リナ・セレネーレの物語

桜井あこ

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一年生

始まりの営火

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ちょっと待てちょっと待て。
今、とんでもない事実が発覚したのでは?

「ちょっとゲイル、こんなの知らないってどういうこと?」

リンダがゲイルの肩をガクガク揺する。

「おいっ、首が、もげるっ」

ゲイルが途切れ途切れにそう言ってるのが聞こえるが、リンダの勢いは止まらない。
とりあえず落ち着けと引き剥がしてから、ゲイルを詳しく問い詰めることにした。

「どれがゲイルの知らないやつなの?」
「この、ぎゃーみたいな声」
「女性の声みたいよね」
「これびっくりした生徒の叫び声じゃないの?」
「その線もあるな」

すると、パキン。とガラスが割れたような音がした。
音のした方に首を巡らせると、フィンさんの持っている水晶が輝きをなくしていた。

「水晶が映らなくなった」
「え?」
「壊れたのか」
「いえ、この水晶では映しきれないものだったようです」
「他のものだったら見れるんですか?」
「多分ね。もっと大きい水晶が違う種類のものだったら見れると思うよ」
「どこが違うんですか?」
「元々この水晶は悲しみの感情からできているんだ。人魚の涙だからね。そういうものは悲しいことが一番詳しく教えられるんだ。さっきのは怖いって感情が強いものだから、絶凶の鏡とかだったらしっかり映ったはず」

鏡もあるのか。けれどそうしたら、どれくらい怖いものなんだ・・・・・・。
全員で顔を見合わせて、何も見なかったことにしよう。うん、それがいい。とりあえずフィンは水晶しまっとけ。もうしまった。誰にも言わないほうがいいな。そうですね。
みんなで散々話していると、コンコンとノックの音が聞こえた。

「はーい。ーーあ、ヴェズラさん」 
「こんにちは」

彼はにっこり微笑んだ。

◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯

ヴェズラさんは嵐のことを伝えにきてくれた。
それと、親睦会とは重ならないから心配はいらないということも。

「念の為魔法陣は敷いておきますので」
「ありがとうございます」
「では、時間になったらロビーに集合ですよ」
「「はい」」

そしてヴェズラさんは忙しそうに部屋を出た。
もしかしたら全部の部屋に行くのだろうか。

「お勤めご苦労様です」

リリーがポツリと呟いた。

◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯

『あー、あー』

聞こえますかーという問いに、はーいと声を揃えて答える。

『全員揃ったので、親睦会を始めたいと思いまーす!』
「「いぇーい!!」」

拡声機を片手に煽られたので、平民組と地位が低めな貴族組が声を上げる。
けれどご令嬢たちは軽く手を叩いたくらいだった。

『肝試しの順番が回ってくるまで営火の前でお菓子焼いたり、えーっととにかくいろいろします! それじゃあくじで決めた一組の三班から肝試し行ってください。説明とかは先生がしてくれます』

あーやだ~と女の子同士が手を繋ぎ合ってガタガタしている。
一組の担任のフィリオリン先生が班の子達を誘導するために手を振っていた。
それを消えるまで目で追った後、私は実行委員の子が回してくれたイチゴを串に刺した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
肝試しなんてクソ喰らえ。どうも、桜井あこです。
人間関係って難しいなーと思う今日この頃でございます。(唐突すぎて)
この前友人と映画を見に行きました。サイゼでご飯も食べて、楽しかったです。
あのあとヴェズラは、そーいや自分魔法使いだった忘れてたってなって魔法で残りの部屋に伝えました。
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