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ママとパパの、もうひとつの記念日
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ママとパパの、もうひとつの記念日
おれ、コウジ。39歳の会社員。
街コンで、同じ高校・同じ水泳部だったレナと再会した。
当時、彼女はマドンナ的な存在。でも今は少しぽっちゃりしていて──それでも、可愛さは変わっていなかった。
それがきっかけで、レナと週に一度ウォーキングを始めた。やがて一緒にプールにも通うようになり、自然と距離が縮まっていった。そして俺たちは結婚し、レナは女の子を出産した。
娘のユキの誕生日。レナのお母さんから下着をプレゼントされた。それは、セクシー系と可愛い系。
「久しぶりに“男女”に戻ったら?」なんて、アドバイスまで添えられていた。
その夜、レナがぽつりとつぶやいた。
「来週末ね」
そう、約束の言葉だった。俺は週末が楽しみで仕方なかった。
でも、ユキが寝てからじゃないと無理だよな。やっぱり、夜かな。どんな格好で来るんだろ──。
レナとの時間を想像するだけで、自然と笑みがこぼれた。
週の半ば、レナから「土曜日、楽しみにしててね」なんてメッセージが届いた。
より一層、仕事に身が入る。
しかし金曜日、仕事でトラブルが発生。
「明日、出勤…だけは避けたい」
久々に本気モードになった。
その甲斐あって何とか鎮火。しかし帰宅したのは22時過ぎ。空腹だったけど、眠気に勝てず、風呂に入ってすぐに布団へ倒れ込んだ。
「明日、楽しみだな……」そう思いながら、眠りに落ちた。
翌朝──。
インターホンの音で目を覚ます。時計は8時を指していた。ユキが「ウォーキングだよー」って7時に起こしてくれるはずなのに……。
ハッとして飛び起きた。
ボサボサの頭でリビングに向かうと、レナがソファに座っていた。周りを見渡すと、ユキの姿はない。
「おはよう。ユキは?」
「お母さんとお出かけ」
「そっか。挨拶すればよかったかなー」
「いいの。昨日、遅かったでしょ?」
そんな会話をしていると、俺のお腹が鳴った。
「パパ、昨日何も食べてないんじゃないの?」
「そうそう、お腹すいた~」
「じゃあ、着替えてきなよ。朝ごはん用意するから」
着替えてリビングに戻ると、テーブルにはサンドイッチとホットドッグが並んでいた。
「ユキのお昼の残り。一緒に食べよ」
朝の優しい匂いに包まれて、2人きりの食事。久しぶりだ。
「ママのサンドイッチは、いつも美味しいね」
「愛情が入ってるからね」
ピッピッ──お風呂が沸いた音が鳴った。
「パパ、お風呂入ってきたら? 温泉の素、入れてあるから。ゆっくりしてきなよ」
「あ、ありがとう」
頭はまだぼんやりしていたけど、湯船に浸かると、日本人に生まれてよかった……なんて思う。
すると──ガチャ。
「私も入ろっかな」
レナと一緒にお風呂なんて、いつぶりだろう。
あまり広くない湯船に2人で浸かる。
「わー、お湯が~」なんて言いながら、2人ではしゃいでしまった。年甲斐もなく。
「パパ、背中流してあげる」
「ありがとう」
背中を流してもらっていると、レナの胸が……自然と当たってくる。わざとじゃないのかもしれないけど、それはそれで──。
「もう、エッチなこと考えてるでしょ?」
「そりゃさ、触れたら考えちゃうよ」
「私も、考えてるよ」
そんなことを耳元で囁かれたら、我慢できるわけがない。
身体を洗い終え、湯船にもう一度浸かる。
「ねえ、先に私のベッド行ってて。楽しみにしててね」
胸が高鳴る。
レナの部屋で待っていると、レナがやってきた。カーテンを閉めた部屋に、ふわっと入ってくる。
「お待たせ」
俺の胸に飛び込んでくるレナ。
「今は“レナ”って呼んで。コウジ」
「うん、レナ。その下着にしたんだ」
「久しぶりだから、コウジを悩殺しちゃおうって思ったの。もう、準備万端なんだから」
「そりゃ、レナが可愛いからだよ」
唇を重ねる。
久しぶりの、2人きりの時間。
もう、止まらなかった。レナの温もりと柔らかい肌を、何度も味わった。
──気づけば寝ていた。目を覚ますと12時を過ぎていた。
「レナ、お昼だね」
「ほんとだ。少し休憩しよっか。あそこでお昼食べようよ」
そこは、いまの家に引っ越してきて初めて行った、うどん屋。天ぷらも美味しくて、何度も通った店だった。
2人きりで外食するのも、久しぶりだ。
「コウジ、腕組んでもいい?」
「うん、いいよ」
いつもならユキが真ん中にいるから、こんなに近づくのは久しぶりだった。
席に着くと、お互いの仕事の話ばかり。まるで新婚当初に戻ったみたいだった。
家に帰ると、レナがキスをしてきた。
「まだ時間、あるよね。……まだ、したいな」
「うん。時間が許す限り」
レナは、また別の可愛い下着に着替えてきた。
「こっちもいいね」
「もう、コウジったら……興奮しすぎ」
日が落ちるまで、俺たちはベッドから出ることはなかった。
そして、レナのスマホにメッセージが届いた。「あと一時間で帰るよ」とのこと。
「レナ、今日はありがとう。いい1日だった」
「私、コウジのこと大好きだからね」
俺たちは口づけを交わし、服を着替えた。
「おかえり、ユキ」
「ただいま、パパ、ママ」
ユキはそそくさと家の中へ入っていった。
「お義母さん、ありがとうございました」
「こんなこと、お安い御用よ。それで、どっち着てた?」
「両方、拝見しました」
「やったじゃん、よかったね。……何回したのよ?」
「数えてないですよ……」
「あらら、素敵ねえ~」
「ねえ、2人で何話してるのよ?」
「レナー、邪魔しないでよ~。可愛い息子とのHな会話よ」
「もう、お母さんったら……ありがとうね」
「またね。ご用があれば、ぜひ~」
そう言って、お義母さんは帰っていった。
「パパ、ユキとお風呂入っちゃって~」
「はいよー、ユキ入るよ~」
……って、パパか。
なんだか少し、寂しい気もした。
「ママ~、ユキが風呂上がるよ~」
って、俺が呼んでいた。
おれ、コウジ。39歳の会社員。
街コンで、同じ高校・同じ水泳部だったレナと再会した。
当時、彼女はマドンナ的な存在。でも今は少しぽっちゃりしていて──それでも、可愛さは変わっていなかった。
それがきっかけで、レナと週に一度ウォーキングを始めた。やがて一緒にプールにも通うようになり、自然と距離が縮まっていった。そして俺たちは結婚し、レナは女の子を出産した。
娘のユキの誕生日。レナのお母さんから下着をプレゼントされた。それは、セクシー系と可愛い系。
「久しぶりに“男女”に戻ったら?」なんて、アドバイスまで添えられていた。
その夜、レナがぽつりとつぶやいた。
「来週末ね」
そう、約束の言葉だった。俺は週末が楽しみで仕方なかった。
でも、ユキが寝てからじゃないと無理だよな。やっぱり、夜かな。どんな格好で来るんだろ──。
レナとの時間を想像するだけで、自然と笑みがこぼれた。
週の半ば、レナから「土曜日、楽しみにしててね」なんてメッセージが届いた。
より一層、仕事に身が入る。
しかし金曜日、仕事でトラブルが発生。
「明日、出勤…だけは避けたい」
久々に本気モードになった。
その甲斐あって何とか鎮火。しかし帰宅したのは22時過ぎ。空腹だったけど、眠気に勝てず、風呂に入ってすぐに布団へ倒れ込んだ。
「明日、楽しみだな……」そう思いながら、眠りに落ちた。
翌朝──。
インターホンの音で目を覚ます。時計は8時を指していた。ユキが「ウォーキングだよー」って7時に起こしてくれるはずなのに……。
ハッとして飛び起きた。
ボサボサの頭でリビングに向かうと、レナがソファに座っていた。周りを見渡すと、ユキの姿はない。
「おはよう。ユキは?」
「お母さんとお出かけ」
「そっか。挨拶すればよかったかなー」
「いいの。昨日、遅かったでしょ?」
そんな会話をしていると、俺のお腹が鳴った。
「パパ、昨日何も食べてないんじゃないの?」
「そうそう、お腹すいた~」
「じゃあ、着替えてきなよ。朝ごはん用意するから」
着替えてリビングに戻ると、テーブルにはサンドイッチとホットドッグが並んでいた。
「ユキのお昼の残り。一緒に食べよ」
朝の優しい匂いに包まれて、2人きりの食事。久しぶりだ。
「ママのサンドイッチは、いつも美味しいね」
「愛情が入ってるからね」
ピッピッ──お風呂が沸いた音が鳴った。
「パパ、お風呂入ってきたら? 温泉の素、入れてあるから。ゆっくりしてきなよ」
「あ、ありがとう」
頭はまだぼんやりしていたけど、湯船に浸かると、日本人に生まれてよかった……なんて思う。
すると──ガチャ。
「私も入ろっかな」
レナと一緒にお風呂なんて、いつぶりだろう。
あまり広くない湯船に2人で浸かる。
「わー、お湯が~」なんて言いながら、2人ではしゃいでしまった。年甲斐もなく。
「パパ、背中流してあげる」
「ありがとう」
背中を流してもらっていると、レナの胸が……自然と当たってくる。わざとじゃないのかもしれないけど、それはそれで──。
「もう、エッチなこと考えてるでしょ?」
「そりゃさ、触れたら考えちゃうよ」
「私も、考えてるよ」
そんなことを耳元で囁かれたら、我慢できるわけがない。
身体を洗い終え、湯船にもう一度浸かる。
「ねえ、先に私のベッド行ってて。楽しみにしててね」
胸が高鳴る。
レナの部屋で待っていると、レナがやってきた。カーテンを閉めた部屋に、ふわっと入ってくる。
「お待たせ」
俺の胸に飛び込んでくるレナ。
「今は“レナ”って呼んで。コウジ」
「うん、レナ。その下着にしたんだ」
「久しぶりだから、コウジを悩殺しちゃおうって思ったの。もう、準備万端なんだから」
「そりゃ、レナが可愛いからだよ」
唇を重ねる。
久しぶりの、2人きりの時間。
もう、止まらなかった。レナの温もりと柔らかい肌を、何度も味わった。
──気づけば寝ていた。目を覚ますと12時を過ぎていた。
「レナ、お昼だね」
「ほんとだ。少し休憩しよっか。あそこでお昼食べようよ」
そこは、いまの家に引っ越してきて初めて行った、うどん屋。天ぷらも美味しくて、何度も通った店だった。
2人きりで外食するのも、久しぶりだ。
「コウジ、腕組んでもいい?」
「うん、いいよ」
いつもならユキが真ん中にいるから、こんなに近づくのは久しぶりだった。
席に着くと、お互いの仕事の話ばかり。まるで新婚当初に戻ったみたいだった。
家に帰ると、レナがキスをしてきた。
「まだ時間、あるよね。……まだ、したいな」
「うん。時間が許す限り」
レナは、また別の可愛い下着に着替えてきた。
「こっちもいいね」
「もう、コウジったら……興奮しすぎ」
日が落ちるまで、俺たちはベッドから出ることはなかった。
そして、レナのスマホにメッセージが届いた。「あと一時間で帰るよ」とのこと。
「レナ、今日はありがとう。いい1日だった」
「私、コウジのこと大好きだからね」
俺たちは口づけを交わし、服を着替えた。
「おかえり、ユキ」
「ただいま、パパ、ママ」
ユキはそそくさと家の中へ入っていった。
「お義母さん、ありがとうございました」
「こんなこと、お安い御用よ。それで、どっち着てた?」
「両方、拝見しました」
「やったじゃん、よかったね。……何回したのよ?」
「数えてないですよ……」
「あらら、素敵ねえ~」
「ねえ、2人で何話してるのよ?」
「レナー、邪魔しないでよ~。可愛い息子とのHな会話よ」
「もう、お母さんったら……ありがとうね」
「またね。ご用があれば、ぜひ~」
そう言って、お義母さんは帰っていった。
「パパ、ユキとお風呂入っちゃって~」
「はいよー、ユキ入るよ~」
……って、パパか。
なんだか少し、寂しい気もした。
「ママ~、ユキが風呂上がるよ~」
って、俺が呼んでいた。
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