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夜会も終盤に近づき、人々の興奮は絶頂に達している。そろそろ締めの挨拶や特別な演出があるはず、と誰もが期待を込めてホールの中央を見つめる。そんな中、王妃フィリアが優雅な足取りで壇上へと上がり、場を制するように手を挙げた。
「皆様、本日は誠にありがとうございます。ここで、私から一つ、大事なお知らせがございます」
ざわざわと貴族たちが声をひそめ合う。王妃は冷静にそれを受け流しながら、続けた。
「先にお伝えしたケーキ事件の真犯人を、王太子殿下が特定されたようです。王家に対して反逆の意を持ち、毒を用いたと証明できる確固たる証拠が揃いましたので、ここにて皆様へ公表させていただきます」
瞬く間に静寂が訪れる。会場の隅に立つグレンダール公爵の周囲は固唾を呑んだ取り巻きで満ちているが、誰一人として動こうとしない。息を潜め、王妃の言葉を待つしかないのだ。
「では、殿下。お願いいたします」
フィリアの促しに応じて、アルトワーズ王太子が前に進む。スッと息を整え、力強い視線を会場に向けた。
「今回の騒動を引き起こし、フォルティア伯爵令嬢とグランディア公爵令嬢を陥れ、さらには私の命を狙おうとした人物……それは、グレンダール公爵、あなたである」
その瞬間、会場は凍りつくような衝撃に包まれた。人々は一斉にグレンダール公爵へ視線を向ける。公爵の顔からは、あの不敵な笑みが消えていた。むしろ、その眼には怒りと焦りが宿っている。
「殿下、いきなり何を……根拠のない中傷ですな」
「根拠なら、こちらにある。あなたが密かに行っていた商会との取引記録と、毒物を運搬した証拠が揃っている。さらに、あなたの部下が倉庫街で目撃され、馬車に王家の紋章を偽装して使っていたことも判明した」
アルトワーズは冷静に書類を手に取り、脇に控える騎士が続々と証拠を広げていく。王太子自らの追及に対し、会場を囲む貴族たちは一様に息を呑んでいた。
「あなたは私を毒殺し、別の縁談を進めることで王家を掌握しようとした。しかし、毒騒動が表立ってしまったため、フォルティア伯爵令嬢を悪役に仕立てあげようとし、同時にグランディア公爵令嬢も巻き込んだのだろう」
王太子の言葉には揺るぎない自信が感じられる。ココナはローレライと手を取り合いながら、涙が出そうになるのを必死でこらえていた。ようやく、長い悪夢が終わるのかもしれない。
「……殿下、そこまで言うなら、こちらにも言い分があります」
グレンダール公爵が低い声で唸るように言い放つ。だが、その言葉に力はない。すでに証拠が揃った今、逆転は難しいとわかっているのだろう。取り巻きたちも後ずさり、誰一人として助け舟を出さない。
「今さら言い訳を聞く気はない。あなたは王族を狙った重罪人だ。ここで捕えられ、裁きを受けるだろう」
アルトワーズが静かに手を上げると、騎士団が進み出る。グレンダール公爵は最後に悔しそうな表情を浮かべたが、何も言わずに両腕を縛られた。呆然とする人々は、一瞬でも見逃すまいとその光景に釘付けになる。
こうして、真犯人として公爵が名指しされ、ケーキ事件と王太子暗殺未遂は大団円を迎えようとしていた。ココナとローレライの胸には、信じられないような安堵が広がる。同時に、長い苦しみからの解放が、涙となって溢れ出しそうだった。
「やっと……終わったんだね」
ローレライがささやくように呟く。ココナは小さく頷き、手を握り返す。運命の夜は、予想以上に劇的な幕引きを迎えようとしていた。
「皆様、本日は誠にありがとうございます。ここで、私から一つ、大事なお知らせがございます」
ざわざわと貴族たちが声をひそめ合う。王妃は冷静にそれを受け流しながら、続けた。
「先にお伝えしたケーキ事件の真犯人を、王太子殿下が特定されたようです。王家に対して反逆の意を持ち、毒を用いたと証明できる確固たる証拠が揃いましたので、ここにて皆様へ公表させていただきます」
瞬く間に静寂が訪れる。会場の隅に立つグレンダール公爵の周囲は固唾を呑んだ取り巻きで満ちているが、誰一人として動こうとしない。息を潜め、王妃の言葉を待つしかないのだ。
「では、殿下。お願いいたします」
フィリアの促しに応じて、アルトワーズ王太子が前に進む。スッと息を整え、力強い視線を会場に向けた。
「今回の騒動を引き起こし、フォルティア伯爵令嬢とグランディア公爵令嬢を陥れ、さらには私の命を狙おうとした人物……それは、グレンダール公爵、あなたである」
その瞬間、会場は凍りつくような衝撃に包まれた。人々は一斉にグレンダール公爵へ視線を向ける。公爵の顔からは、あの不敵な笑みが消えていた。むしろ、その眼には怒りと焦りが宿っている。
「殿下、いきなり何を……根拠のない中傷ですな」
「根拠なら、こちらにある。あなたが密かに行っていた商会との取引記録と、毒物を運搬した証拠が揃っている。さらに、あなたの部下が倉庫街で目撃され、馬車に王家の紋章を偽装して使っていたことも判明した」
アルトワーズは冷静に書類を手に取り、脇に控える騎士が続々と証拠を広げていく。王太子自らの追及に対し、会場を囲む貴族たちは一様に息を呑んでいた。
「あなたは私を毒殺し、別の縁談を進めることで王家を掌握しようとした。しかし、毒騒動が表立ってしまったため、フォルティア伯爵令嬢を悪役に仕立てあげようとし、同時にグランディア公爵令嬢も巻き込んだのだろう」
王太子の言葉には揺るぎない自信が感じられる。ココナはローレライと手を取り合いながら、涙が出そうになるのを必死でこらえていた。ようやく、長い悪夢が終わるのかもしれない。
「……殿下、そこまで言うなら、こちらにも言い分があります」
グレンダール公爵が低い声で唸るように言い放つ。だが、その言葉に力はない。すでに証拠が揃った今、逆転は難しいとわかっているのだろう。取り巻きたちも後ずさり、誰一人として助け舟を出さない。
「今さら言い訳を聞く気はない。あなたは王族を狙った重罪人だ。ここで捕えられ、裁きを受けるだろう」
アルトワーズが静かに手を上げると、騎士団が進み出る。グレンダール公爵は最後に悔しそうな表情を浮かべたが、何も言わずに両腕を縛られた。呆然とする人々は、一瞬でも見逃すまいとその光景に釘付けになる。
こうして、真犯人として公爵が名指しされ、ケーキ事件と王太子暗殺未遂は大団円を迎えようとしていた。ココナとローレライの胸には、信じられないような安堵が広がる。同時に、長い苦しみからの解放が、涙となって溢れ出しそうだった。
「やっと……終わったんだね」
ローレライがささやくように呟く。ココナは小さく頷き、手を握り返す。運命の夜は、予想以上に劇的な幕引きを迎えようとしていた。
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