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俺のかわいい後輩さま どこかの世界線で
4 あの子の婚約者
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「ねーねー楓君。遥君に婚約者ができたんだってぇー」
と嬉しそうに話しかけてきたのは俺の幼馴染の老川 駆だ。遥というのは一条 遥といって、もうひとりの幼馴染だ。
俺たち三人は小学生の頃からの付き合いで、お互いの二次性なんて気にしていない。
駆に番ができてからは番のαが他のαと接触する事を嫌うから学校以外でこうやって話す事はなくなってしまったけど、番に愛されて駆は幸せそうだから文句なんてないし大事な友だちに変わりはなかった。
「でね、もうずっと惚気てるの。サラサラの髪が綺麗だーとかふわふわしててどこもかしこも綿あめみたいに甘いとかさ。そんな事言われてもね? 最初はけんかしてたみたいなのに今はメロメロ。遥君はイノシシみたいに一直線タイプだからお相手の子大丈夫かなって心配になるよ」
「大丈夫だよ。一直線って一途って事じゃないか。遥ならきっと婚約者を大事にするさ」
「そう、だねぇ。無駄な心配だったかぁ」
最初からそんな心配なんかいらないって分かってたくせに。
にひひと駆が嬉しそうに笑うのを見て、このふたりも俺の希う愛をみつけているんだよな、と思う。最近では両親だけが特別なのかもって思っていたけど、もしかしたら俺にも――と友人の様子に少しだけ希望が持てる気がしたんだ。
「それとさ、俺も婚約者ができたんだ。まだ仮だけど」
「本当? あ、でも――その、大丈夫?」
過去のあの出来事や俺の気持ちを知っている駆は心配そうに俺の事を見た。
「ああ、大丈夫。なんだか今回はうまくいく予感がするんだ」
お互いに名前しか知らないって事は言っても心配させるだけなので、今は黙っておく事にした。
「そっかぁ。楓君がそう言うならきっとうまくいくよ。それでさ、うまくいったらさ、お祝いしようよ。それぞれに大事な人ができてもずっと友だちでいたいから、『ずっ友パーティ』やろ?」
「そうだな。考えとく」
と何でもない事みたいに答えてみたが、立場や状況がどんなに変わってもずっと友だちでいたいと言ってくれた駆の言葉がとても嬉しかった。
*****
次の授業が移動教室で、授業に必要な物を忘れてしまった俺は教室に取りに戻る途中渡り廊下の先にあの時のあの子を見つけた。嬉しくてテンションがぐんっと上がる。宝物を見つけたワンコのような気分だ。
駆け寄ろうとしてあの子の傍に数名の女生徒が居るのに気づき、足を止めた。
何やら不穏な空気を感じ、様子を見る事にする。
「家の力を使って婚約したんですって?」
「……」
「欠陥Ωで醜くいあんたと番って結婚するαって―ーああ、もしかしてβかしら? どちらにしても間抜けのどうしようもないヤツでしょうね。アハハ」
そう言ってケラケラとバカにして笑う女生徒たち。マウントでもとってるつもりか、垣間見たΩの世界に辟易する。
それに……あの子に婚約者が――?
ハンマーで頭をガツンと殴られた気がした。
そしてショックを受けている自分に驚く。
どうしてあの子の事がこんなに気になるのか。
どうしてあの子を見ただけで嬉しくて、心がふわふわと優しい気持ちになるのか。
――あの子の事が好き……だから?
この時初めて俺はあの子に恋していたんだと気づいた。
恋に気づいて、即失恋とか……。
あまりの事に立ち尽くしていると、あの子が女生徒たちに向って叫んだんだ。
「俺の事は……何を言ってもいい――。だけど……あの人の事だけは悪く言うなっ! これ以上言うなら――許さないっ!」
そう叫ぶあの子の声は震えていて、身体も小刻みに震えていた。
だけど一歩も引かない、そんな様子に心がズキズキと痛んだ。
たとえどんなに蔑まれたとしてもあの子自身の事だったらこれほど怒らなかっただろう。
あの子がこんなにも怒る理由は悪く言われたのが婚約者の事だったから――。
思わぬ反撃を受けて、怒りに顔を真っ赤にさせた女生徒が手を振り上げたのが見えた。
俺は急いで走り寄り、その振り上げられた手を掴み止めた。
「俺が、その間抜けな婚約者だけど?」
俺はあの子を庇うように立ち、これでもかっていうくらいいい顔で笑ってやった。真っ赤に染まる女生徒たちの頬。
「え……? 北山先輩……?」
俺は決まった相手のいない有望株のαとしてそこそこ人気があった。
俺にとっては不本意な事だけど、この際利用させてもらう。ただ間に入っただけでは意味がない。
俺という記号が少しでもあの子を守れるように。なりふりなんか構っていられない。あの子を守りたい一心だった。
笑顔から一変、軽く威圧し吠える。
「文句があるなら俺に言え。俺の番に手を出すな」
本気の咆哮。
『俺の番』
この子には俺じゃない相手が居る。
それでもこの時だけは俺だけの番だと思いたかった。
この子を守れるのは俺だけなんだと。
「……っ!」
俺の静かな咆哮に女生徒たちは顔を真っ青にさせて走って逃げて行った。
「あの……」
「あ、ごめんね。勝手にあんな事――」
できるだけ普通に、困惑気味のあの子を落ち着かせたくてにっこりと微笑んで見せる。
だけど効果はなくて、ますます戸惑っている様子だ。心なしか顔色も悪いような?
「どこか痛いところでも――?」
心がズタズタに引き裂かれたように痛いけど、俺の事は今はいい。目の前のこの子の事が心配なんだ。
「いえ、その……」
言いよどむ姿にもしかして言葉だけじゃなく怪我でもさせられたかと焦り、確認しようと手を伸ばすが僅かに身を引かれ躱される。行き場を失ってしまった手をゆっくりと戻すしかなかった。
泣くな。もう少しだけでいい、頑張れ。最後までこの子の中では素敵な先輩でいたいんだ。
俺は「じゃあ……」と背を向けて歩き出そうとして背後にあの子の声を聞いた。
「――俺、及川 薫です」
俺は振り向いて、無理矢理口角を上げた。
「薫君か、いい名前だね」
決して重なる事のない俺たちの未来。だけど、きみの名前を知れただけでこんなにも心が喜ぶんだ。どうしようもなく嬉しくて恋しくて……痛い――。
『及川 薫』まるで宝物のように心の中で呟いていた。
*****
あの子に相手が居るように俺にも相手が居る。
薫君への想いは、ずっとずっと待ち望んでいた恋だった。
だけど叶わない恋なんだ。あの子の幸せを壊してまで我を通すつもりはない。
自分の気持ちに気づいてしまえば、このまま結婚する事なんてできなかった。
他所に心を置いたままの結婚では相手を傷つけてしまう。
だけど一度受けてしまった話だ。今更断る事は難しいかもしれない。
それでも何度でも謝って、この話は無かった事にしてもらおうと思った。
自分の気持ちを正直に話して俺だけが悪いのだと伝えよう。
好きなだけ罵ってもらって、それでも怒りがおさまらないようなら殴ってくれてもいい。少しも相手が傷つく事がないよう――俺にできる事はなんでもする。
そう答えが出たのは家にたどり着く直前の事だった。
ドアを開け玄関に入ると父から呼び止められた。
俺から言うまでもなくこの結婚話を白紙に戻すという連絡があったという事だった。
相手都合ならば相手を無駄に傷つけずに済むとほっと安心したのも束の間、ふとさっき聞いたばかりのあの子の名前。『及川 薫』という名前に何かひっかかりを覚えた。
もしかして?――いや、まさか。
急いで自室に戻り、以前渡されていた書類に書かれていた婚約者の名前を見て驚く。
及川 薫。あの子と同じ名前だった。
――――え?
手の内にあったはずの書類が、俺の手からひらひらと滑り落ちていく。
まるで愛しいあの子のように――。
と嬉しそうに話しかけてきたのは俺の幼馴染の老川 駆だ。遥というのは一条 遥といって、もうひとりの幼馴染だ。
俺たち三人は小学生の頃からの付き合いで、お互いの二次性なんて気にしていない。
駆に番ができてからは番のαが他のαと接触する事を嫌うから学校以外でこうやって話す事はなくなってしまったけど、番に愛されて駆は幸せそうだから文句なんてないし大事な友だちに変わりはなかった。
「でね、もうずっと惚気てるの。サラサラの髪が綺麗だーとかふわふわしててどこもかしこも綿あめみたいに甘いとかさ。そんな事言われてもね? 最初はけんかしてたみたいなのに今はメロメロ。遥君はイノシシみたいに一直線タイプだからお相手の子大丈夫かなって心配になるよ」
「大丈夫だよ。一直線って一途って事じゃないか。遥ならきっと婚約者を大事にするさ」
「そう、だねぇ。無駄な心配だったかぁ」
最初からそんな心配なんかいらないって分かってたくせに。
にひひと駆が嬉しそうに笑うのを見て、このふたりも俺の希う愛をみつけているんだよな、と思う。最近では両親だけが特別なのかもって思っていたけど、もしかしたら俺にも――と友人の様子に少しだけ希望が持てる気がしたんだ。
「それとさ、俺も婚約者ができたんだ。まだ仮だけど」
「本当? あ、でも――その、大丈夫?」
過去のあの出来事や俺の気持ちを知っている駆は心配そうに俺の事を見た。
「ああ、大丈夫。なんだか今回はうまくいく予感がするんだ」
お互いに名前しか知らないって事は言っても心配させるだけなので、今は黙っておく事にした。
「そっかぁ。楓君がそう言うならきっとうまくいくよ。それでさ、うまくいったらさ、お祝いしようよ。それぞれに大事な人ができてもずっと友だちでいたいから、『ずっ友パーティ』やろ?」
「そうだな。考えとく」
と何でもない事みたいに答えてみたが、立場や状況がどんなに変わってもずっと友だちでいたいと言ってくれた駆の言葉がとても嬉しかった。
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次の授業が移動教室で、授業に必要な物を忘れてしまった俺は教室に取りに戻る途中渡り廊下の先にあの時のあの子を見つけた。嬉しくてテンションがぐんっと上がる。宝物を見つけたワンコのような気分だ。
駆け寄ろうとしてあの子の傍に数名の女生徒が居るのに気づき、足を止めた。
何やら不穏な空気を感じ、様子を見る事にする。
「家の力を使って婚約したんですって?」
「……」
「欠陥Ωで醜くいあんたと番って結婚するαって―ーああ、もしかしてβかしら? どちらにしても間抜けのどうしようもないヤツでしょうね。アハハ」
そう言ってケラケラとバカにして笑う女生徒たち。マウントでもとってるつもりか、垣間見たΩの世界に辟易する。
それに……あの子に婚約者が――?
ハンマーで頭をガツンと殴られた気がした。
そしてショックを受けている自分に驚く。
どうしてあの子の事がこんなに気になるのか。
どうしてあの子を見ただけで嬉しくて、心がふわふわと優しい気持ちになるのか。
――あの子の事が好き……だから?
この時初めて俺はあの子に恋していたんだと気づいた。
恋に気づいて、即失恋とか……。
あまりの事に立ち尽くしていると、あの子が女生徒たちに向って叫んだんだ。
「俺の事は……何を言ってもいい――。だけど……あの人の事だけは悪く言うなっ! これ以上言うなら――許さないっ!」
そう叫ぶあの子の声は震えていて、身体も小刻みに震えていた。
だけど一歩も引かない、そんな様子に心がズキズキと痛んだ。
たとえどんなに蔑まれたとしてもあの子自身の事だったらこれほど怒らなかっただろう。
あの子がこんなにも怒る理由は悪く言われたのが婚約者の事だったから――。
思わぬ反撃を受けて、怒りに顔を真っ赤にさせた女生徒が手を振り上げたのが見えた。
俺は急いで走り寄り、その振り上げられた手を掴み止めた。
「俺が、その間抜けな婚約者だけど?」
俺はあの子を庇うように立ち、これでもかっていうくらいいい顔で笑ってやった。真っ赤に染まる女生徒たちの頬。
「え……? 北山先輩……?」
俺は決まった相手のいない有望株のαとしてそこそこ人気があった。
俺にとっては不本意な事だけど、この際利用させてもらう。ただ間に入っただけでは意味がない。
俺という記号が少しでもあの子を守れるように。なりふりなんか構っていられない。あの子を守りたい一心だった。
笑顔から一変、軽く威圧し吠える。
「文句があるなら俺に言え。俺の番に手を出すな」
本気の咆哮。
『俺の番』
この子には俺じゃない相手が居る。
それでもこの時だけは俺だけの番だと思いたかった。
この子を守れるのは俺だけなんだと。
「……っ!」
俺の静かな咆哮に女生徒たちは顔を真っ青にさせて走って逃げて行った。
「あの……」
「あ、ごめんね。勝手にあんな事――」
できるだけ普通に、困惑気味のあの子を落ち着かせたくてにっこりと微笑んで見せる。
だけど効果はなくて、ますます戸惑っている様子だ。心なしか顔色も悪いような?
「どこか痛いところでも――?」
心がズタズタに引き裂かれたように痛いけど、俺の事は今はいい。目の前のこの子の事が心配なんだ。
「いえ、その……」
言いよどむ姿にもしかして言葉だけじゃなく怪我でもさせられたかと焦り、確認しようと手を伸ばすが僅かに身を引かれ躱される。行き場を失ってしまった手をゆっくりと戻すしかなかった。
泣くな。もう少しだけでいい、頑張れ。最後までこの子の中では素敵な先輩でいたいんだ。
俺は「じゃあ……」と背を向けて歩き出そうとして背後にあの子の声を聞いた。
「――俺、及川 薫です」
俺は振り向いて、無理矢理口角を上げた。
「薫君か、いい名前だね」
決して重なる事のない俺たちの未来。だけど、きみの名前を知れただけでこんなにも心が喜ぶんだ。どうしようもなく嬉しくて恋しくて……痛い――。
『及川 薫』まるで宝物のように心の中で呟いていた。
*****
あの子に相手が居るように俺にも相手が居る。
薫君への想いは、ずっとずっと待ち望んでいた恋だった。
だけど叶わない恋なんだ。あの子の幸せを壊してまで我を通すつもりはない。
自分の気持ちに気づいてしまえば、このまま結婚する事なんてできなかった。
他所に心を置いたままの結婚では相手を傷つけてしまう。
だけど一度受けてしまった話だ。今更断る事は難しいかもしれない。
それでも何度でも謝って、この話は無かった事にしてもらおうと思った。
自分の気持ちを正直に話して俺だけが悪いのだと伝えよう。
好きなだけ罵ってもらって、それでも怒りがおさまらないようなら殴ってくれてもいい。少しも相手が傷つく事がないよう――俺にできる事はなんでもする。
そう答えが出たのは家にたどり着く直前の事だった。
ドアを開け玄関に入ると父から呼び止められた。
俺から言うまでもなくこの結婚話を白紙に戻すという連絡があったという事だった。
相手都合ならば相手を無駄に傷つけずに済むとほっと安心したのも束の間、ふとさっき聞いたばかりのあの子の名前。『及川 薫』という名前に何かひっかかりを覚えた。
もしかして?――いや、まさか。
急いで自室に戻り、以前渡されていた書類に書かれていた婚約者の名前を見て驚く。
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――――え?
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まるで愛しいあの子のように――。
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