなる律動。汗だくになりながら激しく腰を打ち付けた。
最後に桜花の奥の奥に白濁した熱を注ぎ入れ、桜花の白く細い項に牙をたてつぷり。肌を破り深く深く沈みこませた。
口の中に広がる味は甘い甘い甘露。
ああ、これで桜花は俺だけのもの……。桜花、愛してる。
「ああああああああああっ!!!」
桜花は絶叫し、何度目かの熱をまき散らしながらぴくぴくと痙攣し、そのまま意識を手放した。
俺は自身の熱を出し切り桜花の中から中心を抜き取ると、桜花の額にかかる髪をそっとよけてキスをひとつ落とした。そして部屋に置かれたタライに湯を張り、湯で濡らしたタオルで桜花の身体をくまなく綺麗にしていく。
我ながらやりすぎたと思わなくもないが、愛しい番の全身を埋め尽くす赤い花を見て満足げに微笑んだ。
そしてすぐにハッとする。ラットに呑まれる事がなくてもこうなのだから、本当にαというやつはΩに甘える小さな子どもみたいだ――。
と苦笑をひとつ漏らし、前もって用意されていた着替えを桜花に着せると、アレがありそうな棚を探った。
――あった……。
一瞬だけ躊躇いそれを手に取った。
「桜花……桜花ごめん少しだけ起きて?」
「ん――どない、した……ん?」
激しいセックスによる疲労でぼーっとしているようだった。
俺は片手に水の入ったペットボトルとともにそれを桜花の前に差し出して見せた。
桜花はぼんやりとそれを見て、一瞬だけ大きく目を見開いた。
「――――これ……」
問うように俺の事を見る桜花に俺は静かに答えた。
「緊急避妊薬……」
「――なぁ、訊いてもええ?コレは今だけの事やないんやな?」
桜花の問いにこくりと頷く。
「俺、昔酷い事したって一度だけ言った事あるだろう?」
「楓って子とその婚約者さんにやったな?」
「うん。俺のせいでふたりは別れたんだ。なのに俺だけが幸せになんかなれない。だけど桜花とは一緒に居たいし、もう手放すなんて事できないんだ。だけど……これ以上は――。だから……ごめん桜花。ごめんな……」
これが桜花にする最後で最悪なひどい事。
桜花は子どもが好きだ。ましてや愛する番との子なら何を置いても欲しいと思っているはず。
だけど俺は自分の我儘でそれを諦めてくれと言っているのだ。
「――ええよ。僕は遥君がおったらええねん。それだけで充分幸せや」
そう言うと俺の手から薬を摘まみ上げごくりと飲んだ。
そして笑ったんだ。
ああ、こんな風に笑わせたくはなかったのに――。
桜花。いつも桜花はどんな気持ちで俺の傍に居たんだろう。何度その涙を笑顔で隠したんだろう。
大好きな人が自分じゃない誰かを愛するその姿をずっと傍で見てきた。いや、俺が見させてきた。楓への後悔も懺悔も全ては楓への愛だから。そんな俺を見ていて傷つかなかったはずがない。それなのにまだこんな事を強いている。
桜花、本当にごめん。俺は桜花にずっと甘えて来たんだ。今思えば最初に桜花に出会った時に感じた胸のざわめき。あれは桜花の事が好きだったからだったんだ。だけど俺は楓の事が好きだったから。桜花へ感じた想いが楓へのものと違っていたから、だから気づけなかった――。
俺は我儘ばかりで桜花につらい想いばかりさせてきた。
これからは幸せだって思ってもらえるように頑張るから、俺と番になった事を後悔させたりしないから。だからずっと傍にいて。そして愛させて?
こんな俺の事を好きでいてくれてありがとう。
愛する番をそっと抱きしめ、ふたり静かに涙を流した。
*****
その後、ヒートが終わる頃になってあの男に殴られた怪我が痛み始めた。それでもゆっくり寝ている事はできなくて、痛む身体を引き摺って桜花と二人桜花の両親とうちの両親に謝って、番になった報告と結婚させて欲しいと頭を下げた。
うちの両親も一緒になって桜花の両親に頭を下げてくれた。
桜花の両親は何かを言いたそうにしていたけど、桜花の幸せそうな顔を見て渋々ながらも許してくれた。
泣こうが喚こうが関係ない。ただ目の前の獲物を捕らえ蹂躙し、果てはその項に牙を立てる。
それがαでそれがラットだ。
俺は今確かにラットを起こしている。その証拠に身体の奥の奥からふつふつと湧き上がる物があり、自分では制御の難しい獣が暴れ狂っていて、頭の中では誰かの『目の前の獲物を蹂躙しろ!』という声だけが鳴り響く。だけど俺はαだけど桜花のαなのだ。桜花を蔑ろにしてただその行為だけをしたいわけじゃない。
自分の中の獣をなんとか飼いならそうとぐっと唇を噛む。獣のままで桜花を抱きたくない。
口の中に広がる鉄の錆びたような味に眉間に皺が寄る。
今まで散々傷つけてきた桜花。もうこれ以上は――――と思うのにもうひとつ……あるのだから。
だからこそ大事に大事に人間の俺のまま抱いて、この気持ちを伝えたい。
好き、愛してる。誰よりも桜花の事だけ愛してる。
「桜花、桜花好き。好きだよ。愛してる。桜花を誰にも取られたくない。噛みたい……桜花……」
段々早くなる腰使い。桜花はもう嬌声以外言葉を発する事ができず、ただ俺を求めて鳴いた。
そんな中でも俺の『噛みたい』という言葉には反応を見せた。
Ωとしての本能だろうか。
「はるかぁ――!かんでぇ――っ!遥遥っ好きや、好きやぁあああ!」
俺は繋がったまま桜花をひっくり返すとその項にキスをしペロリと舐めた。
びくんと大きく震える桜花。
更に早くなる律動。汗だくになりながら激しく腰を打ち付けた。
最後に桜花の奥の奥に白濁した熱を注ぎ入れ、桜花の白く細い項に牙をたてつぷり。肌を破り深く深く沈みこませた。
口の中に広がる味は甘い甘い甘露。
ああ、これで桜花は俺だけのもの……。桜花、愛してる。
「ああああああああああっ!!!」
桜花は絶叫し、何度目かの熱をまき散らしながらぴくぴくと痙攣し、そのまま意識を手放した。
俺は自身の熱を出し切り桜花の中から中心を抜き取ると、桜花の額にかかる髪をそっとよけてキスをひとつ落とした。そして部屋に置かれたタライに湯を張り、湯で濡らしたタオルで桜花の身体をくまなく綺麗にしていく。
我ながらやりすぎたと思わなくもないが、愛しい番の全身を埋め尽くす赤い花を見て満足げに微笑んだ。
そしてすぐにハッとする。ラットに呑まれる事がなくてもこうなのだから、本当にαというやつはΩに甘える小さな子どもみたいだ――。
と苦笑をひとつ漏らし、前もって用意されていた着替えを桜花に着せると、アレがありそうな棚を探った。
――あった……。
一瞬だけ躊躇いそれを手に取った。
「桜花……桜花ごめん少しだけ起きて?」
「ん――どない、した……ん?」
激しいセックスによる疲労でぼーっとしているようだった。
俺は片手に水の入ったペットボトルとともにそれを桜花の前に差し出して見せた。
桜花はぼんやりとそれを見て、一瞬だけ大きく目を見開いた。
「――――これ……」
問うように俺の事を見る桜花に俺は静かに答えた。
「緊急避妊薬……」
「――なぁ、訊いてもええ?コレは今だけの事やないんやな?」
桜花の問いにこくりと頷く。
「俺、昔酷い事したって一度だけ言った事あるだろう?」
「楓って子とその婚約者さんにやったな?」
「うん。俺のせいでふたりは別れたんだ。なのに俺だけが幸せになんかなれない。だけど桜花とは一緒に居たいし、もう手放すなんて事できないんだ。だけど……これ以上は――。だから……ごめん桜花。ごめんな……」
これが桜花にする最後で最悪なひどい事。
桜花は子どもが好きだ。ましてや愛する番との子なら何を置いても欲しいと思っているはず。
だけど俺は自分の我儘でそれを諦めてくれと言っているのだ。
「――ええよ。僕は遥君がおったらええねん。それだけで充分幸せや」
そう言うと俺の手から薬を摘まみ上げごくりと飲んだ。
そして笑ったんだ。
ああ、こんな風に笑わせたくはなかったのに――。
桜花。いつも桜花はどんな気持ちで俺の傍に居たんだろう。何度その涙を笑顔で隠したんだろう。
大好きな人が自分じゃない誰かを愛するその姿をずっと傍で見てきた。いや、俺が見させてきた。楓への後悔も懺悔も全ては楓への愛だから。そんな俺を見ていて傷つかなかったはずがない。それなのにまだこんな事を強いている。
桜花、本当にごめん。俺は桜花にずっと甘えて来たんだ。今思えば最初に桜花に出会った時に感じた胸のざわめき。あれは桜花の事が好きだったからだったんだ。だけど俺は楓の事が好きだったから。桜花へ感じた想いが楓へのものと違っていたから、だから気づけなかった――。
俺は我儘ばかりで桜花につらい想いばかりさせてきた。
これからは幸せだって思ってもらえるように頑張るから、俺と番になった事を後悔させたりしないから。だからずっと傍にいて。そして愛させて?
こんな俺の事を好きでいてくれてありがとう。
愛する番をそっと抱きしめ、ふたり静かに涙を流した。
*****
その後、ヒートが終わる頃になってあの男に殴られた怪我が痛み始めた。それでもゆっくり寝ている事はできなくて、痛む身体を引き摺って桜花と二人桜花の両親とうちの両親に謝って、番になった報告と結婚させて欲しいと頭を下げた。
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桜花の両親は何かを言いたそうにしていたけど、桜花の幸せそうな顔を見て渋々ながらも許してくれた。
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