マドンナからの愛と恋

山田森湖

文字の大きさ
25 / 26

私たち、ちゃんと向き合えてる?

しおりを挟む
私たち、ちゃんと向き合えてる?

おれ、コウジ。38歳の会社員。
街コンで、同じ高校・同じ水泳部だったレナと再会した。
当時、彼女はマドンナ的な存在。でも今は少しぽっちゃりしていて──それでも、可愛さは変わっていなかった。

それがきっかけで、レナと週に一度ウォーキングを始めた。やがて一緒にプールにも通うようになり、自然と距離が縮まっていった。
そして俺たちは結婚し、レナは女の子──ユキを出産した。

ユキが生まれて半年が過ぎた頃、ウォーキングを再開することにした。
レナにとっては久しぶりの運動だったので、不安もあったようだ。

「大丈夫かな、長い距離、歩けるかな」
「ゆっくりいこうよ」

ユキを連れてのウォーキングということもあり、少し緊張していた。
久しぶりに見るレナのウォーキングウェア姿──やっぱり可愛い。

「これさ、ユキにも買ったんだ。可愛いでしょ」
「可愛いね。2人とも」
「もう、褒めても何も出ないんだからね」

今日のコースは、木々が多く、動物もいる自然豊かな場所。
街中とは違い、動く景色が多いので、ユキは純粋な目で一つ一つを追っている。
そういう姿を見て、こういう経験が大切なんだと感じた。

俺たちの会話も増え、ユキのことだけでなく、これからのことも話すようになった。
初めは息があがっていたレナも、日を重ねるごとに体力が戻ってきた。

そしてウォーキングを再開して3ヶ月が経ったころ──。

「コウジ、そろそろ仕事始めようかな」
「そうか、わかった。ユキは保育園に入れるの?」
「うん、この辺なら大丈夫だと思う」
「レナに任せるよ」

レナは、来年からの保育園探しと仕事探しを始めた。
理解のある職場でパートタイマーとして働くことになり、保育園も無事に決まった。

「また生活が変わるね」
「そうだよな。お互い、無理しないようにしよう。いつもお弁当も無理しないで。適当に食べるからさ」
「ありがとう、コウジ。私、何でも言うからね」
「うん、ユキのことを最優先でいいよ。俺も大人だから、大丈夫」

そんな会話の中、ユキがキャッキャッと笑っていた。
3人でぎゅっと抱き合いながら、新しい生活への第一歩を誓ったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

初体験の話

東雲
恋愛
筋金入りの年上好きな私の 誰にも言えない17歳の初体験の話。

夫婦交錯

山田森湖
恋愛
同じマンションの隣の部屋の同い年の夫婦。思いの交錯、運命かそれとも・・・・。 少しアダルトなラブコメ

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

危険な残業

詩織
恋愛
いつも残業の多い奈津美。そこにある人が現れいつもの残業でなくなる

先生の秘密はワインレッド

伊咲 汐恩
恋愛
大学4年生のみのりは高校の同窓会に参加した。目的は、想いを寄せていた担任の久保田先生に会う為。当時はフラれてしまったが、恋心は未だにあの時のまま。だが、ふとしたきっかけで先生の想いを知ってしまい…。 教師と生徒のドラマチックラブストーリー。 執筆開始 2025/5/28 完結 2025/5/30

処理中です...