聖女と作る眷属のハーレム 〜人知れず村の生活を豊かにしていた少年は、いずれ全ての聖女たちから溺愛されることになるそうです〜

カミキリ虫

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第2章

69話 お忍びのソフィア様

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 今回買うことにしたのは、メモリーネとジブリールが選んでくれた俺専用の武器。コーネリスとお揃いの、ペアのアクセサリー(指輪)。あと、念のための着替えの服を5人分と、テトラと一緒に他の物を選んだりした。

 メモリーネ達は、どうやら俺にプレゼントをくれようとしてくれていたみたいだった。
 俺がみんなに買ってあげるつもりだったけど、逆に選んでもらうことになっていた。

 嬉しかった。
 そう思ってくれていることも、プレゼントを選んでくれたことも。

「「「使ってね!」」」

「機会があったら」

「「「あー! 使わない気だー!」」」

「使わないというか……大事にとっておきたいというか……」

 ……こんな風にプレゼントを選んでもらうのは、あまり慣れてないから、使い方が分からない。

 それでも、ちゃんと大事にするつもりだ。
 使える時には是非使わせてもらいたい。

「「じゃあお会計をして来ます!」」

「ご主人様は、私たちにお小遣いをくれているものね!」

 コーネリスたちが、布でできた財布を持って、カウンターのところに向かった。
 あの財布にはお小遣いが入っているみたいだ。
 一応、みんなには毎週お小遣いをあげている。

「テトラももう買いたい物はないかな」

「うんっ。私はもういっぱい選んでるから。あっ、でも私もテオとお揃いのやつ買いたいかもっ」

「じゃあ選ぼっか」

「ありがとっ」

 俺はテトラと他の商品も選ぶと、会計に向かうことにした。

 それで、とりあえず、これで必要な物は買い揃えられたと思う。

「あと、三人の服だけど、服自体は今のままにして、加工石を使って効果を付与させよっか」

「「「そんなこと、できるの!?」」」

「うん。少し時間と材料はかかるけどできるよ」

「「「さすがご主人様!」」」

「ふふっ。テオは手先が器用で上手だからすごいよっ」

 みんながキラキラとした目を向けてくれる。

 今着ている物を大事にしてくれるのなら、強化させる方で検討しようと思う。
 俺とテトラのローブみたいなやつがあればいいけど、あれはなかなか手に入らないようだ。

「すまないの。あれは、珍しいレアなやつじゃからの。また、必要になった時、店に来てくれるといいと思うのじゃ」

 店のおばあさんに聞いたところ、在庫切れとのことだった。
 だから、おばあさんも、今のところは俺が加工石で工夫した方がいいと言ってくれた。

 このおばあさんは、俺が魔石を使って色々できることも、知っているみたいだった。

「あ、そうじゃった。言い忘れていたことがあった」

 そして、店を出ようとした時のことだった。
 おばあさんが思い出したように声をかけてきた。

「メテオノールくんは、お腹をすかせておいた方がいいかもしれない」

「お腹を……空かせる……」

 それは……どうしてだろう。
 確かにお腹は空いている……。

 今はもう昼時。
 だから、店を出た後は、屋台で食べ物を買って、みんなで何かを食べようと思っていた所だった。

「もう少しで、あの子が屋敷に招待しに来てくれると思うのじゃ」

「あの子……」

「そこで、ご馳走を食べさせてもらえることになるはずじゃ。やれやれ、メテオノールくんは罪作りじゃのぉ」

「い、痛いッッ……」

 俺の背中に触れる老婆。
 このおばあさんに触れられると、やっぱりビリビリとした痛みが伝わってくる。
 なんだか、魔力が反発するようなそんな感じだ。

「まあ、それはその時が来てからのお楽しみじゃ」

 そう言って、結局、老婆は多くは語らなかった。

「また、おいで。ヒッヒッヒ……っ」

 その後、俺たちは老婆に見送られて、店を出ることになった。


 * * * * * *


 それから、店を出て、みんなが腕輪に宿り、俺が一人で街を歩いている時のことだった。

『……テオ様……。テオ様……』

「あっ」

 この声は……。

 人混みに溢れる街の中。
 帽子を深く被った人の姿が目に入った。
 その人は建物の陰から、俺の方を見て、俺の名前を呼んでいる。
 そして、手を小さくちょいちょいと振っていて、手招きをしている人だった。

 一瞬警戒したものの、すぐに気づいた。
 多分、あれは……ソフィアさんだと思う。

「テオ様」

 サッと彼女が駆け寄って来て、俺の手を握ると、自分の唇に指を当てて「しー」と内緒話をするような仕草をしていた。

「……実は今日はお忍びなので」

 そう小さく囁いた彼女は、それでもなんだか少しだけ楽しそうな様子で、深く帽子を被った下の表情が明るく輝いているのが分かった。

「でも、やっとテオ様と会うことができました。お久しぶりです。テオ様」

 彼女はソフィアさん。
 お忍びの最中らしい彼女は、まるでいたずらが成功したように、くすりと微笑んでくれるのだった。
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