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番外編
②
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後でアイツの親友から聞いた事だが、アイツがなかなか俺と番にならなかったのは『運命』の相手と昔一度だけすれ違った事があったからなのだそうだ。それは俺と出会う前の事で、アイツは『運命』を必死に探したけど結局見つける事ができなくて当時のアイツは身も心も疲れ果ててしまっていて、俺からの猛アプローチに縋ってしまったのだという話だ。『運命』の事を心の隅に置きながら――いや、もしかしたらアイツの全てだったのかもしれない。俺が『運命』と共にいられない寂しさを埋めてくれると信じてアイツは俺の手を取った。
そして最後にこう付け加えた。俺の事もちゃんと愛していたけどアイツの期待は裏切られて、ずっと『運命』を忘れられなくて板挟みになって辛かった。俺だけの事を想えたなら幸せだったのに――と。
最後まで話を聞いて思うのは、アイツにとって俺は何だったのだろう? という事だ。俺があまりに一生懸命アプローチしたからその気もないのに可哀そうになって付き合ってくれて――番になって結婚してくれた? 全部待たされて、アイツが諦めた末の『幸運』だった? 再会できるかわからない『運命』を長い時間をかけてもアイツの期待したように忘れさせる事ができなかったのは俺の愛情が足らなかったせい?
一度でも『運命』の存在を教えてくれていたなら……俺はどうしただろう?
無理矢理番って、誰にも奪われないように家の奥に隠して――なんてできるわけがない。そうなればアイツは益々『運命』を求めて泣くだろう。
俺はアイツの身体だけが欲しいわけではないのだ。アイツが泣くと分かっていてそんな事できるはずがない。
アイツの心を他人から訊かされて、俺はずっと裏切られていたんだと思うのにまだこんな事を考えてしまっている。
俺はアイツの事を本当に愛していた。
俺はαだからアイツと番を解消しても新しく番を作る事はできる。だけど、俺の心は? 俺にはアイツしかいなかった。アイツの気持ちが他の誰かのモノだったなんて知らなかった。それは俺がいけなかったのか? 俺がもっとアイツの気持ちを汲んで、せめて番になる事をしぶった時に別れてあげていればよかったのか? 俺と番ったのは『不幸な事故』とでも言うのか? 綺麗なままあの男の元にいけるように最初から付き合わなければよかったのか? 俺は……そんなに悪い番で酷い夫だったのだろうか……見向きもされず簡単に捨てられてしまうくらいに――。
それとも全て運命が悪いとでも言うのだろうか。俺はただ運が悪く、運命に負けただけ。
いや、違うな。アイツの親友の最後の言葉、『俺だけの事を想えたなら幸せだったのに――』この言葉が全てを物語っている。全ては俺のせい――。
俺は送られてきた離婚届にサインをし役所に出した。人生で最高に綺麗な字だったと思う。もう二度と会う事も叶わない、世界で一番愛しい人への最後の贈り物だから。
その日、俺の中の何かが壊れた。
そして最後にこう付け加えた。俺の事もちゃんと愛していたけどアイツの期待は裏切られて、ずっと『運命』を忘れられなくて板挟みになって辛かった。俺だけの事を想えたなら幸せだったのに――と。
最後まで話を聞いて思うのは、アイツにとって俺は何だったのだろう? という事だ。俺があまりに一生懸命アプローチしたからその気もないのに可哀そうになって付き合ってくれて――番になって結婚してくれた? 全部待たされて、アイツが諦めた末の『幸運』だった? 再会できるかわからない『運命』を長い時間をかけてもアイツの期待したように忘れさせる事ができなかったのは俺の愛情が足らなかったせい?
一度でも『運命』の存在を教えてくれていたなら……俺はどうしただろう?
無理矢理番って、誰にも奪われないように家の奥に隠して――なんてできるわけがない。そうなればアイツは益々『運命』を求めて泣くだろう。
俺はアイツの身体だけが欲しいわけではないのだ。アイツが泣くと分かっていてそんな事できるはずがない。
アイツの心を他人から訊かされて、俺はずっと裏切られていたんだと思うのにまだこんな事を考えてしまっている。
俺はアイツの事を本当に愛していた。
俺はαだからアイツと番を解消しても新しく番を作る事はできる。だけど、俺の心は? 俺にはアイツしかいなかった。アイツの気持ちが他の誰かのモノだったなんて知らなかった。それは俺がいけなかったのか? 俺がもっとアイツの気持ちを汲んで、せめて番になる事をしぶった時に別れてあげていればよかったのか? 俺と番ったのは『不幸な事故』とでも言うのか? 綺麗なままあの男の元にいけるように最初から付き合わなければよかったのか? 俺は……そんなに悪い番で酷い夫だったのだろうか……見向きもされず簡単に捨てられてしまうくらいに――。
それとも全て運命が悪いとでも言うのだろうか。俺はただ運が悪く、運命に負けただけ。
いや、違うな。アイツの親友の最後の言葉、『俺だけの事を想えたなら幸せだったのに――』この言葉が全てを物語っている。全ては俺のせい――。
俺は送られてきた離婚届にサインをし役所に出した。人生で最高に綺麗な字だったと思う。もう二度と会う事も叶わない、世界で一番愛しい人への最後の贈り物だから。
その日、俺の中の何かが壊れた。
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