聖女と作る眷属のハーレム 〜人知れず村の生活を豊かにしていた少年は、いずれ全ての聖女たちから溺愛されることになるそうです〜

カミキリ虫

文字の大きさ
70 / 132
第2章

68話 3人が欲しいもの

しおりを挟む
  
 この前に来た時もそうだったけど、この店には様々な商品が並べられている。
 埃っぽくて、薄暗い店内に、ローブや武器、あとアクセサリーや、魔道具なんかも取り扱っているみたいだった。

「ああ、そうじゃよ。だから、その子たちのおもちゃも買ってあげられるのぉ? メテオノールくん、ヒッヒッヒ……っ」

 ……そこまで知られているのか。
 もうこのおばあさんに対して驚くことはないと思う。

「「ご主人様、見ていいー?」」

「うん、いいよ。でも、お店の物だから大事に見なさい」

「「あいあいさー!」」

 手を挙げたメモリーネとジブリールが、魔道具が売られている場所へと向かった。

「コーネリスちゃんは今アクセサリーが欲しいと思っているのかの? じゃあ、たぁんと見てごらん。ヒッヒッヒ……っ」

「……な!?」

 コーネリスのことも言い当てる老婆。
 どうやらコーネリスはアクセサリーが気になっているみたいだ。

「コーネリスも好きな物を選んでおいで」

「で、でも……悪いわよ」

 遠慮するコーネリス。

 だけど、コーネリスには特に色々買ってあげたかった。

「この前、村のことでコーネリスには助けてもらった。ついこの間の依頼の時も、コーネリスは頑張ってくれた。いつもメモリーネとジブリールの面倒も見てくれるし、そのお礼……じゃないけど、その分のお礼はしたいんだ」

「ご主人様っ」

 コーネリスの頬がほんのりと赤く染まる。

「えへへっ。ご主人様に褒めてもらえたっ」

 コーネリスはそう言って身を寄せると、俺の胸にぐりぐりと甘えるように頬ずりをした。

「うんっ。じゃあ、欲しいもの選んでくるっ」

「うん。行っておいで」

 その後、顔をほころばせたコーネリスは、心なしか弾んだ足取りで、アクセサリーのところへと向かった。

「じゃあ、テオ。私たちは、一緒にあの子達の服を選ぼっか」

「では、わしも一緒について行こうかのぉ」

「「……あ、はい……」」

 テトラが俺の手を握って歩き出すと、なぜかついてくる老婆。

「ヒッヒッヒ……ッ」

 それからはテトラと老婆と一緒に、コーネリス達に似合いそうな服を選んでいく。
 予算はあまり考えずに、機能性とか、そういうのを重視して選ぶつもりだ。

「う~ん、でも、あの子達の服装は、今のままでもいいかなっても思うんだよね」

 テトラが服を見ながら呟いた。

「確かにそうかもだけど、せっかくだし買ってあげたほうがいいんじゃないかな……?」

「おばあちゃんはどう思いますか?」

「うむ。そうじゃの……。買ってもらえるのはいいが、あの子達は義理堅いから、買ってもらったらその服を着なきゃ、と思うはずじゃ。そこで気を使わせるのは、悪手ではないか?」

「……それは……。……一理ある……」

 ……そうだ。
 宿で話した時も、コーネリス達はあまり服には興味を示してはいなかった。

 今だってそうだ。
 メモリーネとジブリールは魔道具のところ。コーネリスは、アクセサリーのところへと向かっている。

 3人とも、服にはあまり興味を示していない。

「今のあの子達が着ている服は、恐らくお気に入りなんだと思うのじゃ」

「うんっ。あれは、テオがあの子達を眷属として誕生させた時に、備わっていた服だから、愛着があるんだと思う」

 テトラの言う通りかもしれない。

 ちなみに、今のコーネリスは赤色と銀色のスカートタイプの服。
 メモリーネとジブリールはお揃いで色違いの、子供用の服を着ている。
 メモリーネとジブリールは、場合によってゴーグルとスカーフ、あとバズーカを取り出せるようで、三人の腕には腕輪が嵌められている。

 改めて見ると、みんなの服装は今のままでもしっくりきている。みんな自身も不満そうではない。

 あと、メモリーネとジブリールに比べたら、コーネリスはアクセサリー類が少ないように思える。
 だからコーネリスはアクセサリーが欲しいと思ったのかもしれない。
 メモリーネとジブリールがおもちゃを買いたがっているのも、子供だからというだけではなくて、新しい武器代わりになるものを欲しているのかもしれない。

「全然、的外れだった……」

 ……全然ダメだった。

 今日はみんなにプレゼントを買ってあげたかった。
 いつも助けられているから。だから、形があるもので渡したかった。

 だれど、それは自分のためだったんだな……。
 それぞれ欲しいものがあるなら、それを察するぐらいしてあげないとダメだった。

「ヒッヒッヒ……ッ。メテオノールくんは不器用じゃのう……。でも、メテオノールくんのそういうところがワシは好きなんじゃよ」

「い、痛い痛いッッ……!?」

 おばあさんが、俺の背中を叩く。
 このおばあさんに触れられると、いつもバチィ……! と痛みが走る。

「て~~~お~~~~。おばあちゃんに、デレデレしてる~~~。いけないんだ~~~~」

「し、してないしてない」

 俺はジトッとした目で、頬を膨らませているテトラに、慌てて否定をした。

「ふふっ。でも、私もそういうテオは好きだよ? だって私もテオに貰えるものなら何でも嬉しかったもん」

 テトラが俺の腕を抱きしめながら、顔を綻ばせてそう言ってくれた。

 ……昔からそうだ。
 何かを送るとテトラは喜んでくれる。
 その顔を見るのが好きだった。
 だから、テトラには何でもあげたいと思ったんだ。

「あの子達もきっとテオから何かをもらえるなら、それだけでも嬉しいと思うよ。テオは私たちのことをたくさん考えてくれて、思いやってくれるから。ほらっ」

 そこにコーネリス達が戻ってきて……。

「ご、ご主人様……。あのね、このアクセサリー。お揃いで、つけたいんだけどダメかしら……?」

「「ご主人様ー! ご主人様用の武器を発見しました。これを買って、お揃いの武器を装備したいのー!」」

「……俺の……?」

「「「うん!」」」

 大きく頷く三人。

「「「だって、ご主人様にはお世話になってるから!」」」

「ふふっ。テオがみんなに買ってあげたいと思ってるように、みんなもテオに何かをプレゼントしたかったんだね。みんな優しいね」

 3人を見ながら、テトラが見守るように琥珀色の瞳を優しく揺らしていた。

 俺にもプレゼント……。
 いつもお世話になっているから……。

「そっか……。あ、ありがとう」

「「「あー、ご主人様、照れてるー!」」」

「ふふっ。テオってば、可愛いっ」

 テトラたちが微笑みながらこっちを見てくる。

 俺はなんだか顔が熱くなってくるのを感じて、それを誤魔化すように、そっと顔を背けるのだった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~

名無し
ファンタジー
 主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~

軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。 そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。 クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。 一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...