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初めての告白
リリアナの、真の目的を知ってしまった夜。
王宮は、いつもと変わらない、静寂に包まれている。
だが、水面下では、この国の運命を揺るがす、巨大な陰謀が、刻一刻と、その時を待っている。
決戦の日は、明後日。
私の部屋の窓から見える月は、まるで、これから起こる嵐を、予感しているかのように、不気味なほど、青白く輝いていた。
怖い。
心の奥底から、恐怖が、冷たい霧のように、湧き上がってくる。
もし、計画が失敗したら?
もし、アレクシス様の身に、何かあったら……?
そう考えただけで、指先が、氷のように冷たくなった。
その時、私の震える心を、温かく支えてくれるのが、誰の存在なのかを、私は、はっきりと、自覚していた。
アレクシス様。
彼がいる。
彼が、隣にいてくれる。
その事実だけが、今の私を、かろうじて、立たせてくれていた。
愛しい。
彼が、どうしようもなく、愛しい。
この気持ちを、もう、偽ることはできない。
もし、この戦いが終わったら、なんて、悠長なことは、言っていられない。
今、この瞬間の、私の本当の気持ちを、彼に、伝えなければ。
後悔だけは、したくない。
私は、衝動的に、部屋を飛び出した。
侍女を呼ぶ声も、耳に入らない。
向かう先は、一つしかない。
彼の、執務室だ。
案の定、執務室の灯りは、まだ、煌々と灯っていた。
きっと、彼は、今も一人で、明後日のための、対策を練っているに違いない。
私は、扉をノックするのも忘れ、勢いよく、その扉を開けた。
「……レベッカ?」
部屋の主は、私の突然の来訪に、驚いたように、顔を上げた。
彼の前には、やはり、パレードの経路図が広げられている。
その真剣な横顔を見て、私の決意は、完全に、固まった。
私は、ゆっくりと、彼に近づく。
そして、初めて、彼のことを、名前で呼んだ。
「アレクシス様」
「……どうした。何か、あったのか」
彼は、私のただならぬ様子を、察したのだろう。
椅子から立ち上がり、心配そうに、私を見つめる。
私は、彼の目の前で、足を止めた。
そして、ありったけの、勇気を振り絞って、告げる。
「わたくし、あなた様が好きです」
彼の、青い瞳が、大きく、見開かれた。
「政略のためでも、契約のためでもなく、心から、あなたの妻になりたいのです」
もう、言葉はいらなかった。
私は、そっと、背伸びをする。
そして、驚きに、わずかに開かれた、彼の唇に、自分の唇を、重ねた。
それは、生まれて初めての、キスだった。
不器用で、ぎこちなくて、どうすればいいのかも、わからなかった。
ただ、彼への、愛しいという気持ちだけを、全て、込めた。
最初は、驚きに、固まっていた彼も、やがて、私の想いを、全て、受け止めてくれた。
彼の、大きな腕が、私の体を、強く、優しく、抱きしめる。
そして、今度は、彼の方から、より深く、情熱的なキスが、返された。
それは、甘くて、切なくて、そして、どうしようもなく、幸せなキスだった。
長い、長い、口づけの後。
私たちは、そっと、唇を離した。
互いの額を、こつん、と合わせたまま、荒い息を、整える。
「……レベッカ」
掠れた声で、彼が、私の名前を呼ぶ。
「俺も、君を、愛している」
「初めて会った、あの夜から。いや、もっと、前からかもしれない。ずっと、君のことが、頭から離れなかった」
彼の、初めて聞く、愛の告白。
その言葉の一つ一つが、私の心に、温かく、染み込んでいく。
嬉しくて、嬉しくて、涙が、溢れてきた。
「俺も、同じだ。政略ではない。この国の王子としてでもない。ただ、一人の男として、君を、俺の妻にしたい」
私たちは、もう一度、強く、抱きし合った。
二人の心は、この瞬間、完全に、一つになった。
外で、どんな嵐が吹き荒れようとも、もう、怖くはない。
この人の腕の中にいる限り、私は、絶対に、大丈夫だから。
明後日の、決戦。
必ず、乗り越えてみせる。
そして、この腕の中で、本当の、幸せを、掴んでみせる。
私は、固く、そう、誓った。
リリアナの、真の目的を知ってしまった夜。
王宮は、いつもと変わらない、静寂に包まれている。
だが、水面下では、この国の運命を揺るがす、巨大な陰謀が、刻一刻と、その時を待っている。
決戦の日は、明後日。
私の部屋の窓から見える月は、まるで、これから起こる嵐を、予感しているかのように、不気味なほど、青白く輝いていた。
怖い。
心の奥底から、恐怖が、冷たい霧のように、湧き上がってくる。
もし、計画が失敗したら?
もし、アレクシス様の身に、何かあったら……?
そう考えただけで、指先が、氷のように冷たくなった。
その時、私の震える心を、温かく支えてくれるのが、誰の存在なのかを、私は、はっきりと、自覚していた。
アレクシス様。
彼がいる。
彼が、隣にいてくれる。
その事実だけが、今の私を、かろうじて、立たせてくれていた。
愛しい。
彼が、どうしようもなく、愛しい。
この気持ちを、もう、偽ることはできない。
もし、この戦いが終わったら、なんて、悠長なことは、言っていられない。
今、この瞬間の、私の本当の気持ちを、彼に、伝えなければ。
後悔だけは、したくない。
私は、衝動的に、部屋を飛び出した。
侍女を呼ぶ声も、耳に入らない。
向かう先は、一つしかない。
彼の、執務室だ。
案の定、執務室の灯りは、まだ、煌々と灯っていた。
きっと、彼は、今も一人で、明後日のための、対策を練っているに違いない。
私は、扉をノックするのも忘れ、勢いよく、その扉を開けた。
「……レベッカ?」
部屋の主は、私の突然の来訪に、驚いたように、顔を上げた。
彼の前には、やはり、パレードの経路図が広げられている。
その真剣な横顔を見て、私の決意は、完全に、固まった。
私は、ゆっくりと、彼に近づく。
そして、初めて、彼のことを、名前で呼んだ。
「アレクシス様」
「……どうした。何か、あったのか」
彼は、私のただならぬ様子を、察したのだろう。
椅子から立ち上がり、心配そうに、私を見つめる。
私は、彼の目の前で、足を止めた。
そして、ありったけの、勇気を振り絞って、告げる。
「わたくし、あなた様が好きです」
彼の、青い瞳が、大きく、見開かれた。
「政略のためでも、契約のためでもなく、心から、あなたの妻になりたいのです」
もう、言葉はいらなかった。
私は、そっと、背伸びをする。
そして、驚きに、わずかに開かれた、彼の唇に、自分の唇を、重ねた。
それは、生まれて初めての、キスだった。
不器用で、ぎこちなくて、どうすればいいのかも、わからなかった。
ただ、彼への、愛しいという気持ちだけを、全て、込めた。
最初は、驚きに、固まっていた彼も、やがて、私の想いを、全て、受け止めてくれた。
彼の、大きな腕が、私の体を、強く、優しく、抱きしめる。
そして、今度は、彼の方から、より深く、情熱的なキスが、返された。
それは、甘くて、切なくて、そして、どうしようもなく、幸せなキスだった。
長い、長い、口づけの後。
私たちは、そっと、唇を離した。
互いの額を、こつん、と合わせたまま、荒い息を、整える。
「……レベッカ」
掠れた声で、彼が、私の名前を呼ぶ。
「俺も、君を、愛している」
「初めて会った、あの夜から。いや、もっと、前からかもしれない。ずっと、君のことが、頭から離れなかった」
彼の、初めて聞く、愛の告白。
その言葉の一つ一つが、私の心に、温かく、染み込んでいく。
嬉しくて、嬉しくて、涙が、溢れてきた。
「俺も、同じだ。政略ではない。この国の王子としてでもない。ただ、一人の男として、君を、俺の妻にしたい」
私たちは、もう一度、強く、抱きし合った。
二人の心は、この瞬間、完全に、一つになった。
外で、どんな嵐が吹き荒れようとも、もう、怖くはない。
この人の腕の中にいる限り、私は、絶対に、大丈夫だから。
明後日の、決戦。
必ず、乗り越えてみせる。
そして、この腕の中で、本当の、幸せを、掴んでみせる。
私は、固く、そう、誓った。
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