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俺のかわいい幼馴染さま
幼馴染さま 番外編1 キミを想う @道隆
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今、俺の目の前にはあいつがいてる。
俺から桜花をかっ攫った男、一条 遥や。
あの日、俺は昔から番にと決めていた桜花を目の前で奪われた。
別に婚約者やったんとちゃう。ただ、俺がそう決めとっただけやねんけどな。
俺と桜花は従兄弟で、初めて会ったんは桜花が生まれてすぐやった。
俺は16歳。高校に入ったばっかで暇しとっただけで別に子ども好きとかちゃうかったけど、桜花ん家はお隣りやったし従兄弟やしで顔だけでもみとこかなと行ってん。生れたばっかの桜花を見た時、「なんやこのお猿みたいなんは」と盛大に眉を顰めたんを覚えてる。
それが日に日に可愛く人間になっていくんやから、それを見るのが楽しくて学校が終わると友だちとも遊ばんと、なんなら家にも帰らんと桜花の家に行っとってん。
気がついたら親みたいに桜花の成長を見守っとった。
可愛くて可愛くてしょうがなかったからなぁ。
それがいつやったか、泣きはらした目の桜花を見たんや。
いくらワケを訊いてみても答えてはくれへんかってん。
ただ必死に何かに耐えとぅみたいに笑うねん。
俺は桜花の笑顔が好きやった。でも、こんな笑顔は嫌いや。
何が桜花をこんな風にさせたんか、そのわけを調べた。
こいつ、一条 遥が原因やった。
可愛い桜花を盛大にフったんやと。許せるか?
腸が煮えくり返ったわ。
『俺やったら泣かしたりせーへんのに。桜花を大事に大事に愛するのに』って。
そう考えて、びっくりした。
年齢なりにそれなりの経験はある。恋愛もセックスも。
でも燃えるようなそれでいて甘い想いは終ぞ抱いた事なんかなかった。
それでその時初めて気がついたんや。ああ、そうやったんや。俺は桜花の事が好きやったんや。ずーっとずーっとそれこそ初めて会った時から……。
我ながら鈍すぎやと思うけど、なんせ相手は生まれたばっかの赤ん坊やったんやからしゃーないやん。
「ロリコンとちゃうで」
なんて誰も聞いてへんのに呟いとったわ。
それから俺は適当な付き合いやめて、ただひたすら桜花を見守った。
桜花はこいつの事が好きや。それはフラれた後も変わらへんかったけど、こいつはいらんて言いよった。
そんなら俺が貰う。桜花が16歳になったら俺が番って大事にするんや。そう密かに決めた。
そして、桜花が16歳になってあえてお見合いという形をとってもらった。
俺らは従兄弟やし、桜花が生まれてからずっと一緒におったから、どこかで仕切りなおさな桜花が俺の事ちゃんと見てくれへんかと思って。
それが間違っとった。何度も何度も考えてまう。
あの時、さっさと番っとったら。
あの時、扉を開けへんかったら。
あの時、――桜花の涙を見ぃひんかったら…………。
今更や。桜花が選んだんはこの目の前の男やったんやから。
俺がなんぼ想うてもダメやったんやから。
それなら俺は桜花の頼りになる従兄弟に戻るだけや。そんだけの話。
そんな事を思うとったら、一条はがばりと土下座してん。
「三条さん! 本当に申し訳ありませんでしたっ!」
「……」
俺は何も答えんと一条をただ見下ろした。
「桜花に聞きました! 三条さんは本当の兄のように桜花が小さい頃から見守って、大事にしてくれたとか。これからもどうか桜花を兄として見守ってはいただけないでしょうか!」
その言葉にこいつが色んな……俺の想いにも気づいてるかもしれへん思った。
謝罪してるようで一丁前に牽制してきた。
「ぶはっははははははっ!」
俺は声をあげて笑ってもうたわ。
「まぁ別にいーけどな。兄として見守らせてもらうわ。でもな、こないだも言うたみたいに次はないで?次桜花を泣かせるような事があったら、その時は容赦せーへんで。生まれてきた事後悔させたる。覚えとくねんで」
「はいっ!」
顔を上げて何の迷いもない返事やった。こいつの……一条の顔はちゃんと男で、桜花を守る男の顔やった。
生意気や。ほんま生意気。
俺は目を細め、ビールを一気に煽った。
-おわり-
俺から桜花をかっ攫った男、一条 遥や。
あの日、俺は昔から番にと決めていた桜花を目の前で奪われた。
別に婚約者やったんとちゃう。ただ、俺がそう決めとっただけやねんけどな。
俺と桜花は従兄弟で、初めて会ったんは桜花が生まれてすぐやった。
俺は16歳。高校に入ったばっかで暇しとっただけで別に子ども好きとかちゃうかったけど、桜花ん家はお隣りやったし従兄弟やしで顔だけでもみとこかなと行ってん。生れたばっかの桜花を見た時、「なんやこのお猿みたいなんは」と盛大に眉を顰めたんを覚えてる。
それが日に日に可愛く人間になっていくんやから、それを見るのが楽しくて学校が終わると友だちとも遊ばんと、なんなら家にも帰らんと桜花の家に行っとってん。
気がついたら親みたいに桜花の成長を見守っとった。
可愛くて可愛くてしょうがなかったからなぁ。
それがいつやったか、泣きはらした目の桜花を見たんや。
いくらワケを訊いてみても答えてはくれへんかってん。
ただ必死に何かに耐えとぅみたいに笑うねん。
俺は桜花の笑顔が好きやった。でも、こんな笑顔は嫌いや。
何が桜花をこんな風にさせたんか、そのわけを調べた。
こいつ、一条 遥が原因やった。
可愛い桜花を盛大にフったんやと。許せるか?
腸が煮えくり返ったわ。
『俺やったら泣かしたりせーへんのに。桜花を大事に大事に愛するのに』って。
そう考えて、びっくりした。
年齢なりにそれなりの経験はある。恋愛もセックスも。
でも燃えるようなそれでいて甘い想いは終ぞ抱いた事なんかなかった。
それでその時初めて気がついたんや。ああ、そうやったんや。俺は桜花の事が好きやったんや。ずーっとずーっとそれこそ初めて会った時から……。
我ながら鈍すぎやと思うけど、なんせ相手は生まれたばっかの赤ん坊やったんやからしゃーないやん。
「ロリコンとちゃうで」
なんて誰も聞いてへんのに呟いとったわ。
それから俺は適当な付き合いやめて、ただひたすら桜花を見守った。
桜花はこいつの事が好きや。それはフラれた後も変わらへんかったけど、こいつはいらんて言いよった。
そんなら俺が貰う。桜花が16歳になったら俺が番って大事にするんや。そう密かに決めた。
そして、桜花が16歳になってあえてお見合いという形をとってもらった。
俺らは従兄弟やし、桜花が生まれてからずっと一緒におったから、どこかで仕切りなおさな桜花が俺の事ちゃんと見てくれへんかと思って。
それが間違っとった。何度も何度も考えてまう。
あの時、さっさと番っとったら。
あの時、扉を開けへんかったら。
あの時、――桜花の涙を見ぃひんかったら…………。
今更や。桜花が選んだんはこの目の前の男やったんやから。
俺がなんぼ想うてもダメやったんやから。
それなら俺は桜花の頼りになる従兄弟に戻るだけや。そんだけの話。
そんな事を思うとったら、一条はがばりと土下座してん。
「三条さん! 本当に申し訳ありませんでしたっ!」
「……」
俺は何も答えんと一条をただ見下ろした。
「桜花に聞きました! 三条さんは本当の兄のように桜花が小さい頃から見守って、大事にしてくれたとか。これからもどうか桜花を兄として見守ってはいただけないでしょうか!」
その言葉にこいつが色んな……俺の想いにも気づいてるかもしれへん思った。
謝罪してるようで一丁前に牽制してきた。
「ぶはっははははははっ!」
俺は声をあげて笑ってもうたわ。
「まぁ別にいーけどな。兄として見守らせてもらうわ。でもな、こないだも言うたみたいに次はないで?次桜花を泣かせるような事があったら、その時は容赦せーへんで。生まれてきた事後悔させたる。覚えとくねんで」
「はいっ!」
顔を上げて何の迷いもない返事やった。こいつの……一条の顔はちゃんと男で、桜花を守る男の顔やった。
生意気や。ほんま生意気。
俺は目を細め、ビールを一気に煽った。
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