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第68話 英雄と魔王、互角の戦いです
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「私はマユミ、異世界よりこの地に召喚されし英雄です!第七の魔王バルエル、あなたを倒すために!」
目の前に立つ魔王、バルエルをしっかりと見据え、マユミは名乗りを上げた。
(あ、私死ぬかも・・・)
その内心はどこか諦めたような・・・達観したものがあった。
目の前で人が死ぬ所を見たくない・・・そんな思いのままにとんでもない事をしてしまったものだ。
だがもうどうしようもない、今は精一杯虚勢を張って英雄を演じるだけだ。
『・・・』
魔王は微動だにしなかった・・・英雄と聞いて逃げてくれるのを期待したのだが。
しかし警戒はしてくれているようで、すぐに仕掛けてはこないようだ。
マユミは視線だけは魔王から逸らさずに、この隙にセルビウスを助け起こす。
「セルビウスさん、動けますか?」
「ああ・・・すまない・・・私は・・・くっ」
「無理しないでください、ここは私に任せて皆を・・・」
その間、魔王は動かなかった。
いや動けなかった。
(やばいやばいやばいやばいやばいやばい・・・)
異世界より召喚されし英雄・・・ミズキが最も恐れる存在だ。
(まさか、こんな初っ端から出くわすなんて・・・)
彼女の物語では勇者は常に超絶チート存在だった。
高いステータス、カンストした各種スキル、べらぼうに高い魔力・・・そして専用の能力。
あの少女をただの歌姫か何か一般人だと思っていたが・・・思い出せば確かにあの声量は異常だ。
きっと高いステータスがあの声量をもたらすのだろう。
そしておそらく、演劇や歌唱といったおまけのスキルまでカンストしているのだ。
これだけ多くの人々が集まるのもそれなら納得できる。
あんなひ弱そうな見た目でも、能力値は人間のそれではないはず。
・・・おそらくバルエル程度では太刀打ちできないだろう。
今のところどちらも仕掛けず、にらみ合いになっているが、一触即発だ。
(く・・・こうなったらプランCでいくわ)
まずはこの状況を動かす必要がある。
ミズキは魔族達に指示を出した・・・
『武器がないようだが・・・丸腰でこの我に挑むつもりか?』
「私の英雄の力は武器に左右されませんので、お構いなく・・・」
にらみ合う魔王と英雄・・・二人は・・・
((英雄の力とはいったい・・・))
・・・同じことを考えていた。
もちろんマユミの言葉はハッタリだ。
魔王と対峙することで何かすごい力に目覚める可能性も期待してはいるのだが・・・
未だに力が覚醒しそうな気配はなかった。
バルエルは目の前の英雄が恐ろしくて仕方がなかった。
何せ自分は魔王ではないのだ、魔王ミズキが恐れるこの相手に勝てるわけがない。
ミズキから撤退の指示はとっくに出ているのだが、下手な逃げ方では殺されてしまうだろう。
何か、きっかけが必要だ・・・無理なく撤退するための・・・
必死に頭を働かせるが、残念な事に彼もまた他の魔族同様に・・・馬鹿なのであった。
両者ともに微動だに動くことが出来ず、時間だけが流れていく。
これが英雄と魔王の宿命の戦い・・・周囲の人々も固唾を飲んで見守っていた。
そこへ・・・
「きゃーたーすーけーてー」
妙に棒読みな悲鳴が響く。
見ると魔王の手下の魔族に人間の少女が捕らえられてもがいていた・・・ミズキだ。
ミズキはその態勢のまま、その魔族に耳打ちする。
「そこまでだ、えいゆうよ、むすめのいのちがおしくば、そのいのちをさしだすがいい」
魔族も棒読みだった。
ミズキに耳打ちされた言葉をそのまま言っているだけなのだ。
「そんな・・・人質だなんて・・・」
マユミの表情が絶望に歪む・・・もはやハッタリもここまでか。
『む・・・』
バルエルの腕に痛みが走った。
見ると、ミズキのイビルレイだった・・・その腕に文字が刻まれていく・・・
_____________________
「やめんか愚か者!」
そう言って部下を叱りつけて人質を解放後
「興が覚めた、今日の所はここまでにしよう」
と言って撤退しなさい。
_____________________
・・・バルエルはその指示に従うべく、声を出した。
『やめんか愚か・・・』
「やらせないわ!『氷よ・・・』」
『!?』
エレスナーデの魔術だ・・・無数の氷の矢がミズキを捕らえた魔族に迫る。
「え、ちょ・・・」
飛来する氷の矢に、ミズキはイビルシールドを張るわけにもいかず・・・
(く・・・ミズキ様だけは守らねば・・・)
とっさにミズキを庇う魔族に氷の矢が突き刺さっていく。
もちろん矢がミズキに当たらないようにコントロールされていたのでミズキは無傷だが・・・
「ぐああ・・・」
多くの矢を翼に受け、魔族の男がミズキごと墜落する・・・
こうなっては仕方ない、イビルシールドを下方に展開して落下の衝撃に備えるミズキだが・・・
『水よ・・・』
魔術によって大量の水が生成され彼女らを受け止める・・・どうやら助かったようだ。
「く・・・おのれ人間め・・・よくも」
ミズキを庇うように傷ついた魔族がよろよろと立ち上がる。
魔王であるミズキを危険な目に合わせた事で、彼は怒り心頭の様子だ。
その様子にミズキは慌てて小声で指示する。
「あ、アンタはもういいわ、他の魔族に手伝ってもらって逃げなさい」
「ですが・・・く・・・」
「これは命令よ、行きなさい」
魔族の彼は魔王の言葉には逆らう事は出来ない。
抵抗を示す魔族にミズキは重ねて命令した。
・・・渋々彼は他の魔族達の元へと歩き出す。
「まだよ!」
そんな彼らへ追い打ちとばかりに魔術を放つエレスナーデだが。
『させぬ!』
そう言ってバルエルが手を伸ばす。
(あいつにしては良い判断じゃない)
・・・これでイビルシールドを展開できる。
エレスナーデの魔術は障壁によって阻まれるのだった。
この隙に傷ついた魔族達に運ばれて上空へと避難する。
(あの魔術師・・・厄介ね・・・)
多彩な魔術をうまく使う・・・
英雄だけでもまずいこの事態に、彼女のような存在までいるのは厳しい。
「逃げられたけどまぁいいわ・・・人質は解放したわよ」
『人間風情が小賢しい真似を・・・だが我には通じぬ』
「そうかしら?やってみないとわからないわ」
だがエレスナーデの魔術では障壁を破る事は出来なかった。
『無駄だ』
「ふん、その障壁だっていつまでも出せるとは限らないわ」
「ナーデ、もういいよ、下がって!」
マユミの制止も聞かずにエレスナーデは魔術を放ち続ける。
(マユミは私が守らないと・・・)
彼女はマユミのハッタリに気付いているのだ。
もし自分が下がればマユミが殺されてしまう・・・下がるわけにはいかなかった。
(鋭いわね・・・本当に厄介だわ)
魔王の力も無尽蔵ではない・・・そろそろ底が見えてきている。
このままでは障壁は破られてしまうだろう。
英雄に阻まれる可能性があるが、うまくやるしかない・・・ミズキはバルエルに指示を送った。
『煩わしい小娘よ・・・ここまでだ』
バルエルがその手でエレスナーデを指差す・・・その指先から・・・
「かはっ・・・」
「ナーデ!」
発射されたイビルレイがエレスナーデを貫いた。
彼女のドレスが腹部の一点から赤く染まっていく・・・
力なく崩れ落ちるその身体・・・マユミが必死に駆け寄る。
(よし、今よ)
障壁を維持しながらの低出力なイビルレイだったが、魔術師の無力化に成功したようだ。
この隙に撤退するようにミズキは指示を飛ばした。
『我が好敵手たる英雄よ、我らの決着にはまだ早い・・・今日はこれで痛み分けとしようぞ』
そう言ってバルエルと魔族達は空高く飛び立っていく・・・すぐに見えなくなった。
しかしマユミには、もはや魔族達など眼中になかった。
「ナーデ、しっかりして・・・死なないで・・・」
泣きながら血が流れる傷口を押さえつける。
「大丈夫よ・・・ほん・・・に・・・マユミは・・・」
マユミを安心させようと笑顔を作ろうとするが・・・徐々に意識が朦朧としてきた。
(本当に・・・私がいないとダメなんだから・・・)
まだ死ねない・・・死ぬものか・・・
徐々に閉じてゆく視界の中・・・誰かの足音が聞こえた・・・医師だろうか・・・
ただマユミの泣き顔だけが、彼女の記憶に焼き付いたのであった。
第七の魔王バルエルによる大帝都劇場襲撃によって人類が受けた被害は・・・
軽症者30名
重傷者2名
5000人が詰めかけた劇場でこの被害で済んだのは、ひとえに英雄マユミがいたからだと人々は噂した。
目の前に立つ魔王、バルエルをしっかりと見据え、マユミは名乗りを上げた。
(あ、私死ぬかも・・・)
その内心はどこか諦めたような・・・達観したものがあった。
目の前で人が死ぬ所を見たくない・・・そんな思いのままにとんでもない事をしてしまったものだ。
だがもうどうしようもない、今は精一杯虚勢を張って英雄を演じるだけだ。
『・・・』
魔王は微動だにしなかった・・・英雄と聞いて逃げてくれるのを期待したのだが。
しかし警戒はしてくれているようで、すぐに仕掛けてはこないようだ。
マユミは視線だけは魔王から逸らさずに、この隙にセルビウスを助け起こす。
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高いステータス、カンストした各種スキル、べらぼうに高い魔力・・・そして専用の能力。
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そしておそらく、演劇や歌唱といったおまけのスキルまでカンストしているのだ。
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ミズキは魔族達に指示を出した・・・
『武器がないようだが・・・丸腰でこの我に挑むつもりか?』
「私の英雄の力は武器に左右されませんので、お構いなく・・・」
にらみ合う魔王と英雄・・・二人は・・・
((英雄の力とはいったい・・・))
・・・同じことを考えていた。
もちろんマユミの言葉はハッタリだ。
魔王と対峙することで何かすごい力に目覚める可能性も期待してはいるのだが・・・
未だに力が覚醒しそうな気配はなかった。
バルエルは目の前の英雄が恐ろしくて仕方がなかった。
何せ自分は魔王ではないのだ、魔王ミズキが恐れるこの相手に勝てるわけがない。
ミズキから撤退の指示はとっくに出ているのだが、下手な逃げ方では殺されてしまうだろう。
何か、きっかけが必要だ・・・無理なく撤退するための・・・
必死に頭を働かせるが、残念な事に彼もまた他の魔族同様に・・・馬鹿なのであった。
両者ともに微動だに動くことが出来ず、時間だけが流れていく。
これが英雄と魔王の宿命の戦い・・・周囲の人々も固唾を飲んで見守っていた。
そこへ・・・
「きゃーたーすーけーてー」
妙に棒読みな悲鳴が響く。
見ると魔王の手下の魔族に人間の少女が捕らえられてもがいていた・・・ミズキだ。
ミズキはその態勢のまま、その魔族に耳打ちする。
「そこまでだ、えいゆうよ、むすめのいのちがおしくば、そのいのちをさしだすがいい」
魔族も棒読みだった。
ミズキに耳打ちされた言葉をそのまま言っているだけなのだ。
「そんな・・・人質だなんて・・・」
マユミの表情が絶望に歪む・・・もはやハッタリもここまでか。
『む・・・』
バルエルの腕に痛みが走った。
見ると、ミズキのイビルレイだった・・・その腕に文字が刻まれていく・・・
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「やめんか愚か者!」
そう言って部下を叱りつけて人質を解放後
「興が覚めた、今日の所はここまでにしよう」
と言って撤退しなさい。
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・・・バルエルはその指示に従うべく、声を出した。
『やめんか愚か・・・』
「やらせないわ!『氷よ・・・』」
『!?』
エレスナーデの魔術だ・・・無数の氷の矢がミズキを捕らえた魔族に迫る。
「え、ちょ・・・」
飛来する氷の矢に、ミズキはイビルシールドを張るわけにもいかず・・・
(く・・・ミズキ様だけは守らねば・・・)
とっさにミズキを庇う魔族に氷の矢が突き刺さっていく。
もちろん矢がミズキに当たらないようにコントロールされていたのでミズキは無傷だが・・・
「ぐああ・・・」
多くの矢を翼に受け、魔族の男がミズキごと墜落する・・・
こうなっては仕方ない、イビルシールドを下方に展開して落下の衝撃に備えるミズキだが・・・
『水よ・・・』
魔術によって大量の水が生成され彼女らを受け止める・・・どうやら助かったようだ。
「く・・・おのれ人間め・・・よくも」
ミズキを庇うように傷ついた魔族がよろよろと立ち上がる。
魔王であるミズキを危険な目に合わせた事で、彼は怒り心頭の様子だ。
その様子にミズキは慌てて小声で指示する。
「あ、アンタはもういいわ、他の魔族に手伝ってもらって逃げなさい」
「ですが・・・く・・・」
「これは命令よ、行きなさい」
魔族の彼は魔王の言葉には逆らう事は出来ない。
抵抗を示す魔族にミズキは重ねて命令した。
・・・渋々彼は他の魔族達の元へと歩き出す。
「まだよ!」
そんな彼らへ追い打ちとばかりに魔術を放つエレスナーデだが。
『させぬ!』
そう言ってバルエルが手を伸ばす。
(あいつにしては良い判断じゃない)
・・・これでイビルシールドを展開できる。
エレスナーデの魔術は障壁によって阻まれるのだった。
この隙に傷ついた魔族達に運ばれて上空へと避難する。
(あの魔術師・・・厄介ね・・・)
多彩な魔術をうまく使う・・・
英雄だけでもまずいこの事態に、彼女のような存在までいるのは厳しい。
「逃げられたけどまぁいいわ・・・人質は解放したわよ」
『人間風情が小賢しい真似を・・・だが我には通じぬ』
「そうかしら?やってみないとわからないわ」
だがエレスナーデの魔術では障壁を破る事は出来なかった。
『無駄だ』
「ふん、その障壁だっていつまでも出せるとは限らないわ」
「ナーデ、もういいよ、下がって!」
マユミの制止も聞かずにエレスナーデは魔術を放ち続ける。
(マユミは私が守らないと・・・)
彼女はマユミのハッタリに気付いているのだ。
もし自分が下がればマユミが殺されてしまう・・・下がるわけにはいかなかった。
(鋭いわね・・・本当に厄介だわ)
魔王の力も無尽蔵ではない・・・そろそろ底が見えてきている。
このままでは障壁は破られてしまうだろう。
英雄に阻まれる可能性があるが、うまくやるしかない・・・ミズキはバルエルに指示を送った。
『煩わしい小娘よ・・・ここまでだ』
バルエルがその手でエレスナーデを指差す・・・その指先から・・・
「かはっ・・・」
「ナーデ!」
発射されたイビルレイがエレスナーデを貫いた。
彼女のドレスが腹部の一点から赤く染まっていく・・・
力なく崩れ落ちるその身体・・・マユミが必死に駆け寄る。
(よし、今よ)
障壁を維持しながらの低出力なイビルレイだったが、魔術師の無力化に成功したようだ。
この隙に撤退するようにミズキは指示を飛ばした。
『我が好敵手たる英雄よ、我らの決着にはまだ早い・・・今日はこれで痛み分けとしようぞ』
そう言ってバルエルと魔族達は空高く飛び立っていく・・・すぐに見えなくなった。
しかしマユミには、もはや魔族達など眼中になかった。
「ナーデ、しっかりして・・・死なないで・・・」
泣きながら血が流れる傷口を押さえつける。
「大丈夫よ・・・ほん・・・に・・・マユミは・・・」
マユミを安心させようと笑顔を作ろうとするが・・・徐々に意識が朦朧としてきた。
(本当に・・・私がいないとダメなんだから・・・)
まだ死ねない・・・死ぬものか・・・
徐々に閉じてゆく視界の中・・・誰かの足音が聞こえた・・・医師だろうか・・・
ただマユミの泣き顔だけが、彼女の記憶に焼き付いたのであった。
第七の魔王バルエルによる大帝都劇場襲撃によって人類が受けた被害は・・・
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