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僕のかわいいこぐまさま
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カフェオレさんの名前は旋堂 律といって、大学の図書館で司書として働く27歳の男性Ωだった。
毎日喫茶店で顔を会わせていたけど、名前も知らないし話す事もなかった相手。
それが今俺の隣りの席につき、母さん手作りのシチューを食べて楽しそうにしゃべってる。
母さんとばかりしゃべるから少しだけもやっとして食事が終わると俺の部屋に旋堂さんを誘った。
やっぱり熊さんがいなくなる事を伝えなきゃって思ったからだ。
半ば強引に自分の部屋に旋堂さんを連れ込み、少しだけ胸のもやもやが消えた気がした。
「旋堂さん、突然部屋に連れ込むような真似してすみません……。誓って変な事はしませんから……。どうしても話さなきゃいけない事があって――。それで、あの……熊さんの事なんですが……」
「――熊さん?」
不思議そうな顔で俺の事を見る旋堂さん。
それではっとする。俺が勝手につけたあだ名だから旋堂さんが知るはずもない。それに熊さんの説明をしてしまったら常連さんにあだ名を付けている事がバレてしまう。まだ誤魔化す事はできるだろう。
だけど――と旋堂さんの事を見つめる。
旋堂さんに嘘をつきたくなくて正直に話す事にした。俺の話を聞いて旋堂さんは「そっか。僕は『カフェオレさん』?なんだか可愛いね」って笑ってくれて、ほっとした。
「あーっとそれで熊さんっていうのは――旋堂さんがいつも見てる人、です」
「え――――?」
何度も目が合ったんだから気づかれてるって分かってたはずなのに、僕の言葉に驚いた様子で瞬いている。
「旋堂さんがいつも熊さんの事見てるの気づいてました……。俺も熊さんの事見てて、それで旋堂さんとも目が合ったから――」
「…………」
今度は耳まで真っ赤にさせて俯いてしまった。
え?え?うわーうわーうわーか、可愛い――。じゃなくて!
「それで今日旋堂さん来なかったじゃないですか。熊さんとマスターがしゃべってたんですが、熊さんの就職が他県に決まって、来月からはもううちに来られないらしいんです。それで、旋堂さんこのままでいいのかなって――」
「このままで……って?」
「いや、ほら告白……とか?」
自分で言って何でかムッとする。
「え……」
「だって好きって言わなきゃ後悔するかもでしょう?」
「――――僕、は……」
「俺が手伝いますから、だから頑張りましょう?勇気、出してみましょう?」
「――キミはその……熊さんの事が好き、なんじゃないの?」
「うーん?好き……というか可愛いですよね。何だか母さんと少し似ててほっとするというか、熊さんは俺の癒しかな?」
あまり深く考えた事はなかったけど、改めて考えてみてもやっぱり熊さんの事は可愛いとは思うけど恋愛的な意味で好きなわけじゃないと思う。
だって恋をしたらなるっていうドキドキもしないし切なくなったりもしない。ただほっこりするだけだ。
「――――そう、なん……だ?」
そう呟いた旋堂さんの顔はなぜか少し嬉しそうに見えた。
旋堂さんが嬉しそうにする理由が分からなくて、胸の辺りがツキンと少しだけ痛んだ気がしたんだ。
今度の休みに二人で作戦を練る事にして、今日は父さんが車で旋堂さんを送って行った。
走り去る車を見送りながら俺はなんだか切ない気持ちになっていた。
いつもならベッドに入ると10秒と待たず眠りに落ちてしまうのに、その夜は少しうわずって掠れた旋堂さんの「奏君」って俺の名前を呼ぶ声が耳から離れなくて、なかなか眠りにつく事ができなかった。
毎日喫茶店で顔を会わせていたけど、名前も知らないし話す事もなかった相手。
それが今俺の隣りの席につき、母さん手作りのシチューを食べて楽しそうにしゃべってる。
母さんとばかりしゃべるから少しだけもやっとして食事が終わると俺の部屋に旋堂さんを誘った。
やっぱり熊さんがいなくなる事を伝えなきゃって思ったからだ。
半ば強引に自分の部屋に旋堂さんを連れ込み、少しだけ胸のもやもやが消えた気がした。
「旋堂さん、突然部屋に連れ込むような真似してすみません……。誓って変な事はしませんから……。どうしても話さなきゃいけない事があって――。それで、あの……熊さんの事なんですが……」
「――熊さん?」
不思議そうな顔で俺の事を見る旋堂さん。
それではっとする。俺が勝手につけたあだ名だから旋堂さんが知るはずもない。それに熊さんの説明をしてしまったら常連さんにあだ名を付けている事がバレてしまう。まだ誤魔化す事はできるだろう。
だけど――と旋堂さんの事を見つめる。
旋堂さんに嘘をつきたくなくて正直に話す事にした。俺の話を聞いて旋堂さんは「そっか。僕は『カフェオレさん』?なんだか可愛いね」って笑ってくれて、ほっとした。
「あーっとそれで熊さんっていうのは――旋堂さんがいつも見てる人、です」
「え――――?」
何度も目が合ったんだから気づかれてるって分かってたはずなのに、僕の言葉に驚いた様子で瞬いている。
「旋堂さんがいつも熊さんの事見てるの気づいてました……。俺も熊さんの事見てて、それで旋堂さんとも目が合ったから――」
「…………」
今度は耳まで真っ赤にさせて俯いてしまった。
え?え?うわーうわーうわーか、可愛い――。じゃなくて!
「それで今日旋堂さん来なかったじゃないですか。熊さんとマスターがしゃべってたんですが、熊さんの就職が他県に決まって、来月からはもううちに来られないらしいんです。それで、旋堂さんこのままでいいのかなって――」
「このままで……って?」
「いや、ほら告白……とか?」
自分で言って何でかムッとする。
「え……」
「だって好きって言わなきゃ後悔するかもでしょう?」
「――――僕、は……」
「俺が手伝いますから、だから頑張りましょう?勇気、出してみましょう?」
「――キミはその……熊さんの事が好き、なんじゃないの?」
「うーん?好き……というか可愛いですよね。何だか母さんと少し似ててほっとするというか、熊さんは俺の癒しかな?」
あまり深く考えた事はなかったけど、改めて考えてみてもやっぱり熊さんの事は可愛いとは思うけど恋愛的な意味で好きなわけじゃないと思う。
だって恋をしたらなるっていうドキドキもしないし切なくなったりもしない。ただほっこりするだけだ。
「――――そう、なん……だ?」
そう呟いた旋堂さんの顔はなぜか少し嬉しそうに見えた。
旋堂さんが嬉しそうにする理由が分からなくて、胸の辺りがツキンと少しだけ痛んだ気がしたんだ。
今度の休みに二人で作戦を練る事にして、今日は父さんが車で旋堂さんを送って行った。
走り去る車を見送りながら俺はなんだか切ない気持ちになっていた。
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