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僕のかわいいこぐまさま
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「――で、奏はその旋堂さんの告白手伝う事にしたんだ?」
父さんの幼馴染で昔から家族ぐるみの付き合いがある一条 遥さんの息子の彼方が、熊さんと旋堂さんの話を聞いて何か含む言い方をした。
彼方は男のΩで幼馴染で親友だ。俺と同い年で、生まれた時からずーっと一緒だった。幼稚園、小学校中学校高校とずっと同じ学校でクラスも一緒。
俺たちはαとΩだけど妙にウマが合った。一緒に居る事が当たり前だった。
俺たちが小さい頃は、お互いの両親は俺たちが番になったりしてーと盛り上がってたみたいだけど、当の俺たちはまったくそんな気にはならなかった。
彼方の事は大事で大好きだし居なくなったら嫌だけど、『番』ではないとお互いに分かっていた。
「あのさ、お前から話を聞いただけだけどさ、それで本当にいいの?」
「いいのって?」
彼方の言葉にきょとんとする。
いいも悪いもないのに。旋堂さんは熊さんの事が好きなんだから。
俺は旋堂さんを応援するって決めたんだから。
「んーまぁお前はそういうヤツだよね。だけど自分でそろそろ考えないといけないと思うから、そうだなぁ……幼馴染としてひと言だけ。お前の気持ちってやつを考えてみたら?」
「――――俺の……気持ち……?」
そっと胸に手を置くと、ズキリと痛んだ気がした。
最近ずっとこんな調子で、どうして胸が痛むのか理由が分からない。
ヒントみたいに言われた彼方の言葉の意味も分からなくて、何度も「俺の気持ち」と心の中で呟く事しかできなかった。
*****
胸が痛む理由も彼方に言われた言葉の意味も分からないまま旋堂さんに会う日を迎えた。
会うのはバイト先とは違う喫茶店だ。
内容が内容なだけに流石に顔見知りのいる中では話せない。
待ち合わせた時間より少し早目に店に着いたはずがすでに旋堂さんは来ていて、中には入らず入り口から少しずれたところに立っていた。
旋堂さんの立ち姿はまるで水仙のようで――、立っているだけなのに俺の心臓はドキドキと煩く騒ぎだした。
立ち止まりその姿を見つめていると、俺を見つけた旋堂さんがふにゃりと笑った。
さっきよりもどんどんドキドキが強くなって――。
――俺……?
「お、お待たせしてすみませんっ!」
俺は色んな事を誤魔化すように勢いよく頭を下げた。
旋堂さんも「こちらこそ僕の為にお休みの日にごめんなさいっ」と慌てて頭をさげて、二人で何度も下げあって、同時に吹き出した。
「くすくす。僕たち何やってるんだろうね」
そう言って楽しそうに笑うもんだから、俺も楽しくなって最近ずっと痛かった胸の痛みが消えた気がしたんだ。
******
席に着くと旋堂さんはやっぱりカフェオレで、俺はコーヒーを頼んだ。
「それでですね。あれから熊さんに探りを入れてみたんです。そしたら引っ越しの準備とか色々忙しいらしくて、店に来られるのは明日が最後だって――」
「…………」
「だからチャンスは明日しかなくて」
「…………」
旋堂さんは何も言わない。ショックなのかな……。
旋堂さんの切なそうな顔に消えたはずの胸の痛みがまた――。
「旋堂さんなら大丈夫。こんなに綺麗で可愛いんだから、自信持ってください」
「――――僕が……綺麗……?可愛い…………?」
旋堂さんの顔がみるみるうちに真っ赤になって、夜空のような綺麗な瞳まで潤んでいるように見えた。
「はい!旋堂さんはとっても綺麗で可愛いです。俺なら――いえ……」
俺なら――?俺今何言おうとした?
「僕はΩなのにこんなに背が高くて……顔だってすごく平凡で……モテた事なんてない、よ?」
「背が高いの羨ましいです。すらっとしていてスタイルもいいし、顔だって綺麗で可愛いと思うし俺は――す……好き、です」
今度は俺も真っ赤になって、旋堂さんは更に真っ赤になった。
そして自分が言った「好き」に驚く。
好き……好き、――――俺は旋堂さんが……好き。
旋堂さんが家に来たあの日から何かがもやもやしていた。
それが今ストンと腑に落ちた気がした。
『旋堂さんの事が好き』
――俺の気持ち。
やっぱり彼方はすごいな。自分でも気づけなかった俺の気持ちに気づいてた。
好き、だけど――。
だけどさ、旋堂さんが好きなのは熊さんなんだ。
俺は旋堂さんの事番にしたいって思うくらい好き。
だけど、俺は旋堂さんの恋を応援するって決めたから。
「旋堂さんの気持ちを正直に熊さんに伝えてみましょう?きっと大丈夫ですから」
俺はできるだけ笑顔で旋堂さんにそう伝えた。正直に、なんて自分の気持ちを隠してしまった俺がよく言えたものだと思いながら。
「――うん……」
旋堂さんの返事に胸を抉られどうしようもなく痛いのに、最後まで俺は笑顔でいた。
父さんの幼馴染で昔から家族ぐるみの付き合いがある一条 遥さんの息子の彼方が、熊さんと旋堂さんの話を聞いて何か含む言い方をした。
彼方は男のΩで幼馴染で親友だ。俺と同い年で、生まれた時からずーっと一緒だった。幼稚園、小学校中学校高校とずっと同じ学校でクラスも一緒。
俺たちはαとΩだけど妙にウマが合った。一緒に居る事が当たり前だった。
俺たちが小さい頃は、お互いの両親は俺たちが番になったりしてーと盛り上がってたみたいだけど、当の俺たちはまったくそんな気にはならなかった。
彼方の事は大事で大好きだし居なくなったら嫌だけど、『番』ではないとお互いに分かっていた。
「あのさ、お前から話を聞いただけだけどさ、それで本当にいいの?」
「いいのって?」
彼方の言葉にきょとんとする。
いいも悪いもないのに。旋堂さんは熊さんの事が好きなんだから。
俺は旋堂さんを応援するって決めたんだから。
「んーまぁお前はそういうヤツだよね。だけど自分でそろそろ考えないといけないと思うから、そうだなぁ……幼馴染としてひと言だけ。お前の気持ちってやつを考えてみたら?」
「――――俺の……気持ち……?」
そっと胸に手を置くと、ズキリと痛んだ気がした。
最近ずっとこんな調子で、どうして胸が痛むのか理由が分からない。
ヒントみたいに言われた彼方の言葉の意味も分からなくて、何度も「俺の気持ち」と心の中で呟く事しかできなかった。
*****
胸が痛む理由も彼方に言われた言葉の意味も分からないまま旋堂さんに会う日を迎えた。
会うのはバイト先とは違う喫茶店だ。
内容が内容なだけに流石に顔見知りのいる中では話せない。
待ち合わせた時間より少し早目に店に着いたはずがすでに旋堂さんは来ていて、中には入らず入り口から少しずれたところに立っていた。
旋堂さんの立ち姿はまるで水仙のようで――、立っているだけなのに俺の心臓はドキドキと煩く騒ぎだした。
立ち止まりその姿を見つめていると、俺を見つけた旋堂さんがふにゃりと笑った。
さっきよりもどんどんドキドキが強くなって――。
――俺……?
「お、お待たせしてすみませんっ!」
俺は色んな事を誤魔化すように勢いよく頭を下げた。
旋堂さんも「こちらこそ僕の為にお休みの日にごめんなさいっ」と慌てて頭をさげて、二人で何度も下げあって、同時に吹き出した。
「くすくす。僕たち何やってるんだろうね」
そう言って楽しそうに笑うもんだから、俺も楽しくなって最近ずっと痛かった胸の痛みが消えた気がしたんだ。
******
席に着くと旋堂さんはやっぱりカフェオレで、俺はコーヒーを頼んだ。
「それでですね。あれから熊さんに探りを入れてみたんです。そしたら引っ越しの準備とか色々忙しいらしくて、店に来られるのは明日が最後だって――」
「…………」
「だからチャンスは明日しかなくて」
「…………」
旋堂さんは何も言わない。ショックなのかな……。
旋堂さんの切なそうな顔に消えたはずの胸の痛みがまた――。
「旋堂さんなら大丈夫。こんなに綺麗で可愛いんだから、自信持ってください」
「――――僕が……綺麗……?可愛い…………?」
旋堂さんの顔がみるみるうちに真っ赤になって、夜空のような綺麗な瞳まで潤んでいるように見えた。
「はい!旋堂さんはとっても綺麗で可愛いです。俺なら――いえ……」
俺なら――?俺今何言おうとした?
「僕はΩなのにこんなに背が高くて……顔だってすごく平凡で……モテた事なんてない、よ?」
「背が高いの羨ましいです。すらっとしていてスタイルもいいし、顔だって綺麗で可愛いと思うし俺は――す……好き、です」
今度は俺も真っ赤になって、旋堂さんは更に真っ赤になった。
そして自分が言った「好き」に驚く。
好き……好き、――――俺は旋堂さんが……好き。
旋堂さんが家に来たあの日から何かがもやもやしていた。
それが今ストンと腑に落ちた気がした。
『旋堂さんの事が好き』
――俺の気持ち。
やっぱり彼方はすごいな。自分でも気づけなかった俺の気持ちに気づいてた。
好き、だけど――。
だけどさ、旋堂さんが好きなのは熊さんなんだ。
俺は旋堂さんの事番にしたいって思うくらい好き。
だけど、俺は旋堂さんの恋を応援するって決めたから。
「旋堂さんの気持ちを正直に熊さんに伝えてみましょう?きっと大丈夫ですから」
俺はできるだけ笑顔で旋堂さんにそう伝えた。正直に、なんて自分の気持ちを隠してしまった俺がよく言えたものだと思いながら。
「――うん……」
旋堂さんの返事に胸を抉られどうしようもなく痛いのに、最後まで俺は笑顔でいた。
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