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第24話 はいええすは乙女の嗜みです
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「うぅ・・・あ、足がぁ・・・」
その日、マユミは朝から筋肉痛に苦しめられていた。
いったい自分の身体はどれだけひ弱なのかと不安になった。
(ちょっと運動しただけでこんなになるなんて・・・私大丈夫かな・・・)
しかし筋肉痛ならいずれは収まるし、その頃には多少筋肉が増えているだろう。
どのみちひ弱なままではこの世界で生きていけるとは思えない。
(やっぱり少しずつ筋トレしよう・・・少しずつ)
腕立て伏せを試みる事にした、一回、二回・・・今日はここで断念した、出来れば筋肉痛は避けたい。
足の痛みをこらえて立ち上がる。
そういえば、指の傷はもう気にならなくなっていた。
(もう楽器を弾いても大丈夫かな・・・ああそうだ)
ヴィーゲルに貰った手袋を装着する、サイズはぴったりで手によく馴染んだ。
楽器にしても手袋にしても、職人の腕の良さを感じた・・・工業化されてない分、この世界の職人達の技術が高いのだろうか?
手袋を着けたマユミはさっそく竪琴を弾いてみた・・・さすがに素手の時とは少々勝手が違った。
(指が痛くならないのは良いけど、これに慣れるのも大変そうだな・・・)
軽く練習をした後、エレスナーデの部屋へ・・・さすがと言うか毎回違う服が出てくる、今日の服はふわふわのスカートがかわいかった。
「うん、良く似合っているわ・・・でも」
エレスナーデの視線がマユミの右手にあるのを感じる。
マユミも予想はついていたが・・・飾り気のない革手袋はとても浮いていた。
右手だけというのもあって、まるで何かを封印しているかのようだ。
(鎮まれ我が右手よ!とか言ったら・・・真に受けられそうだからやめておこう・・・)
でもちょっとやってみたい衝動に駆られたマユミだった。
朝食を終えたマユミは一人「女神の酒樽亭」へ・・・エレスナーデはまた何か用事があるらしい。
(ナーデは何をやってるんだろう・・・貴族的な何かなんだろうけど・・・)
少し気になりつつも今は練習だ、早く一人前にならねば・・・
いつもの場所にヴィーゲルの姿を見つけマユミは駆け寄った。
「指の怪我は大丈夫か?」
「はい、おかげですっかり大丈夫です、お願いします」
ヴィーゲル先生のレッスンが始まる。
やはりマユミは上達が早い・・・手袋にももう慣れつつあった。
「そろそろ次の曲を教えてもいいかもな・・・」
「えっ、もう次のですか?」
それは嬉しい申し出ではあるが、今の曲が完璧になったわけでもない・・・むしろまだ自信がないのだが・・・
「お前も同じ曲の練習ばかりじゃ飽きるだろ?今のと並行して練習してもらう」
「は、はい」
・・・別に合格点がもらえたわけではないらしい。
しかし覚える事が増えるのは大変だが、同じ曲だけでは飽きるのは確かだ、次の曲は有り難かった。
「お前には俺がこの街を離れるまでに、出来るだけの事を教えておきたいからな・・・期待してるぞ」
「あ、ありがとうございます・・・ってあれ、今、この街を離れるって・・・」
聞き間違いではない・・・声優であるマユミは聞く事に関しても少々敏感なのだ。
そんなマユミの反応にも特に気にした様子もなくヴィーゲルは答える。
「ああ、故郷が懐かしくなったわけでもないが、次は北の方へ行ってみようと思ってる」
「えええええ、それはいつ?・・・こ、この街には帰ってきますよね?」
「大袈裟なやつだな、お前の上達を見て・・・ってのはあるが、この分なら割と近いうちに・・・だからってサボるなよ?」
「う・・・でも・・・」
ヴィーゲルは元々旅の吟遊詩人だ・・・引き止められるものではない事はマユミにもわかってはいた。
だが、今のマユミにとってはなかなか受け入れ難い現実でもあった。
(まだ教わりたい事はいっぱいあるのに・・・)
「出来るだけの事は教えるって言ったろ、それにこの街にも戻ってくるから安心しろ」
「本当に?」
「ここの侯爵様は金払いが良いからな」
確かに・・・あの侯爵は吟遊詩人にとって、この上なく良いお客さんだろう。
「だからお前は余計な事を考えなくていい、今は目の前の事をしっかりやるんだ」
「はい・・・」
こうしてこの日のレッスンは終わり、マユミは屋敷に帰るべく馬車へと向かう。
・・・とその時、マユミは妙な人物と遭遇した。
「そこの道行く麗しき君、ちょっとボクを助けてはくれないだろうか?」
(変な人だ・・・)
と、マユミは思った。
実際変な人だった、奇妙な服装をしている・・・まず目立つのは頭の・・・ターバンだろうか?カラフルな布を巻き付けている。
服も元々そういうデザインなのかはわからないが、サイズの大きい服を無理矢理着ているかのようで裾がだらんと垂れ下がっていた。
・・・そんな服装をした人物は、これまでにこの街で見かけたことがない。
これは関わり合いにならない方が良い・・・マユミはそう判断してすたすたと歩き出す。
だが・・・
「無視しないで助けておくれよ、ボクはとても困っているんだ」
「困っているようには見えないんですけど・・・」
マユミに着いてきてしつこく話しかけてくる・・・早く馬車に乗ってしまおう。
マユミがそう思った時・・・
「君なんだろう?異世界から来たマユミちゃんっていうのは・・・」
「な、なんでそれを・・・」
つい振り返ってしまったマユミの視界が、白く染まった・・・意識が、遠のいて・・・
「さぁ助けてもらうよ・・・ボクには君が必要なんだ」
崩れ落ちるマユミを抱き抱えながら・・・その人物はほくそ笑んだ。
その日、マユミは朝から筋肉痛に苦しめられていた。
いったい自分の身体はどれだけひ弱なのかと不安になった。
(ちょっと運動しただけでこんなになるなんて・・・私大丈夫かな・・・)
しかし筋肉痛ならいずれは収まるし、その頃には多少筋肉が増えているだろう。
どのみちひ弱なままではこの世界で生きていけるとは思えない。
(やっぱり少しずつ筋トレしよう・・・少しずつ)
腕立て伏せを試みる事にした、一回、二回・・・今日はここで断念した、出来れば筋肉痛は避けたい。
足の痛みをこらえて立ち上がる。
そういえば、指の傷はもう気にならなくなっていた。
(もう楽器を弾いても大丈夫かな・・・ああそうだ)
ヴィーゲルに貰った手袋を装着する、サイズはぴったりで手によく馴染んだ。
楽器にしても手袋にしても、職人の腕の良さを感じた・・・工業化されてない分、この世界の職人達の技術が高いのだろうか?
手袋を着けたマユミはさっそく竪琴を弾いてみた・・・さすがに素手の時とは少々勝手が違った。
(指が痛くならないのは良いけど、これに慣れるのも大変そうだな・・・)
軽く練習をした後、エレスナーデの部屋へ・・・さすがと言うか毎回違う服が出てくる、今日の服はふわふわのスカートがかわいかった。
「うん、良く似合っているわ・・・でも」
エレスナーデの視線がマユミの右手にあるのを感じる。
マユミも予想はついていたが・・・飾り気のない革手袋はとても浮いていた。
右手だけというのもあって、まるで何かを封印しているかのようだ。
(鎮まれ我が右手よ!とか言ったら・・・真に受けられそうだからやめておこう・・・)
でもちょっとやってみたい衝動に駆られたマユミだった。
朝食を終えたマユミは一人「女神の酒樽亭」へ・・・エレスナーデはまた何か用事があるらしい。
(ナーデは何をやってるんだろう・・・貴族的な何かなんだろうけど・・・)
少し気になりつつも今は練習だ、早く一人前にならねば・・・
いつもの場所にヴィーゲルの姿を見つけマユミは駆け寄った。
「指の怪我は大丈夫か?」
「はい、おかげですっかり大丈夫です、お願いします」
ヴィーゲル先生のレッスンが始まる。
やはりマユミは上達が早い・・・手袋にももう慣れつつあった。
「そろそろ次の曲を教えてもいいかもな・・・」
「えっ、もう次のですか?」
それは嬉しい申し出ではあるが、今の曲が完璧になったわけでもない・・・むしろまだ自信がないのだが・・・
「お前も同じ曲の練習ばかりじゃ飽きるだろ?今のと並行して練習してもらう」
「は、はい」
・・・別に合格点がもらえたわけではないらしい。
しかし覚える事が増えるのは大変だが、同じ曲だけでは飽きるのは確かだ、次の曲は有り難かった。
「お前には俺がこの街を離れるまでに、出来るだけの事を教えておきたいからな・・・期待してるぞ」
「あ、ありがとうございます・・・ってあれ、今、この街を離れるって・・・」
聞き間違いではない・・・声優であるマユミは聞く事に関しても少々敏感なのだ。
そんなマユミの反応にも特に気にした様子もなくヴィーゲルは答える。
「ああ、故郷が懐かしくなったわけでもないが、次は北の方へ行ってみようと思ってる」
「えええええ、それはいつ?・・・こ、この街には帰ってきますよね?」
「大袈裟なやつだな、お前の上達を見て・・・ってのはあるが、この分なら割と近いうちに・・・だからってサボるなよ?」
「う・・・でも・・・」
ヴィーゲルは元々旅の吟遊詩人だ・・・引き止められるものではない事はマユミにもわかってはいた。
だが、今のマユミにとってはなかなか受け入れ難い現実でもあった。
(まだ教わりたい事はいっぱいあるのに・・・)
「出来るだけの事は教えるって言ったろ、それにこの街にも戻ってくるから安心しろ」
「本当に?」
「ここの侯爵様は金払いが良いからな」
確かに・・・あの侯爵は吟遊詩人にとって、この上なく良いお客さんだろう。
「だからお前は余計な事を考えなくていい、今は目の前の事をしっかりやるんだ」
「はい・・・」
こうしてこの日のレッスンは終わり、マユミは屋敷に帰るべく馬車へと向かう。
・・・とその時、マユミは妙な人物と遭遇した。
「そこの道行く麗しき君、ちょっとボクを助けてはくれないだろうか?」
(変な人だ・・・)
と、マユミは思った。
実際変な人だった、奇妙な服装をしている・・・まず目立つのは頭の・・・ターバンだろうか?カラフルな布を巻き付けている。
服も元々そういうデザインなのかはわからないが、サイズの大きい服を無理矢理着ているかのようで裾がだらんと垂れ下がっていた。
・・・そんな服装をした人物は、これまでにこの街で見かけたことがない。
これは関わり合いにならない方が良い・・・マユミはそう判断してすたすたと歩き出す。
だが・・・
「無視しないで助けておくれよ、ボクはとても困っているんだ」
「困っているようには見えないんですけど・・・」
マユミに着いてきてしつこく話しかけてくる・・・早く馬車に乗ってしまおう。
マユミがそう思った時・・・
「君なんだろう?異世界から来たマユミちゃんっていうのは・・・」
「な、なんでそれを・・・」
つい振り返ってしまったマユミの視界が、白く染まった・・・意識が、遠のいて・・・
「さぁ助けてもらうよ・・・ボクには君が必要なんだ」
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