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第十二話:渇望 ―帰りたくない二人―
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一月特有の、身を切るような冷気が頬を打つ。
けれど、その冷たささえも今は心地よかった。
お互いの「妥協」も「嘘」も「誠実」も、すべてをさらけ出した今の僕たちにとって、この世界はかつてよりもずっと鮮明な解像度を持って迫ってくる。
僕たちはどちらからともなく、また手を繋いだ。
今度の繋ぎ方は、指を絡ませるような甘いものではなく、ただ力強く、お互いの存在を確かめるような、無骨で切実なものだった。
夜の駅の改札口は、ひどく無機質で、冷え切ったオレンジ色の街灯がアスファルトを寒々しく照らしている。
「……また、明日ね」
どちらからともなく、祈るような呟きが漏れた。
けれど、繋いだ手は一度も緩まなかった。
「ねぇ、タカシ……離さないと、帰れないよ」
レイコが僕を見上げて、困ったように眉を下げて笑った。
「そっちこそ……。君が離さないと、僕も帰れないよ」
無自覚の中で、お互いにこの手を離してしまったら、「正しい場所」――二〇二六年の、家族のもとへ、永遠に引き戻されてしまうのではないか。この奇跡のような時間が、ただの夢として完結してしまうのではないか。
理性や善悪を超越して引き合う二人の魂が、自然と指先に力を込めさせた。
「じゃあ、同時に離そう」
僕が提案した。
「うん」
「せーの」
逆に、握る手に力がこもる。
結局、僕たちはどちらも手を離すことができなかった。
今の僕たちが帰る場所、それは確認しなくても分かっていた。
そして二人は同時に歩き出す。駅を離れ、静まり返った住宅街を抜け、レイコのアパートへと進む。道は、数日前に二人で鍋を囲んだ時よりも、ずっと短く感じられた。
あの時はまだ「若さ」という遊戯を楽しんでいたけれど、今は違う。
階段を上がる鉄の音が、夜の静寂に重く響く。
レイコがバッグから鍵を取り出し、震える手で鍵穴に差し込む。一度経験したはずのこの光景が、今は全く別の意味を持っていた。
扉が閉まり、錠がカチャリと落ちる。
その乾いた音は、僕たちを二〇二六年の責任からも、二〇〇六年の正論からも、一時的に切り離す「結界」の合図だった。
狭い玄関で、僕はレイコを抱きしめた。
コート越しでも伝わる、彼女の激しい鼓動。四十年の人生で、これほどまでに身勝手で、醜く、けれど純粋な「本音」を口にしたことはなかった。
「今日は、帰したくないんだ……」
「……うん。私も、帰したくない」
レイコの答えは、祈りというよりは、絶望に近い決意に満ちていた。
僕は彼女を横抱きにすると、数日前に二人で囲んだ鍋の跡さえ残る、あの生活感の漂う六畳一間のベッドへと向かった。
横たわった彼女に重なると、どちらからともなく手が伸び、唇が吸い寄せられた。それは今までのキスとは明らかに密度も、切実さも違っていた。
「……タカシ」
レイコが吐息を漏らす。触れた指先は火傷しそうなほど熱く、僕の項(うなじ)を強く引き寄せた。
僕は彼女の頬に手を添え、その濡れた瞳を真っ向から見つめた。そこには吸い込まれるような奈落の深さと、一縷の光が同居していた。
「……私だけを見て。お願い……」
彼女が縋(すが)るように囁く。
その瞳の奥にいるのは、さっきまで語り合っていた「良き母親」でも「よその妻」でもない。二十年間、僕という不在を埋めるために戦い続けてきた、一人の、剥き出しの女だった。
「……あなたに愛される、レイコでいたい」
微かに震えるその声に、僕は言葉を失い、ただ彼女を力強く引き寄せた。
腕の中に収まる二十歳の肉体は驚くほど細く、柔らかい。
けれど、僕が今抱きしめているのは、幻ではない。二〇二六年の停滞した日々の中で、僕と同じように「もしも」という呪いを抱え、それでも立ち続けてきた、四十歳の彼女なのだ。
「君を誰にも触れさせたくない……」
僕は、レイコの身体を貪るように、丹念に、狂おしく愛した。
二十歳の溢れるような精力に、四十歳の練達した経験値が融合する。
僕は彼女が最も悦ぶ場所を、まるで自分の身体の一部であるかのように熟知していた。彼女もまた、もはや「初恋の少女」を演じる必要などないかのように、大胆に、貪欲に、僕を求めてきた。
重なり合う肌から、彼女の滑らかさと、内側に秘めた業(ごう)のような熱が伝わってくる。レイコは僕のすべてを慈しむように、その唇で、指先で、魂を刻印するように愛した。僕は彼女の細い背中を、しなやかな腰を、四十歳の男にしか出せない重厚な熱量で抱きしめた。
「……タカシ、そこ……。ああっ……!」
情動が昂まるたび、二十歳の肉体はそれに応えて火を吹き、僕たちは何度も、何度も深い悦びの淵へと堕ちていった。
それは単なる肉欲の消化ではない。この二十年という長い空白を埋めようとする、血を流すような魂の対話だった。
(神様……今だけは……)
そんな思いが二人の心を駆け抜ける。
僕たちには帰る場所がある。守るべき平穏があり、愛する子供たちがいる。
けれども、今この瞬間だけは。この狭い部屋の中だけは。
僕は「夫」であることを捨て、彼女は「母」であることをかなぐり捨て、ただの男と女として、お互いの存在を噛み締め合っていた。
指先が絡み合い、汗が混じり合い、境界線が消えていく。
「愛してる……レイコ。君だけを……」
夜が深まるにつれ、僕たちはさらに深く、濃厚な悦びの中に沈んでいった。
綺麗事では済まされない、泥臭くて、けれどこれ以上なく純粋な「二十年目の初体験」。
僕たちは、間違いを犯している。その確信が、かえってこの逢瀬を、永遠に忘れられないほど美しく、残酷なものへと変えていった。
*
嵐のような情事の後、僕たちはシングルベッドの窮屈な毛布の中で、汗ばんだ身体を寄せ合っていた。
外では雪がしんしんと降り積もり、世界中の音を消し去っている。
その静寂が、ここを二人だけの宇宙にしていた。
僕はレイコの乱れた黒髪を指で梳き、まだ紅潮している頬を親指でなぞった。
彼女は仔猫のように僕の胸に顔を埋め、僕の鼓動を聞いている。
満ち足りていて、けれど、どこか泣き出しそうな脆い空気。
「……レイコ」
僕は思い切って、心の奥底で疼いていた想いを言葉にした。
「もし……もしもだ、このまま時間が戻らないのなら。あるいは、この世界でやり直すことが許されるのなら」
レイコの長い睫毛が震えた。
僕は彼女の左手をそっと取り、薬指の付け根に唇を押し当てた。
「僕は君と、結婚したい。……今度こそ、君を僕の妻にしたい」
レイコの身体が、微かに強張った。
彼女はゆっくりと顔を上げ、涙を湛えた瞳で僕を見つめた。
その涙は、二十歳の少女の単純な嬉し涙ではない。二十年後の世界に「置いてきたもの」があることを知っている、一人の女性の、悲痛なほどの愛の結晶だった。
「……ずるいよ、タカシ」
彼女は掠れた声で呟き、僕の首に腕を回した。
「私ね、何度も想像したの。スーパーのレジでカードにサインするとき、子供の学校の書類を書くとき……もし、この名字が『甲斐田』だったら、どんな人生だったろうって」
その告白は、どんな愛の言葉よりも重く、僕の胸を締め付けた。
彼女もまた、僕のいない日常の中で、僕の幻影と共に生きてきたのだ。
「……たとえここが夢の中でも、地獄でも構わない。私は、あなたの妻になりたい」
レイコは僕の唇を塞ぐように、深くキスをした。
塩辛い涙の味と、甘い愛の味が混じり合う。
二十歳の身体に、四十歳の重荷。そして、ようやく結ばれた魂。
僕たちは、あまりにも甘美で残酷な「ロスタイム」の中に、降り積もる雪と一緒に深く深く沈み込んでいった。
けれど、その冷たささえも今は心地よかった。
お互いの「妥協」も「嘘」も「誠実」も、すべてをさらけ出した今の僕たちにとって、この世界はかつてよりもずっと鮮明な解像度を持って迫ってくる。
僕たちはどちらからともなく、また手を繋いだ。
今度の繋ぎ方は、指を絡ませるような甘いものではなく、ただ力強く、お互いの存在を確かめるような、無骨で切実なものだった。
夜の駅の改札口は、ひどく無機質で、冷え切ったオレンジ色の街灯がアスファルトを寒々しく照らしている。
「……また、明日ね」
どちらからともなく、祈るような呟きが漏れた。
けれど、繋いだ手は一度も緩まなかった。
「ねぇ、タカシ……離さないと、帰れないよ」
レイコが僕を見上げて、困ったように眉を下げて笑った。
「そっちこそ……。君が離さないと、僕も帰れないよ」
無自覚の中で、お互いにこの手を離してしまったら、「正しい場所」――二〇二六年の、家族のもとへ、永遠に引き戻されてしまうのではないか。この奇跡のような時間が、ただの夢として完結してしまうのではないか。
理性や善悪を超越して引き合う二人の魂が、自然と指先に力を込めさせた。
「じゃあ、同時に離そう」
僕が提案した。
「うん」
「せーの」
逆に、握る手に力がこもる。
結局、僕たちはどちらも手を離すことができなかった。
今の僕たちが帰る場所、それは確認しなくても分かっていた。
そして二人は同時に歩き出す。駅を離れ、静まり返った住宅街を抜け、レイコのアパートへと進む。道は、数日前に二人で鍋を囲んだ時よりも、ずっと短く感じられた。
あの時はまだ「若さ」という遊戯を楽しんでいたけれど、今は違う。
階段を上がる鉄の音が、夜の静寂に重く響く。
レイコがバッグから鍵を取り出し、震える手で鍵穴に差し込む。一度経験したはずのこの光景が、今は全く別の意味を持っていた。
扉が閉まり、錠がカチャリと落ちる。
その乾いた音は、僕たちを二〇二六年の責任からも、二〇〇六年の正論からも、一時的に切り離す「結界」の合図だった。
狭い玄関で、僕はレイコを抱きしめた。
コート越しでも伝わる、彼女の激しい鼓動。四十年の人生で、これほどまでに身勝手で、醜く、けれど純粋な「本音」を口にしたことはなかった。
「今日は、帰したくないんだ……」
「……うん。私も、帰したくない」
レイコの答えは、祈りというよりは、絶望に近い決意に満ちていた。
僕は彼女を横抱きにすると、数日前に二人で囲んだ鍋の跡さえ残る、あの生活感の漂う六畳一間のベッドへと向かった。
横たわった彼女に重なると、どちらからともなく手が伸び、唇が吸い寄せられた。それは今までのキスとは明らかに密度も、切実さも違っていた。
「……タカシ」
レイコが吐息を漏らす。触れた指先は火傷しそうなほど熱く、僕の項(うなじ)を強く引き寄せた。
僕は彼女の頬に手を添え、その濡れた瞳を真っ向から見つめた。そこには吸い込まれるような奈落の深さと、一縷の光が同居していた。
「……私だけを見て。お願い……」
彼女が縋(すが)るように囁く。
その瞳の奥にいるのは、さっきまで語り合っていた「良き母親」でも「よその妻」でもない。二十年間、僕という不在を埋めるために戦い続けてきた、一人の、剥き出しの女だった。
「……あなたに愛される、レイコでいたい」
微かに震えるその声に、僕は言葉を失い、ただ彼女を力強く引き寄せた。
腕の中に収まる二十歳の肉体は驚くほど細く、柔らかい。
けれど、僕が今抱きしめているのは、幻ではない。二〇二六年の停滞した日々の中で、僕と同じように「もしも」という呪いを抱え、それでも立ち続けてきた、四十歳の彼女なのだ。
「君を誰にも触れさせたくない……」
僕は、レイコの身体を貪るように、丹念に、狂おしく愛した。
二十歳の溢れるような精力に、四十歳の練達した経験値が融合する。
僕は彼女が最も悦ぶ場所を、まるで自分の身体の一部であるかのように熟知していた。彼女もまた、もはや「初恋の少女」を演じる必要などないかのように、大胆に、貪欲に、僕を求めてきた。
重なり合う肌から、彼女の滑らかさと、内側に秘めた業(ごう)のような熱が伝わってくる。レイコは僕のすべてを慈しむように、その唇で、指先で、魂を刻印するように愛した。僕は彼女の細い背中を、しなやかな腰を、四十歳の男にしか出せない重厚な熱量で抱きしめた。
「……タカシ、そこ……。ああっ……!」
情動が昂まるたび、二十歳の肉体はそれに応えて火を吹き、僕たちは何度も、何度も深い悦びの淵へと堕ちていった。
それは単なる肉欲の消化ではない。この二十年という長い空白を埋めようとする、血を流すような魂の対話だった。
(神様……今だけは……)
そんな思いが二人の心を駆け抜ける。
僕たちには帰る場所がある。守るべき平穏があり、愛する子供たちがいる。
けれども、今この瞬間だけは。この狭い部屋の中だけは。
僕は「夫」であることを捨て、彼女は「母」であることをかなぐり捨て、ただの男と女として、お互いの存在を噛み締め合っていた。
指先が絡み合い、汗が混じり合い、境界線が消えていく。
「愛してる……レイコ。君だけを……」
夜が深まるにつれ、僕たちはさらに深く、濃厚な悦びの中に沈んでいった。
綺麗事では済まされない、泥臭くて、けれどこれ以上なく純粋な「二十年目の初体験」。
僕たちは、間違いを犯している。その確信が、かえってこの逢瀬を、永遠に忘れられないほど美しく、残酷なものへと変えていった。
*
嵐のような情事の後、僕たちはシングルベッドの窮屈な毛布の中で、汗ばんだ身体を寄せ合っていた。
外では雪がしんしんと降り積もり、世界中の音を消し去っている。
その静寂が、ここを二人だけの宇宙にしていた。
僕はレイコの乱れた黒髪を指で梳き、まだ紅潮している頬を親指でなぞった。
彼女は仔猫のように僕の胸に顔を埋め、僕の鼓動を聞いている。
満ち足りていて、けれど、どこか泣き出しそうな脆い空気。
「……レイコ」
僕は思い切って、心の奥底で疼いていた想いを言葉にした。
「もし……もしもだ、このまま時間が戻らないのなら。あるいは、この世界でやり直すことが許されるのなら」
レイコの長い睫毛が震えた。
僕は彼女の左手をそっと取り、薬指の付け根に唇を押し当てた。
「僕は君と、結婚したい。……今度こそ、君を僕の妻にしたい」
レイコの身体が、微かに強張った。
彼女はゆっくりと顔を上げ、涙を湛えた瞳で僕を見つめた。
その涙は、二十歳の少女の単純な嬉し涙ではない。二十年後の世界に「置いてきたもの」があることを知っている、一人の女性の、悲痛なほどの愛の結晶だった。
「……ずるいよ、タカシ」
彼女は掠れた声で呟き、僕の首に腕を回した。
「私ね、何度も想像したの。スーパーのレジでカードにサインするとき、子供の学校の書類を書くとき……もし、この名字が『甲斐田』だったら、どんな人生だったろうって」
その告白は、どんな愛の言葉よりも重く、僕の胸を締め付けた。
彼女もまた、僕のいない日常の中で、僕の幻影と共に生きてきたのだ。
「……たとえここが夢の中でも、地獄でも構わない。私は、あなたの妻になりたい」
レイコは僕の唇を塞ぐように、深くキスをした。
塩辛い涙の味と、甘い愛の味が混じり合う。
二十歳の身体に、四十歳の重荷。そして、ようやく結ばれた魂。
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